半導体をめぐっては、
アメリカと
中国の
対立を
背景に
各国が
製造拠点の
誘致に
多額の
補助金を
投じるなど、
国家戦略として
供給力を
確保しようという
動きが
広がっています。
このうちアメリカは、半導体を重要な戦略物資と位置づけ、半導体の製造工場の建設に1件当たり最大でおよそ3000億円を支援する方針を打ち出しました。
この支援策を受けて、台湾の半導体大手TSMCはアメリカの西部アリゾナ州に生産拠点を建設する計画を決定しています。
また、中国以外の国々との半導体分野の研究開発や供給網=サプライチェーンの構築に向けて「多国間半導体セキュリティ基金」を設けました。
さらに、半導体の分野に巨額の投資を行う中国を念頭に、500億ドル、日本円で5兆7000億円の半導体関連の投資を含む「アメリカ・イノベーション競争法」の審議も進められています。
一方、中国は「国家集積回路産業投資基金」を通じて、半導体関連の技術へ5兆円を超える投資を行う計画です。
これに加え、地方政府でも合わせて5兆円を超える基金があります。
中国は、巨額の投資などによって自国の産業を強化することで対抗していく構えです。
一方、EU=ヨーロッパ連合は、ことし3月、2030年に向けたデジタル戦略を公表しています。
この中で、半導体を含むデジタル分野に今後、2年から3年でおよそ18兆円を投資するとしています。
韓国は、ことし5月には半導体産業の競争力強化を目指す「Kー半導体戦略」を策定しています。
この中では、2030年に世界最高の半導体供給網を構築する目標を掲げていて、サムスン電子など民間企業が合わせておよそ49兆円の投資を行うとしています。
日本の半導体戦略は
経済産業省はことし6
月、
官民が
一体となって
取り組む今後の
半導体戦略についてまとめています。
この中で日本の半導体産業について、かつて世界を席けんしたものの、1990年代後半以降、自社ですべてを賄う垂直統合型から水平分業型へと潮流が変わる中、新たな産業構造に移行することに失敗したと分析。
諸外国は大規模な補助金や減税などで長期にわたって自国企業を支援したことで、日本の半導体産業を超える競争力をもつことになったとしています。
そのうえで、対策として国内の半導体の開発や生産体制の強化に向けて、国家事業として主体的に進めていくことが必要だとしています。
現在、日本には半導体メーカーが工場を建設する際に直接、補助金を出す制度はありません。
このため政府は、1社当たり数千億円規模の支援を行う海外並みの取り組みが必要だとして検討を進めています。
自民党でも半導体産業の強化を重視する観点から戦略を議論する議員連盟がことし5月に設立されました。
この中で会長を務める甘利幹事長は5月の会合で「半導体を制する者が世界を制すると言っても過言ではない。40年後の『ジャパン・アズ・ナンバーワン・アゲイン』を目指したい」と述べました。
また、岸田総理大臣は13日、参議院で行われた代表質問で「半導体はあらゆる分野に使われる、いわば『産業の脳』であり、安定供給体制の構築は非常に重要だ。生産拠点の日本への立地を推進することで、サプライチェーンの強じん化に取り組んでいく」と述べています。
九州には「シリコンアイランド」
半導体関連の
工場が
集まる九州は「シリコンアイランド」とも
呼ばれています。
半導体の生産に必要となる水が豊富にあることや、労働力の確保がしやすかったことから、1960年代から大手の半導体メーカーが相次いで工場を建設しました。
半導体のうちIC=集積回路の生産額は、ピークの2000年には1兆3923億円に上り、国内のシェアは毎年、3割以上を占めるまで成長しました。
その後、海外への生産拠点のシフトで伸び悩んだものの、2010年代の後半からは、スマートフォンのカメラや自動車の電動化に必要な半導体部品の生産が拡大したことを背景に再び成長します。
2020年の生産額は7360億円に上り、国内シェアは43.1%を占め、再び九州は「シリコンアイランド」としての存在感を高めています。
九州には、半導体工場だけでなく、生産に必要な材料のほか、半導体製造装置などの工場も集まっていて、厚いサプライチェーンができあがっています。
特に熊本県は、豊富な水や広くて安価な土地、高速道路と近い点などが評価されて、九州の中でも半導体関連の工場が多く集まっています。
鹿児島悪石島と小宝島から島外への避難者 全員が帰島へ
トカラ列島近海で続く地震の影響で鹿児島県の悪石島と小宝島から島外へ避難している人たちは、比較的大きな揺れが少なくなってきていることから、順次帰島しています。1日夜遅くには5人を乗せたフェリーが鹿児島港を出発し、事実上、避難していた全員が島に戻ることになりました。
N2
출처: NHK
92
Aug 2, 2025 06:08
FRB理事が任期途中で辞任 トランプ大統領が後任を指名へ
アメリカのFRB=連邦準備制度理事会は、クグラー理事が任期途中の8月8日に辞任すると発表しました。今後トランプ大統領が指名する後任の理事がFRBの次期議長に就任する可能性があり、アメリカメディアは「トランプ大統領がみずからの好む人物を指名するチャンスを早めた」などと伝えています。
N2
출처: NHK
55
Aug 2, 2025 09:08
“核兵器 変わらないか増える”回答が半数近くに NHK世論調査
被爆80年のことし、NHKが行った世論調査で、「現在ある核兵器は今後どうなると思うか」を聞いたところ、「今と変わらないか、むしろ増える」と回答した人が半数近くにのぼりました。専門家は「核なき世界という目標へ具体的な行動をどう起こしていくのか、大きな分岐点に立っている」と指摘しています。
출처: NHK
Aug 2, 2025 17:08