文化ぶんか勲章くんしょう 長嶋ながしま茂雄しげおさん ノーベル物理ぶつり学賞がくしょうの真鍋まなべ淑郎よしろうさんら9人にん

佐倉さくら一いち高だかから立教りっきょう大学だいがくに進すすみ、東京とうきょう六ろく大学だいがくで当時とうじの新しん記録きろくとなる8本ほんのホームランを打うつなどスター選手せんしゅとして活躍かつやくし、昭和しょうわ33年ねん、当時とうじとしては破格はかくの契約けいやく金きん1800万まん円えんで巨人きょじんに入団にゅうだんしました。

デビュー戦せんで当時とうじ・国鉄こくてつの金田かねだ正一しょういち投手とうしゅに対にたいし4打席だせき連続れんぞく三振さんしんを喫きっしましたが、翌年よくねんには史上しじょう初はじめての天覧てんらん試合しあいで阪神はんしんの村山むらやま実みのる投手とうしゅからサヨナラホームランを打うつなど「燃もえる男おとこ」として大だい試合しあいになればなるほど勝負しょうぶ強つよさを発揮はっきするバッティングと華麗かれいな守備しゅびで多おおくのファンを魅了みりょうしました。

プロ野球やきゅうを国民こくみん的てきな人気にんきスポーツに押し上おしあげたその活躍かつやくから「ミスタープロ野球やきゅう」の愛称あいしょうで親したしまれ、王おう貞治さだはるさんとの「ON」は巨人きょじんが昭和しょうわ40年ねんから日本にっぽんシリーズ9連覇れんぱを果はたした「V9」時代じだいの中心ちゅうしん的てき存在そんざいでした。

17年間ねんかんの現役げんえき生活せいかつで首位しゅい打者だしゃ6回かい、ホームラン王おう2回かい、打点だてん王おう5回かいと多おおくのタイトルを獲得かくとくして最優秀さいゆうしゅう選手せんしゅにも5回かい輝かがやいています。

昭和しょうわ49年ねんに38歳さいで現役げんえきを引退いんたいし、セレモニーで残のこした「私わたしはきょう引退いんたいをいたしますが、わが巨人きょじん軍ぐんは永久えいきゅうに不滅ふめつです」というあいさつは、多おおくのファンの記憶きおくに残のこり、背せ番号ばんごう「3」は巨人きょじんの永久えいきゅう欠番けつばんとなっています。

引退いんたい後ごは巨人きょじんの監督かんとくを2期き、通算つうさん15年間ねんかん務つとめ、巨人きょじんの監督かんとくとしては歴代れきだい3位いとなる1034勝しょうをマークし、リーグ優勝ゆうしょう5回かい、日本にっぽん一いち2回かいを果はたしました。

このうち平成へいせい8年ねんには首位しゅい・広島ひろしまとの最大さいだい11.5ゲームの差さをひっくり返ひっくりかえして逆転ぎゃくてん優勝ゆうしょうし長嶋ながしまさんみずから「メークドラマ」と呼よびました。

そして平成へいせい12年ねんの日本にっぽんシリーズでは王おう貞治さだはるさんが率ひきいるダイエーとの「ON対決たいけつ」を制せいして20世紀せいき最後さいごのシーズンを日本一にっぽんいちで締しめくくりました。

その後そのご、アテネオリンピックの日本にっぽん代表だいひょうの監督かんとくを務つとめている平成へいせい16年ねんに脳のう梗塞こうそくで倒たおれましたが、リハビリを続つづけながら野球やきゅう界かいの発展はってんに力ちからを注そそいできました。

平成へいせい25年ねんには巨人きょじんの監督かんとく時代じだいに指導しどうした松井まつい秀喜ひできさんとともに国民こくみん栄誉えいよ賞しょうを受賞じゅしょうしました。

長嶋ながしまさんは3年ねん前まえの7月つきに体調たいちょうを崩くずして検査けんさで胆石たんせきが見みつかって入院にゅういんしました。

自宅じたくで療養りょうようしながらリハビリを続つづけ、ことしは東京ドームとうきょうど-むの巨人きょじん戦せんに観戦かんせんに訪おとずれたり、2軍ぐんの練習れんしゅう施設しせつに出向でむいて調子ちょうしを落おとした主力しゅりょく選手せんしゅにアドバイスを送おくったりしていました。

