天皇てんのう皇后こうごう両りょう陛下へいかと愛子あいこさま きょうから長崎ながさき訪問ほうもん 戦没せんぼつ者しゃを慰霊いれいへ

両りょう陛下へいかは、14日じゅうよっかに長崎ながさき県けん佐世保させぼ市しで開ひらかれる「国民こくみん文化ぶんか祭さい」と「全国ぜんこく障害しょうがい者しゃ芸術げいじゅつ・文化ぶんか祭さい」の開会かいかい式しきに出席しゅっせきするため、12日じゅうににちから3日間みっかかんの日程にっていで、長崎ながさき県けんを訪問ほうもんされます。

開会かいかい式しきに先立さきだち、両りょう陛下へいかは12日じゅうににち、長女ちょうじょの愛子あいこさまとともに、長崎ながさき市しの平和へいわ公園こうえんを訪たずね、爆心ばくしん地ちを示しめす石碑せきひの前まえに設もうけられ、20万にじゅうまん1942人せんきゅうひゃくよんじゅうににんの原爆げんばく死没しぼつ者しゃ名簿めいぼが納おさめられた奉安ほうあん箱ばこに花はなを供そなえて、犠牲ぎせい者しゃの霊れいを慰なぐさめられます。

そして原爆げんばく資料しりょう館かんで高齢こうれいの被爆ひばく者しゃや、本人ほんにんに代かわって被爆ひばくの体験たいけんを語かたり継つぐ、若わかい世代せだいの伝承でんしょう者しゃと懇談こんだんされます。

13日じゅうさんにちは、被爆ひばくしたお年寄としよりたちが暮くらす市内しないの養護ようごホームを訪問ほうもんし、入所にゅうしょ者しゃと懇談こんだんされます。

宮内庁くないちょうによりますと、両りょう陛下へいかの長崎ながさき訪問ほうもんは天皇てんのう陛下へいかの即位そくい後ご初はじめてで、愛子あいこさまは、初はじめて長崎ながさき県けんを訪問ほうもんされるということです。

両りょう陛下へいかは戦後せんご80年はちじゅうねんにあたることし、「玉砕ぎょくさいの島しま」の1いちつ、小笠原おがさわら諸島しょとうの硫黄いおう島とうや、激はげしい地上ちじょう戦せんが行おこなわれ、20万にじゅうまん人にん以上いじょうが犠牲ぎせいになった沖縄おきなわ、それに被爆ひばく地ち、広島ひろしまといった先さきの大戦たいせんの象徴しょうちょう的てきな地域ちいきを訪問ほうもんされました。

7月しちがつのモンゴル訪問ほうもんでは、敗戦はいせん後ご、旧きゅうソビエトによって抑留よくりゅうされて過酷かこくな労働ろうどうなどのために命いのちを落おとした多おおくの日本人にっぽんじんを慰霊いれいされました。

中村なかむらキクヨさん(101ひゃくいち) 爆心ばくしん地ちから5。

中村なかむらキクヨさん（101ひゃくいち）は、21歳にじゅういっさいのときに爆心ばくしん地ちから5。

中村なかむらさんに大おおきなけがはありませんでしたが、その日ひの夕方ゆうがた、自宅じたく近ちかくの砂浜すなはまには、ひどいけがをした学生がくせいたちが寝ねかされていて、水みずを求もとめながら亡なくなっていった姿すがたが今いまも目めに焼やき付ついているといいます。

中村なかむらさんは、1967年せんきゅうひゃくろくじゅうしちねんに結成けっせいされた被爆ひばく者しゃ団体だんたいの1いちつ、「長崎ながさき県けん被爆ひばく者しゃ手帳てちょう友ともの会かい」の立たち上あげに関かかわり、中心ちゅうしんメンバーとして被爆ひばく者しゃへの支援しえんの拡充かくじゅうや核兵器かくへいき廃絶はいぜつを求もとめてきました。

そして、2006年にせんろくねんの平和へいわ祈念きねん式典しきてんでは、「平和へいわへの誓ちかい」を被爆ひばく者しゃ代表だいひょうとして述のべ、白血病はっけつびょうで次男じなんを亡なくした胸むねの内うちを、初はじめて公おおやけにしながら、戦争せんそうや原爆げんばくがもたらす悲惨ひさんさを訴うったえました。

