Báo tiếng Nhật: パラリンピック車いすラグビー日本が初の金メダル【詳しく】

パリパラリンピック、車くるまいすラグビーの決勝けっしょうで、日本にっぽんがアメリカに48対たい41で勝かって、初はじめての金メダルきんめだるを獲得かくとくしました。

今こん大会たいかい、金メダルきんめだるを引き寄ひきよせたのは、22歳さいの橋本はしもと勝也かつや選手せんしゅの存在そんざい。新あらたな時代じだいの到来とうらいを感かんじさせる活躍かつやくでした。担当たんとう記者きしゃが解説かいせつしています。

また、記事きじ後半こうはんでは試合しあいの詳くわしい経過けいかもお伝おつたえしています。

日本にっぽん逆転ぎゃくてん勝がちで初はつの金メダルきんめだる

世界せかいランキング3位いの日本にっぽんは2日にち、初はじめて進すすんだ決勝けっしょうで、世界せかい2位いで前回ぜんかいの東京とうきょう大会たいかいで銀メダルぎんめだるを獲得かくとくしたアメリカと対戦たいせんしました。日本にっぽんは第だい1ピリオドで、アメリカのエース、チャック・アオキ選手せんしゅに次々つぎつぎとトライを決きめられるなどして11対たい14とリードされました。

しかし続つづく第だい2ピリオドは、44歳さいのキャプテン、池いけ透とおる暢とおる選手せんしゅやチーム最年少さいねんしょうの22歳さい、橋本はしもと勝也かつや選手せんしゅを中心ちゅうしんに、今こん大会たいかいに向むけて強化きょうかしてきた「堅かたい守もり」を発揮はっきし、パスカットなどからチャンスを作つくって、逆転ぎゃくてんに成功せいこうしました。

後半こうはんに入はいった直後ちょくごは一進一退いっしんいったいの攻防こうぼうが続つづきましたが、日本にっぽんは乗の松まつ聖きよし矢や選手せんしゅのタックルなどで、アメリカの持ち味もちあじとする高たかい攻撃こうげき力りょくを封ふうじ、リードを広ひろげていきました。

そして第だい4ピリオドは、疲つかれの見みえたアメリカを橋本はしもと選手せんしゅのトライなどで一気いっきに突き放つきはなし、日本にっぽんが48対たい41で勝かって、悲願ひがんの金メダルきんめだるを獲得かくとくしました。

日本にっぽんは、2016年ねんのリオデジャネイロ大会たいかい、前回ぜんかいの東京とうきょう大会たいかいと、2大会たいかい連続れんぞくで銅メダルどうめだるを獲得かくとくしていて、これでとなりました。

岸きし光太郎こうたろうHC「頼たのもしい最高さいこうの選手せんしゅたち」

車くるまいすラグビーで初はじめての金メダルきんめだるを獲得かくとくした日本にっぽんの岸きし光太郎こうたろうヘッドコーチは「頼たのもしい、最高さいこうの選手せんしゅたちだと思おもう。試合しあい中ちゅうは『頑張がんばってくれ、頑張がんばってくれ』と祈いのる気持きもちで見みていたが、いいディフェンスだった」と選手せんしゅたちをたたえていました。

池いけ透とおる暢とおる主将しゅしょう「みんなの夢ゆめがかなった最高さいこうの瞬間しゅんかん」

日本にっぽんのキャプテンの池いけ透とおる暢とおる選手せんしゅは「みんなの夢ゆめがかなった最高さいこうの瞬間しゅんかんで、最高さいこうの喜よろこびだった。アスリートとして最高さいこうの喜よろこびをこの場所ばしょで感かんじられて、本当ほんとうに幸しあわせだ」と興奮こうふんした様子ようすで話はなしていました。
また、第だい1ピリオドを終おえて、3点てんをリードされていたことについて聞きかれると「自分じぶんたちがこれまで積み重つみかさねてきた年月としつきは3点てんに負まけるものではなかったので、絶対ぜったいに諦あきらめない気持きもちで1点てん、1点てん追おいつこうと思おもっていた」と振り返ふりかえっていました。