そして7月つきの東京とうきょうオリンピックの開会かいかい式しきでは、国立こくりつ競技きょうぎ場じょう内ないの聖火せいかリレーに王おうさん、松井まついさんと一緒いっしょに参加さんかし、松井まついさんに体からだを支ささえられながらゆっくりと一いち歩ほ一いち歩ほ、前まえに進すすんでいました。

その野球やきゅう人生じんせいは野球やきゅうファンにとどまらず「スーパースター」として多おおくの人ひとから愛あいされているほか、プロアマ問とわず野球やきゅうの普及ふきゅう発展はってんに多大ただいな貢献こうけんをしています。

そして野球やきゅうがどういう存在そんざいかを聞きかれると「日本にっぽんのスポーツの中なかで野球やきゅうというのはやっぱりなんともいえないスポーツだと思おもっている。野球やきゅう界かいのみならず、日本にっぽんのスポーツも全般ぜんぱん的てきに盛り上もりあがっていけばいいと思おもう」と話はなしました。

また東京とうきょうオリンピックで聖火せいかランナーを務つとめたことに関連かんれんし、オリンピックについて尋たずねられると「世界せかいのスポーツであるという気持きもちでいっぱいだ。昭和しょうわ39年ねんに初はじめてやったスポーツの祭典さいてんを2度ど日本にっぽんでやったということは素晴すばらしいことだ」と話はなしていました。

真鍋まなべさんは現在げんざいの愛媛えひめ県けん四国しこく中央ちゅうおう市し出身しゅっしんの90歳さい。

東京とうきょう大学だいがくで博士はかせ課程かていを修了しゅうりょう後ご、アメリカの海洋かいよう大気たいき局きょくで研究けんきゅうを行おこない、コンピューターによる気候きこうのシミュレーションモデルを開発かいはつして二に酸化さんか炭素たんその増加ぞうかが地球ちきゅう温暖おんだん化かに影響えいきょうすることを示しめし、ことしのノーベル物理ぶつり学賞がくしょうの受賞じゅしょう者しゃに選えらばれています。

真鍋まなべさんは文化ぶんか勲章くんしょうの受章じゅしょう者しゃと文化ぶんか功労こうろう者しゃに選えらばれたことについてコメントを発表はっぴょうし「これまで取り組とりくんできた研究けんきゅうが、こんにちの地球ちきゅうの温暖おんだん化か研究けんきゅうの礎いしずえとなったことは、非常ひじょうに喜よろこばしいことです。ここまで、できたのも、共ともに研究けんきゅうに取り組とりくんできた多おおくの方々かたがたのご助力じょりょくのたまものと、心こころから感謝かんしゃ申し上もうしあげるとともに微力びりょくながら今度こんどは私わたしが次つぎの世代せだいを支ささえていきたいと思おもっています」としています。

1948年ねんに初はつ舞台ぶたいを踏ふみ、父親ちちおやの尾上おのえ梅幸ばいこうさんらの教おしえを受うけて多おおくの舞台ぶたいで活躍かつやくし、1973年ねんに七なな代目だいめ尾上おのえ菊五郎きくごろうを襲名しゅうめいしました。

男役おとこやくの「立役たちやく」と「女方おざかた」の代表だいひょう的てきな役やくをどちらも務つとめることができる役者やくしゃとして知しられ、江戸えど歌舞伎かぶきの世話物せわものではさっそうとした芸風げいふうで高たかい評価ひょうかを受うけ、時代じだい物ぶつの二に枚まい目めにも多おおくの当あたり役やくを持もち、2003年ねんには人間にんげん国宝こくほうに認定にんていされるなど歌舞伎かぶき界かいを代表だいひょうする俳優はいゆうの1人にんとなっています。

