そして、「高齢になった親の世代が身を粉にして救出を訴え続けなければいけないのはとても残酷なことだ。母にめぐみを抱きしめさせたい。政府は本当に限られた時間しか残されていないことを認識して強い外交を貫き、具体的な行動をとってほしい」と訴えました。
そして、自身と一緒に拉致され、いまも行方が分かっていない母親のミヨシさんについて「医療環境が未熟な北朝鮮での負担を思うと胸がしめつけられる思いだ。少しでも長い時間をともに過ごせるよう、母やめぐみさんを今すぐ返してほしい」と訴えました。 集会の後、横田拓也さんは「岸田さんが総理大臣になったら妥協することなく、被害者を一人残らず取り返すという覚悟を持ち、日朝首脳会談を実現して問題解決を図ってほしい」と話していました。
そのうえで「政権がかわっても、関係国と緊密に連携しつつ、すべての拉致被害者の一日も早い帰国実現に向けて、あらゆるチャンスを逃すことなく全力で行動するという政府の方針に変わりはない。新政権でも、拉致問題を何としても解決するという強い意志で、総力を挙げて取り組んでいく」と強調しました。
加藤官房長官「新政権でも総力を挙げて取り組む」
横田めぐみさんは中学1年生だった44年前、学校から帰る途中に北朝鮮に拉致され、10月5日、57歳の誕生日を迎えます。
集会は、家族が住む川崎市が、めぐみさんの誕生日に合わせて毎年この時期に開いていて、その様子はオンラインで配信されました。
この中で、母親の早紀江さん(85)は「これほど長い時間、あらゆることをして助けを求めてきたが、いまだに娘のことは何一つわからない。拉致問題が国の最重要課題と言うならば、新しい総理大臣には解決に向けて日朝首脳会談の実現をお願いしたい」と話しました。