【解説かいせつ】もう“イケイケ”だけじゃない！

日本にっぽん代表だいひょう、悲願ひがんの金メダルきんめだる獲得かくとくという偉業いぎょうは長年ながねん、チームを引っ張ひっぱってきた“イケイケ”コンビだけに頼たよらない到来とうらいを表あらわすものとなりました。

44歳さいでキャプテンの池いけ透とおる暢とおる選手せんしゅと、エースで46歳さいの池崎いけざき大輔だいすけ選手せんしゅの“イケイケ”コンビは、多おおくのメディアでもたびたび取り上とりあげられてきた日本にっぽん代表だいひょうの“顔かお”です。

今こん大会たいかい、その2人にんと同等どうとうに強烈きょうれつな存在そんざい感かんを示しめしたのが橋本はしもと勝也かつや選手せんしゅ。2人にんとは年としの差さ半分はんぶんの22歳さいです。

前回ぜんかい、初はつ出場しゅつじょうだった東京とうきょう大会たいかいでは5試合しあい中ちゅう2試合しあいの出場しゅつじょうにとどまり「悔し涙くやしなみだ」。それをバネに成長せいちょうを重かさね、今こん大会たいかいでは初戦しょせんから5試合しあい、すべてに出場しゅつじょうしました。

橋本はしもと選手せんしゅの成長せいちょうで“イケイケコンビ”の負担ふたんは大おおきく減へりました。

これまで2人にんが中心ちゅうしんを担になってきた比較ひかく的てき障害しょうがいの軽かるい「ハイポインター」と呼よばれる役割やくわりに橋本はしもと選手せんしゅが加くわわったことで3人にんが交代こうたいで出場しゅつじょうできるようになりました。

そのため“イケイケコンビ”が休やすみを取とれるようになり、チームが1試合しあいを通をつうじて攻守こうしゅに力ちからをキープさせることにつながりました。

決勝けっしょうでも序盤じょばんからミスが相次あいついだ池崎いけざき選手せんしゅについてと感かんじた岸きし光太郎こうたろうヘッドコーチが橋本はしもと選手せんしゅを重点的じゅうてんてきに起用きよう。第だい3ピリオドの途中とちゅう以降いこう「ハイポインター」を池いけ選手せんしゅと橋本はしもと選手せんしゅに固定こていしてからアメリカを大おおきく引き離ひきはなしました。

橋本はしもと選手せんしゅは、激はげしいディフェンスに加くわえて、持ち味もちあじのスピードを生いかした突破とっぱでチームトップの19得点とくてんをマークし、金メダルきんめだるに貢献こうけんしました。

橋本はしもと選手せんしゅについて池いけ選手せんしゅは試合しあい後ごとたたえました。

これに対にたいして橋本はしもと選手せんしゅはと今度こんどは「うれし涙なみだ」を流ながしながら感慨深かんがいぶかい様子ようすでした。

ベテランと若手わかての融合ゆうごうでついにたどりついた頂点ちょうてん。その舞台ぶたい、パリの地ちは「日本にっぽんの車くるまいすラグビーが大おおきく前まえに進すすむ分岐ぶんき点てんだった」と言いわれる日ひが来くるのかもしれません。

＝＝試合しあい経過けいか＝＝

両りょうチーム国歌こっか

試合しあいを前まえに、日本にっぽん、そしてアメリカの順じゅんで国歌こっかが流ながれました。

【試合しあい開始かいし】日本にっぽん×アメリカ

車くるまいすラグビーの決勝けっしょう、日本にっぽんとアメリカの試合しあいは、日本にっぽん時間じかんの3日にち午前ごぜん2時半じはんに始はじまりました。

日本にっぽんの先発せんぱつメンバーは、▽エースの池崎いけざき大輔だいすけ選手せんしゅ▽草場くさば龍治りゅうじ選手せんしゅ▽キャプテンの池いけ透とおる暢とおる選手せんしゅ▽小川おがわ仁士ひとし選手せんしゅの4人にんです。

