墨を
使った
独特の
抽象画で
知られ、100
歳を
超えても
旺盛な
創作活動を
続けていた
美術家の
篠田桃紅さんが1
日、
老衰のため
東京都内の
病院で
亡くなりました。107
歳でした。
篠田桃紅さんは
大正2
年、
旧満州で
生まれ、
幼いころ
父親の
手ほどきで
書道を
教わり、
以後、
独学で
書道を
学びました。
昭和31年に単身アメリカに渡り、ニューヨークを拠点に、墨を使った独特の抽象画を創作しながら、アメリカやヨーロッパで個展を開いて注目を集めました。
帰国後は創作の分野を版画や題字などにも広げる一方で、壁画やレリーフなど建築に関わる制作にも力を入れ、東京の増上寺のふすま絵なども手がけました。
篠田さんは既成の枠にとらわれない、みずからの自由な生き方をつづったエッセイも発表し、昭和54年に「墨いろ」で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞したほか、100歳に合わせて刊行した「桃紅百年」や「百歳の力」などの著作も話題を集めました。
篠田さんは100歳を超えても美術館で個展を開くなど意欲的に創作を続け、来月の出版に向けて、「これでおしまい」というタイトルのエッセーを手がけていました。
関係者によりますと篠田さんは1日、老衰のため東京都内の病院で亡くなったということです。
107歳でした。