日本新聞: 新たな宇宙飛行士選抜試験の募集要項公表 JAXA

国際こくさい的てきな月つき探査たんさ計画けいかくに参加さんかする新あらたな日本人にっぽんじん宇宙うちゅう飛行ひこう士しを選えらぶ選抜せんばつ試験しけんの募集ぼしゅう要項ようこうをJAXA＝宇宙うちゅう航空こうくう研究けんきゅう開発かいはつ機構きこうが公表こうひょうし、協調きょうちょう性せいやリーダーシップのほか宇宙うちゅうでの体験たいけんを共有きょうゆうする発信はっしん力りょくがある人ひとを求もとめるとしています。

採用さいようは「若干じゃっかん名めい」女性じょせいの応募おうぼを促うながす広報こうほう活動かつどうも予定よてい

JAXAは国際こくさい的てきな月つき探査たんさ計画けいかくに参加さんかする新あらたな日本人にっぽんじん宇宙うちゅう飛行ひこう士しを選抜せんばつすることを明あきらかにしていましたが、19日にちに13年ねんぶりとなる宇宙うちゅう飛行ひこう士し選抜せんばつ試験しけんの募集ぼしゅう要項ようこうを公表こうひょうしました。

それによりますと、応募おうぼの受付うけつけ期間きかんは、来月らいげつ20日にちから来年らいねん3月つき4日にちまでで、応募おうぼ資格しかくは、3年ねん以上いじょうの社会しゃかい人じんに相当そうとうする実務じつむ経験けいけんのほか、宇宙うちゅう船せんの規格きかくなどから身長しんちょうは1メートル49.5センチ以上いじょう、1メートル90.5センチ以下いかとしています。

その一方いっぽうで、これまで自然しぜん科学かがく系けいの4年ねん制せい大学だいがくの卒業そつぎょう以上いじょうとしていた学歴がくれきの要件ようけんはなくしました。

選考せんこうは、来年らいねん3月つきから書類しょるい選抜せんばつを始はじめ、その後そのご、面接めんせつや大学だいがくの一般いっぱん教養きょうようレベルの筆記ひっきテストを実施じっしするなど、4段階だんかいの選抜せんばつを行おこなって2年ねん後ごの2023年ねん2月つきごろに結果けっかを公表こうひょうするということです。

採用さいようは若干じゃっかん名めいで、JAXAに入社にゅうしゃして宇宙うちゅう飛行ひこう士しに正式せいしきに認定にんていするための訓練くんれんを行おこなうとしています。

また現役げんえきの女性じょせい宇宙うちゅう飛行ひこう士しがいないことから、女性じょせいの応募おうぼを促うながす広報こうほう活動かつどうを行おこなうということです。

JAXAは新あらたな宇宙うちゅう飛行ひこう士しに求もとめる人物じんぶつ像ぞうとして、これまでと同様どうように協調きょうちょう性せいや十分じゅうぶんなリーダーシップをあげていますが、今回こんかいは新あらたにミッションの体験たいけんや成果せいかを人々ひとびとと共有きょうゆうする表現ひょうげん力りょくや発信はっしん力りょくがあることを求もとめています。

そして評価ひょうかする特性とくせいとして、宇宙うちゅう飛行ひこう士しの職務しょくむに明確めいかくな目的もくてき意識いしきをもち、科学かがく技術ぎじゅつなどの知識ちしきや英語えいご能力のうりょくのほか、緊急きんきゅう事態じたいに迅速じんそくに対処たいしょする能力のうりょくなどをあげています。

また日本にっぽんの代表だいひょうとしてふさわしい幅広はばひろい知識ちしきをもち、異ことなる文化ぶんかや価値かち観かんをもつ人ひとに敬意けいいを払はらう態度たいども求もとめています。

選えらばれた飛行ひこう士しは、アメリカが主導しゅどうして日本にっぽんも参加さんかする月つき探査たんさ計画けいかくで、月つきを周回しゅうかいする新あらたな宇宙うちゅうステーションに搭乗とうじょうするほか月面げつめんに降り立おりたつことも検討けんとうされています。