また、座長ざちょうを務つとめる「尾上おのえ菊五郎きくごろう劇団げきだん」では、芸げいの継承けいしょうや若手わかての育成いくせいにも力ちからを入いれてきました。

文化ぶんか勲章くんしょうの受章じゅしょうについて菊五郎きくごろうさんは「オリンピックの年としに歌舞伎かぶき界かいが金メダルきんめだるを頂いただいたような気持きもちです。役者やくしゃはいくつになっても、死しぬ間際まぎわまで発展はってん途上とじょうだと思おもいます。『これでよい』と思おもえばそれでおしまいです。いつまでも色気いろけを追求ついきゅうして、もてたいとか、褒ほめられたいという煩悩ぼんのうを持もって役者やくしゃを務つとめたいと思おもいます。まだまだ役者やくしゃの道みちは続つづきます。歌舞伎かぶきの持もつ独特どくとくな形式けいしき美び、色気いろけやつや、愛嬌あいきょう、江戸えどっ子っこかたぎを研究けんきゅうして、お客様おきゃくさまに楽たのしんでいただける役者やくしゃになりたい」と話はなしていました。

京都大きょうとだい学がく理学部りがくぶを卒業そつぎょうし、名古屋なごや大学だいがくの教授きょうじゅや数理すうり解析かいせき研究所けんきゅうじょの教授きょうじゅを歴任れきにんしました。

森もりさんは数学すうがくの「代数だいすう幾何きか学がく」という図形づけいを扱あつかう分野ぶんやの第だい一いち人にん者しゃで「極小きょくしょうモデル」という理論りろんを発展はってんさせた「森もり理論りろん」を考案こうあんし、非常ひじょうに複雑ふくざつな3次元じげん以上いじょうの図形づけいを分類ぶんるいするという代数だいすう幾何きか学がくの大おおきな課題かだいを解決かいけつする端緒たんしょを開ひらきました。

こうした業績ぎょうせきが評価ひょうかされ、平成へいせい2年ねんに「数学すうがくのノーベル賞しょう」と呼よばれるフィールズ賞しょうを受賞じゅしょうしたほか平成へいせい27年ねんには数学すうがく分野ぶんやでの国際こくさい協力きょうりょくの推進すいしんを目的もくてきとする国際こくさい数学すうがく連合れんごうで、アジア人じん初はつとなるトップの総裁そうさいに就任しゅうにんし、現在げんざいも数学すうがく研究けんきゅうの応用おうようや研究けんきゅう者しゃ同士どうしの連携れんけいに取り組とりくんでいます。

受章じゅしょうについて森もりさんは「当初とうしょは自分じぶんの研究けんきゅうがどのくらい発展はってんするものか正直しょうじきよく分わからなかったが、その後そのご大おおきく発展はってんして今回こんかいの受章じゅしょうにつながったと思おもうと感慨深かんがいぶかい」と述のべました。

そのうえで「数学すうがくは新あらたな理論りろんができるといろいろな分野ぶんやで応用おうようされて思おもわぬ分野ぶんやで大おおきく発展はってんする可能かのう性せいがあり、今後こんごも数学すうがくの重要じゅうよう性せいをアピールしていきたい」と話はなしています。

1960年ねんに映画えいが「男おとこ対たい男おとこ」でデビューすると翌年よくねんから始はじまった「若わか大将たいしょう」シリーズでは、飾かざらないおおらかな演技えんぎで国民こくみん的てきなスター俳優はいゆうとしての地位ちいを揺ゆるぎないものにしました。

また、「椿つばき三十郎さんじゅうろう」や「赤あかひげ」など黒澤くろさわ明あきら監督かんとくの作品さくひんに相次あいついで出演しゅつえんしたほか、ドラマやバラエティー番組ばんぐみなどテレビでも幅広はばひろく活躍かつやくしました。

歌手かしゅとしても才能さいのうを発揮はっきし、みずから作曲さっきょくして歌うたうシンガーソングライターの草分くさわけ的てきな存在そんざいとしてなじみやすいメロディーと温あたたかく説得せっとく力りょくのある歌声うたごえで「君きみといつまでも」や「お嫁よめにおいで」などヒット曲きょくを次々つぎつぎと発表はっぴょうしました。