100歳ひゃくさいを超こえたあとも、毎月まいつき9日ここのかの月つき命日めいにちには、長崎ながさき市しの平和へいわ公園こうえんにある鐘かねを、平和へいわを願ねがって鳴ならす活動かつどうに取とり組くんでいて、天候てんこうや体調たいちょうによって参加さんかすることが難むずかしいときには、自宅じたくで小ちいさな鐘かねを鳴ならして、原爆げんばくで亡なくなった人ひとたちに思おもいを寄よせているということです。

中村なかむらさんは、12日じゅうににちに両りょう陛下へいかや愛子あいこさまと懇談こんだんする予定よていです。

みずからが経験けいけんした被爆ひばくの実態じったいを伝つたえ、改あらためて平和へいわの大切たいせつさに関心かんしんが向むくことを願ねがっています。

中村なかむらキクヨさんは「私わたしでいいのだろうかと、びっくりしましたが、今いままで一生懸命いっしょうけんめい、被爆ひばく者しゃとして運動うんどうを続つづけてきたご褒美ほうびと思おもって喜よろこんでいます。

松山まつやま咲さきさん「交流こうりゅう証言しょうげん者しゃ」

長崎ながさき県けん諫早いさはや市しの大学だいがく3年生さんねんせい、松山まつやま咲さきさん（20にじゅっさい）は、被爆ひばく者しゃに代かわって被爆ひばくの体験たいけんを後世こうせいに伝つたえる「交流こうりゅう証言しょうげん者しゃ」の活動かつどうを中学ちゅうがく2年生にねんせいのときに始はじめました。

子こどものころから原爆げんばくや平和へいわに関心かんしんをもっていた松山まつやまさんは、被爆ひばく者しゃの高齢こうれい化かで、戦争せんそうの記憶きおくの継承けいしょうが難むずかしくなっていることを知しり、「交流こうりゅう証言しょうげん者しゃ」になることを目指めざすようになりました。

その中なかで、長崎ながさきで6歳ろくさいのときに被爆ひばくした池田いけだ道明みちあきさんと出会であい、その人間にんげん性せいにひかれて、体験たいけんを受うけ継つぐことを決きめました。

松山まつやまさんは、池田いけださんの被爆ひばく体験たいけんがより具体ぐたい的てきに伝つたわるようにと、何なん度ども池田いけださんと会あって聞きき取とりを重かさねながら、原稿げんこうを完成かんせいさせました。

また、小学生しょうがくせいなどに講話こうわするときには、クイズを出だすなどして、平和へいわを身近みぢかに感かんじてもらう工夫くふうをしています。

松山まつやまさんは、今回こんかいの懇談こんだんを通とおじて、若わかい世代せだいでも被爆ひばくの体験たいけんをつないでいけることを知しってもらい、平和へいわについて考かんがえるハードルを下さげたいと考かんがえています。

松山まつやま咲さきさんは「短みじかい時間じかんではありますが、楽たのしみながら、自分じぶんの活動かつどうをアピールしたり、平和へいわへの思おもいを伝つたえたりしたいと思おもいます。

濱田はまだ尚しょう平たいらさん「青少年せいしょうねんピースボランティア」

長崎ながさき県けん長与ながよ町まちの大学だいがく2年生にねんせい、濱田はまだ尚しょう平たいらさんは、原爆げんばくの恐おそろしさや平和へいわの大切たいせつさを、学まなびながら発信はっしんする「青少年せいしょうねんピースボランティア」として活動かつどうしています。

高校生こうこうせいのころにボランティアの一員いちいんとなり、県内けんない外がいで被爆ひばく者しゃの声こえを聞きいたり、長崎ながさき市しの平和へいわ公園こうえんで被爆ひばく体験たいけんを伝つたえるガイドをしたりしてきました。

また、ことし4月しがつには、長崎ながさきの若者わかものの代表だいひょうとして、NPT＝核かく拡散かくさん防止ぼうし条約じょうやくの再さい検討けんとう会議かいぎの準備じゅんび委員いいん会かいにあわせてニューヨークの国連こくれん本部ほんぶに派遣はけんされ、各国かっこくの担当たんとう者しゃや学生がくせいなどと、核兵器かくへいきに頼たよらない安全あんぜん保障ほしょう政策せいさくなどについて議論ぎろんしました。

濱田はまださんは、今回こんかいの懇談こんだんを通とおじて、被爆ひばく者しゃのほかにも、原爆げんばくによってもたらされた被害ひがいを語かたり継つぎ、核兵器かくへいき廃絶はいぜつに向むけた道筋みちすじを探さぐる若者わかものたちがいることを広ひろく知しってほしいと考かんがえています。

濱田はまださんは「長崎ながさき、広島ひろしまで起おこったことを、世界せかいのどこでも二度にどと起おこしてはならない。