JAXAは来月らいげつ1日にちにオンラインで募集ぼしゅう説明せつめい会かいを開ひらき、問い合といあわせや質問しつもんに回答かいとうするとしています。

宇宙うちゅう飛行ひこう士しの油井ゆい亀ひさし美也みやさん「宇宙うちゅう活動かつどうの新あらたな特徴とくちょう作つくって」

日本人にっぽんじん宇宙うちゅう飛行ひこう士しの油井ゆい亀ひさし美也みやさんは「いろんなバックグランドを持もった人ひとに応募おうぼしていただき日本にっぽんの有人ゆうじん宇宙うちゅう活動かつどうの新あらたな特徴とくちょうを作つくってほしい。月つきに行いくということは人類じんるいを代表だいひょうするということでもあり情報じょうほう発信はっしんもしっかりしてもらいたい」と期待きたいを込こめて話はなしていました。

【応募おうぼできるのはどんな人ひと?】

今回こんかいの宇宙うちゅう飛行ひこう士し選抜せんばつ試験しけんの応募おうぼ要項ようこうは次つぎのようになっています。

応募おうぼの受付うけつけ期間きかんは来月らいげつ20日にちから来年らいねん3月つき4日にちまでです。

2022年ねん3月末げつまつの時点じてんで3年ねん以上いじょうの社会しゃかい人じんに相当そうとうする実務じつむ経験けいけんがあることが条件じょうけんで、実務じつむ経験けいけんは、修士しゅうし号ごうを取得しゅとくしている人ひとは1年ねん、博士はかせ号ごうを取得しゅとくしている人ひとは3年ねんと見みなすことができるとしています。

医学いがく的てき特性とくせいとして、身長しんちょうは1メートル49.5センチ以上いじょう、1メートル90.5センチ以下いかで視力しりょくは両目りょうめとも矯正きょうせい視力しりょくが1.0以上いじょうで色覚しきかくや聴覚ちょうかくが正常せいじょうであることとしています。

日本にっぽん国籍こくせきがないと応募おうぼ資格しかくはないということです。

前回ぜんかいの選抜せんばつ試験しけんの募集ぼしゅう条件じょうけんとの大おおきな変更へんこう点てんとして、自然しぜん科学かがく系けいの4年ねん制せい大学だいがくの卒業そつぎょう以上いじょうとしていた学歴がくれきの要件ようけんはなくしました。

選考せんこうは、来年らいねん3月つきから書類しょるい選抜せんばつを始はじめ、面接めんせつや大学だいがくの一般いっぱん教養きょうようレベルの筆記ひっきテストを実施じっしするなど、4段階だんかいの選抜せんばつを行おこなうとしています。

そのほかの選抜せんばつ試験しけんについては、事前じぜんの準備じゅんびができないよう現時点げんじてんでは公表こうひょうしないとしています。

結果けっかは1年ねん余あまりあとの2023年ねん2月つきごろに公表こうひょうし、採用さいようは若干じゃっかん名めいとしています。

採用さいようされるとJAXAに入社にゅうしゃして宇宙うちゅう飛行ひこう士しに正式せいしきに認定にんていするための訓練くんれんを行おこなうということです。

また、現役げんえきの女性じょせい宇宙うちゅう飛行ひこう士しがいないことから、女性じょせいの応募おうぼを促うながす広報こうほう活動かつどうを行おこなうということです。

一方いっぽう、留意りゅうい事項じこうとして、宇宙うちゅう船せんに搭乗とうじょうするまでの訓練くんれんが長ながくて7年ねんから10年間ねんかん程度ていどに及およぶことがあるほか、訓練くんれん結果けっかの評価ひょうかや宇宙うちゅう開発かいはつ計画けいかくの変更へんこうなどで宇宙うちゅう飛行ひこうできない場合ばあいもあるとしています。

日本にっぽんからは過去かこ11人にんが選えらばれ現役げんえきの宇宙うちゅう飛行ひこう士しは7人にん

これまで日本にっぽんでは、宇宙うちゅう飛行ひこう士しを選えらぶための選抜せんばつ試験しけんが5回かい行おこなわれ、11人にんの飛行ひこう士しが選えらばれていて、現在げんざいは現役げんえきの飛行ひこう士しが7人にんいます。

国くにの宇宙うちゅう飛行ひこう士しの最初さいしょの選抜せんばつは、当時とうじのNASDA＝宇宙うちゅう開発かいはつ事業じぎょう団だんが行おこない、スペースシャトルに搭乗とうじょうし科学かがく実験じっけんを行おこなうための飛行ひこう士しとして毛利もうり衛まもるさん、向井むかい千秋ちあきさん、土井どい隆雄たかおさんの3人にんを1985年ねんに選えらびました。