こうした実績じっせきが評価ひょうかされ、2014年ねんには旭日きょくじつ小しょう綬章しょうを受章じゅしょうしています。

文化ぶんか功労こうろう者しゃに選えらばれたことについて加山かやまさんは「芸能げいのう生活せいかつ61年ねん目めにして、このような賞しょうを賜たまわること、大変たいへん光栄こうえいであり、嬉うれしく、そしてビックリしております。今いままでたくさんのファンの方ほうや関係かんけい者しゃの皆様みなさまに支ささえられ、今いまの私わたしがあります。その関かかわってくださった全すべての方ほうを代表だいひょうして、この賞しょうを受賞じゅしょうさせていただきたいと思おもいます。80歳さいを超こえ、いくつかの病気びょうきも患わずらいました。これからの自分じぶんは、今いままで続つづけてきたことを継続けいぞくしていくことが一番いちばん難むずかしくなってくるかと思おもいますが、今回こんかいのことでより一層いっそう身みを引き締ひきしめ、力ちからが続つづく限かぎり精進しょうじんしてまいりたいと思おもいますので、今後こんごともよろしくお願おねがい申し上もうしあげます。皆様みなさまに感謝かんしゃ！」とコメントしています。

明治めいじ大学だいがく文学ぶんがく部ぶの演劇えんげき学がく専攻せんこうを卒業そつぎょうしたあと、1964年ねんに劇団げきだん「状況じょうきょう劇場げきじょう」を結成けっせいし、解散かいさん後ごも新あらたに劇団げきだん「唐とう組ぐみ」を率ひきいて半はん世紀せいき以上いじょうにわたって演劇えんげき界かいに大おおきな影響えいきょうを与あたえてきました。

劇げき作家さっかとして台本だいほんを書かくだけでなく、意表いひょうを突ついた演出えんしゅつをはじめ、役者やくしゃとしてもみずから舞台ぶたいに立たったほか、映画えいが、ドラマにも出演しゅつえんし、人気にんきを集あつめました。

さらに、作家さっかとしても高たかく評価ひょうかされ、1983年ねんには「佐川さがわ君くんからの手紙てがみ」で芥川あくたがわ賞しょうを受賞じゅしょうしました。

後進こうしんの育成いくせいにも精力せいりょく的てきに取り組とりくみ、横浜よこはま国立こくりつ大学だいがくをはじめ、近畿きんき大学だいがくや明治めいじ大学だいがくでも教きょうべんをとりました。

文化ぶんか功労こうろう者しゃに選えらばれたことについて唐とうさんは「2005年ねんに紫綬しじゅ褒章ほうしょうを辞退じたいした者ものに再度さいど光ひかりを当あてて頂いただけましたので大変たいへん驚おどろきましたが謹つつしんでお受うけ致いたします。井上いのうえひさしさん、蜷川にながわ幸雄ゆきおさん、山崎やまざき正和まさかずさん以来いらいしばらく演劇えんげき界かいからの受賞じゅしょう者しゃが不在ふざいとお聞ききしました。この受賞じゅしょうが次つぎの演劇えんげき人じんに結むすびつけば尚なお嬉うれしいです。昨年さくねんからの劇団唐組げきだんからぐみも芝居しばいの延期えんきや中止ちゅうしに追い込おいこまれた現状げんじょうに異風いふうを起おこしたいと願ねがっております。」とコメントしています。

短期たんき大学だいがくに在学ざいがく中ちゅうの1968年ねんに出版しゅっぱん社しゃに持ち込もちこんだ「ポーラの涙なみだ」でデビューし、少女しょうじょ漫画まんが誌しで思春ししゅん期きの複雑ふくざつな内面ないめんと成長せいちょうを繊細せんさいに描えがいた作品さくひんを次々つぎつぎと発表はっぴょうしました。

同どう性愛せいあいやトランスジェンダー、家庭かてい崩壊ほうかいなど、当時とうじの少女しょうじょ漫画まんがとしては先進せんしん的てきなテーマを鋭するどい洞察どうさつ力りょくと哲学てつがく的てきな思索しさくで描えがいてきました。

また、エッセー漫画まんがの名手めいしゅでも知しられ、1996年ねんから連載れんさいした「グーグーだって猫ねこである」は愛あい猫ねこと過すごした日々ひびを自身じしんのがんの闘病とうびょうなどを交まじえて描えがき、映画えいが化かやドラマ化かされて反響はんきょうを呼よびました。

大島おおしまさんは「文化庁ぶんかちょうから文化ぶんか功労こうろう者しゃ選出せんしゅつのお電話でんわがあったとき、「オレオレさぎかな」と思おもいました。びっくりいたしました。深ふかく感謝かんしゃをする気持きもちとともにお受うけすることにいたしました。お世話おせわになった方々かたがた、そしてたくさんの猫ねこたちほんとうにありがとうございました」とコメントしています。