1996
年に
創業した「
恒大グループ」は
積極的な
投資による
マンション開発などで
急成長し、2009
年に
香港証券取引所に
上場。
中国全土で
不動産事業を
展開してきました。
およそ20万人の従業員を抱え、去年 2020年の年間の物件の販売面積はおよそ8000万平方メートルと業界で2位でした。
会社は不動産以外にも事業を拡大してきたことで知られ、ヘルスケアや飲料水、EV=電気自動車などの事業のほか、プロサッカークラブの「広州恒大」、今の「広州FC」の運営にも参入しています。
しかし、融資や社債の発行などに依存して事業を拡大し続けてきた結果、負債が膨れあがり、経営の重荷になっていきます。
ことし6月末の時点で有利子負債は5700億人民元、日本円で9兆7000億円余り、負債総額は1兆9600億人民元、日本円でおよそ33兆円規模に上っています。
そして、中国政府が不動産市場の過熱を警戒して規制強化を進めたことで不動産事業の採算も悪化し、資金繰りへの懸念が広がるようになりました。
このところ、各地で建設中の物件の工事が止まって取引先への支払いが滞っているほか、インターネット上では、マンションを購入したのに完成の見通しが立たず入居できないといった不満が投稿されています。
またグループは、年率10%前後といった高い利回りを約束した金融商品も発行していて、このうち日本円でおよそ6800億円分が満期を迎えているとも報じられていて、今月半ばには償還を求めて個人投資家が本社に押し寄せる騒動も起きました。
経営が悪化する中、恒大グループはEV関連などの資産売却を進めて財務の改善を急ぐ方針ですが、今のところ想定通りには進んでいません。
「ことし年末にかけて多額の社債の利払い期限」
会社の
資金繰りに
懸念が
高まる中、
今月13
日には、
グループが
販売する
金融商品の
償還を
求めて
個人投資家が
本社に
押し寄せるなど、
騒動も
起きています。
また市場関係者によりますと、
今月23
日には
日本円にして
合わせて
およそ130
億円の
社債の
利払いの
期限を
迎えるほかその後も
年末にかけて
多額の
社債の
利払い
期限が
迫っているということです。
こうした巨額の利払いを支払えるのか懸念が高まっていて、資金繰りに行き詰まって会社が破綻した場合、従業員や取引先の企業に大きな影響が出るおそれがあります。
また、恒大グループが資金調達を急ぐため保有する物件をいわば投げ売りした場合、不動産価格の下落を通じてほかの業者にも打撃が及ぶことが懸念されています。
そして、不動産関連の融資が多い金融機関の不良債権が増え、経営体力を弱めることにつながるとも警戒されています。
工事停止の建設現場も 「資金に余裕ないことの影響」
恒大グループの
拠点の1つ、
南部の
広東省広州の
郊外では、150
万平方メートルの
広大な
土地で、サッカー
場を
中心に、
高層マンションや
商業施設の
開発が
進められています。
しかし、現場では建設用の大型機械は動いておらず、建設会社の関係者などによりますと、作業は1か月近く停止していて、今後について、地元政府と建設会社などとの話し合いが持たれているということです。
市政府から派遣されたという現場の保安担当者は「工事が止まっているのは、恒大グループの資金に余裕がないことの影響だ」と話していました。
また、現場にいた建設作業員の男性は「いまは作業を休んでいる。いつ再開して、いつ完成するのか見通せない」と話していました。
現場近くに設けられたマンションのショールームには、多くの部屋が販売済みであることを示す資料が展示されていました。
マンションは来年の完成予定で、購入したという男性は「広州のような大都市は、事態がどうなっても建設を引き継ぐ業者はいるから心配はしていない。影響が出るとすれば地方都市だろう」と話していました。
高騰続く中国の不動産市場 “バブル”との指摘も
不動産市場は
すそ野が
広く、
中国経済の
けん引役となってきた
反面、
住宅価格の
上昇を
見込んだ
投機的な
動きも
起き、いわゆるバブルの
懸念が
長年、
指摘されてきました。
主要都市では
住宅価格が
高騰していて、
去年12
月の
時点で5
年前と
比べて
北京では47.9%、
上海では56%、
広州では64.4%、
それぞれ上昇しています。
一方で、一部の地方都市では、需要にあわない建設ラッシュの結果、買い手がつかない在庫が膨らむ事態も起きています。
中国政府は、去年以降、不動産市場が過熱し、価格の高騰が続くことに懸念を強めていて「住宅は住むものであり、投機するものではない」などと繰り返し警告して規制の強化に動いています。
具体的には、去年8月、不動産業者に対して負債を一定の規模に抑えることなどを定めた「3つのレッドライン」と呼ばれる基準を提示し、守れなかった企業に対して借り入れ制限を導入しました。
また、ことし1月からは金融機関に対して住宅ローンの融資額などに上限を設けていて、こうした規制によって不動産開発投資の伸びは一定程度、抑えられています。
今回の
恒大グループの
経営悪化はこうした
規制強化で
借り入れが
難しくなったことが
影響していて、
先月中旬には、
金融当局が
財務内容の
改善などを
求めて
指導を
行っていました。
恒大グループの今後の経営をみるうえでは中国当局の対応が焦点になります。
市場関係者の間では、中国当局としても、不動産市場や金融市場に甚大な影響が出ることは避ける必要があるため、影響を抑えるための何らかの対応をとるとの見方があります。
その一方で、中国では、政府が大企業を破綻させることはないという認識のもとで過剰な投資や債務の問題が拡大してきたことから、今回、恒大グループに対しては厳しい対応をとるのではないかという見方も出ています。
また、不動産市場の規制強化の背景には習近平指導部が、すべての人が豊かになる「共同富裕」という目標のもとで格差の是正を掲げる中で、住宅価格の高騰がさらに進んで人々の間で不公平感が強まることを防ぐ狙いもあると指摘されています。
日本では公的年金積立金を運用する「GPIF」が株式など保有か
公的年金の
積立金を
運用しているGPIF=「
年金積立金管理運用独立行政法人」は、ことし3
月末の
時点で
経営が
悪化している
中国の
不動産大手「
恒大グループ」の
株式や
社債合わせて96
億円余りを
保有しています。
GPIFが運用している積立金の総額はことし3月末時点でおよそ186兆1600億円にのぼります。
このうち、恒大グループとその関連会社へのことし3月末時点の投資額は時価評価で、株式が37億6500万円余り社債が59億700万円余りで合わせておよそ96億7300万円になるということです。
GPIFは、海外株式市場の株価指数と連動するファンドなどに投資していて、その一部として恒大グループの株式や社債が投資対象として含まれたとしています。
GPIFは、現時点での恒大グループの株式や社債の保有状況や運用実績について「個別銘柄の保有状況は年度末にだけ公表しており、コメントできない」としています。
インドネシアの火山で大規模噴火 国内で目立った潮位変化なし
日本時間の2日未明、インドネシアの火山で大規模な噴火が発生しました。気象庁は噴火による津波の有無や日本への影響を調べていますが、午前8時半現在、国内や海外の観測点で目立った潮位の変化は観測されていないということです。
N2
Source: NHK
374
Aug 2, 2025 09:08
“核兵器 変わらないか増える”回答が半数近くに NHK世論調査
被爆80年のことし、NHKが行った世論調査で、「現在ある核兵器は今後どうなると思うか」を聞いたところ、「今と変わらないか、むしろ増える」と回答した人が半数近くにのぼりました。専門家は「核なき世界という目標へ具体的な行動をどう起こしていくのか、大きな分岐点に立っている」と指摘しています。
Source: NHK
Aug 2, 2025 17:08
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