その後そのご、スペースシャトルの運用うんようのほか、国際こくさい宇宙うちゅうステーションの日本にっぽんの実験じっけん棟とう「きぼう」の組み立くみたてと運用うんようなど、役割やくわりが次第しだいに広ひろがるのに合あわせて、若田わかた光一こういちさんや野口のぐち聡さとし一いちさんなどの飛行ひこう士しを選抜せんばつしていきました。

そして、前回ぜんかいの選抜せんばつ試験しけんは13年ねん前まえの2008年ねんに募集ぼしゅうが始はじまって過去かこ最高さいこうの963人にんが応募おうぼし、油井ゆい亀ひさし美也みやさん、大西おおにし卓哉たくやさん、それに、金井かない宣せん茂しげるさんの3人にんが選えらばれました。

これまでに日本にっぽんの宇宙うちゅう飛行ひこう士しとして11人にんが選えらばれ、現時点げんじてんで7人にんが現役げんえきの飛行ひこう士しとして活動かつどうしています。

現役げんえきで活動かつどうしている日本にっぽんの宇宙うちゅう飛行ひこう士しは全員ぜんいん男性だんせいで、平均へいきん年齢ねんれいは2021年ねん11月つき時点じてんで52歳さいと高齢こうれい化かが進すすんでいます。

“日本にっぽんは民間みんかん企業きぎょう育成いくせいが十分じゅうぶんではない” 宇宙うちゅう開発かいはつの今後こんごの課題かだいは

国際こくさい的てきな月つき探査たんさ計画けいかくは、アメリカが中心ちゅうしんとなって日本にっぽんやヨーロッパなどが参加さんかするもので、「アルテミス計画けいかく」と呼よばれています。

月つきを周回しゅうかいする新あらたな宇宙うちゅうステーション「ゲートウェイ」を建設けんせつするほか、2025年ねん以降いこうに女性じょせいのアメリカ人じん宇宙うちゅう飛行ひこう士しを月面げつめんに送おくり、その後そのごも継続けいぞく的てきに月つき探査たんさを行おこなう計画けいかくです。

現在げんざいの国際こくさい宇宙うちゅうステーションがある地球ちきゅう周辺しゅうへんの宇宙うちゅう空間くうかんについてアメリカは、宇宙うちゅう旅行りょこうの本格ほんかく化かなど民間みんかん企業きぎょうによる利用りようを進すすめ、アメリカの宇宙うちゅう飛行ひこう士しによる宇宙うちゅう開発かいはつは月つき探査たんさなどに重点じゅうてんを移うつす計画けいかくです。

しかし、日本にっぽんでは宇宙うちゅう開発かいはつを進すすめる民間みんかん企業きぎょうの育成いくせいが十分じゅうぶんではないと指摘してきされていて、現在げんざいの宇宙うちゅうステーションの維持いじと運用うんように加くわえて新あらたに月つき探査たんさについても国くにが担になうことになり、このままでは宇宙うちゅう開発かいはつの国くにの負担ふたんが増ふえていくことになります。

国際こくさい的てきな月つき探査たんさ計画けいかくに参加さんかする準備じゅんびは今回こんかいの宇宙うちゅう飛行ひこう士しの募集ぼしゅうのように着々ちゃくちゃくと進すすめられていますが、2024年ねん以降いこうの運用うんようをどのようにするか決きまっていない現在げんざいの宇宙うちゅうステーションをどのようにしていくのかや、宇宙うちゅう開発かいはつを担になう民間みんかん企業きぎょうの育成いくせいなどの議論ぎろんや有効ゆうこうな方策ほうさくは見みえていません。

日本にっぽんは有人ゆうじん宇宙うちゅう開発かいはつで何なにを行おこないどのような成果せいかを社会しゃかいに還元かんげんするのか、真剣しんけんな議論ぎろんをして社会しゃかいに理解りかいを求もとめることが課題かだいとなっています。

末松すえまつ文科ぶんか相しょう「多おおくの方々かたがたからの積極せっきょく的てきな応募おうぼを待まっている」

末松すえまつ文部もんぶ科学かがく大臣だいじんは閣議かくぎのあとの記者きしゃ会見かいけんで「新あらたに募集ぼしゅうする宇宙うちゅう飛行ひこう士しは、月つきを周回しゅうかいする新あらたな宇宙うちゅうステーションや月面げつめんが活躍かつやくの場ばとなることが見込みこまれる。わが国わがくにの宇宙うちゅう開発かいはつ利用りようの未来みらいを切り開きりひらき、人類じんるいや社会しゃかいへの貢献こうけんを志こころざす多おおくの方々かたがたからの積極せっきょく的てきな応募おうぼを待まっている」と述のべました。