【第だい1ピリオド】3点てんを追おう展開てんかいに日本にっぽん 11-14 アメリカ

日本にっぽんは試合しあい開始かいし直後ちょくごに、アメリカのエース、チャック・アオキ選手せんしゅにパスをカットされ、そのままトライを奪うばわれました。

そのあとは、途中とちゅう出場しゅつじょうしたチーム最年少さいねんしょうの22歳さい、橋本はしもと勝也かつや選手せんしゅが4つのトライを決きめましたが、アメリカから一いち度どもリードを奪うばうことができず、11対たい14とリードを広ひろげられています。

【第だい2ピリオド】日本にっぽん逆転ぎゃくてんし前半ぜんはん終了しゅうりょう日本にっぽん 24-23 アメリカ

日本にっぽんは第だい2ピリオドに入はいってエースの池崎いけざき大輔だいすけ選手せんしゅや池いけ透とおる暢とおる選手せんしゅなどのトライで、得点とくてん差さを縮ちぢめました。残のこり1分ふん余あまりで、橋本はしもと勝也かつや選手せんしゅが相手あいてのパスをカットしたあと、みずからトライを決きめて、この試合しあい初はじめてのリードを奪うばいました。日本にっぽんはこのまま24対たい23とリードを保たもって、前半ぜんはんを終おえました。

【第だい3ピリオド】日本にっぽんリードを広ひろげる日本にっぽん 35-32 アメリカ

第だい3ピリオドの序盤じょばんは一進一退いっしんいったいの攻防こうぼうが続つづき、日本にっぽんは橋本はしもと勝也かつや選手せんしゅや池いけ透とおる暢とおる選手せんしゅのトライで得点とくてんを重かさねました。そして、ボールを持もった相手あいての選手せんしゅを2人にんで囲かこむなどの粘り強ねばりづよい守もりで、高たかい攻撃こうげき力りょくを持ち味もちあじとするアメリカを苦くるしめました。日本にっぽんは35対たい32とリードを3点てんに広ひろげました。

【第だい4ピリオド】日本にっぽんが初はつの金メダルきんめだる日本にっぽん 48対たい41 アメリカ

日本にっぽんは第だい4ピリオドも相手あいての攻せめ手しゅを封ふうじながら、連続れんぞく得点とくてんでリードを広ひろげました。

日本にっぽんは48対たい41でアメリカに勝かって、初はじめての金メダルきんめだるを獲得かくとくしました。

《決勝けっしょう見みどころ》

日本にっぽんは準決勝じゅんけっしょうで、世界せかいランキング1位いのオーストラリアに、延長えんちょう戦せんの末すえ、1点てん差さで競り勝せりかち、初はじめての決勝けっしょうに進すすみました。

日本にっぽんにとって準決勝じゅんけっしょうは、2012年ねんのロンドン大会たいかい、2016年ねんのリオデジャネイロ大会たいかい、そして2021年ねんの東京とうきょう大会たいかいと、3大会たいかい連続れんぞくではね返はねかえされてきた大おおきな「壁かべ」でしたが、今こん大会たいかいは、ついにその「壁かべ」を突き破つきやぶりました。

目標もくひょうの金メダルきんめだるに向むけて最後さいごに立たちはだかるのは、。パラリンピックで車くるまいすラグビーが採用さいようされた2000年ねんのシドニー大会たいかい以降いこう、です。

日本にっぽんは今こん大会たいかいの予選よせんリーグ第だい2戦せんでアメリカと対戦たいせんし、キャプテンの池いけ透とおる暢とおる選手せんしゅや小川おがわ仁士ひとし選手せんしゅを中心ちゅうしんとした堅かたい守もりで相手あいての高たかい攻撃こうげき力りょくを封ふうじ、45対たい42で勝かちました。決勝けっしょうでも、粘り強ねばりづよい守もりで再ふたたびアメリカの攻撃こうげきを封ふうじられるかが、悲願ひがんの金メダルきんめだるに向むけたカギとなりそうです。