日本新聞: 米 UFOに関する報告書「140件余の目撃情報も正体結論出ず」

米べい UFOに関にかんする報告ほうこく書しょ「140件けん余よの目撃もくげき情報じょうほうも正体しょうたい結論けつろん出でず」

Jun 26, 2021 11:06 1

Furigana

アメリカ政府せいふは未み確認かくにん飛行ひこう物体ぶったい、いわゆるUFOに関にかんする分析ぶんせき結果けっかをまとめた報告ほうこく書しょを公表こうひょうしました。これまでに軍ぐんなどで140件けん余あまりの目撃もくげき情報じょうほうが報告ほうこくされたとしているものの、そのほとんどの正体しょうたいについては依然いぜん、結論けつろんが出でていないとしています。

アメリカの情報じょうほう機関きかんを統括とうかつする国家こっか情報じょうほう長官ちょうかん室しつは25日にち、軍ぐんの内部ないぶで目撃もくげき情報じょうほうが出でている未み確認かくにん飛行ひこう物体ぶったい、いわゆるUFOに関にかんする分析ぶんせき結果けっかをまとめた報告ほうこく書しょを公表こうひょうしました。

それによりますと、2004年ねん以降いこう、アメリカ軍ぐんなどの政府せいふ機関きかんでは未み確認かくにん飛行ひこう物体ぶったいの目撃もくげき情報じょうほうが144件けん報告ほうこくされているということです。

このうち、1件けんについては気球ききゅうと特定とくていされましたが、そのほかの情報じょうほうに関にかんしては中国ちゅうごくやロシアが開発かいはつした技術ぎじゅつの可能かのう性せいがあると指摘してきしつつも、特定とくていするための十分じゅうぶんなデータがなく、正体しょうたいについては依然いぜん、結論けつろんが出でていないとしています。

さらに、21件けんについては、物体ぶったいの推進すいしん装置そうちが見当みあたらないにもかかわらず、高速こうそくで不規則ふきそくに移動いどうするなど、「異常いじょうな動うごき」を示しめしたとしています。

また、物体ぶったいが航空こうくう機きに異常いじょう接近せっきんした事例じれいも11件けん報告ほうこくされているということで、報告ほうこく書しょはこうした物体ぶったいが「航空こうくう機きの安全あんぜんを脅おびやかし、安全あんぜん保障ほしょう上じょうの脅威きょういになりうる」という懸念けねんを示しめし、さらなる情報じょうほう収集しゅうしゅうや分析ぶんせきの必要ひつよう性せいを強調きょうちょうしています。

報告ほうこく書しょには「宇宙うちゅう人じん」などのことばは盛り込もりこまれていませんが、アメリカのメディアは政府せいふ高官こうかんの話はなしとして、これらの物体ぶったいが地球ちきゅう外がいの技術ぎじゅつによるものだという可能かのう性せいも排除はいじょしていないと伝つたえていて、真相しんそう究明きゅうめいを求もとめる声こえは今後こんご、さらに高たかまりそうです。

国防こくぼう総省そうしょう「非常ひじょうに深刻しんこくに受け止うけとめ調査ちょうさしている」

報告ほうこく書しょがさらなる情報じょうほう収集しゅうしゅうや分析ぶんせきの必要ひつよう性せいを指摘してきしたことを受うけ、国防こくぼう総省そうしょうはヒックス国防こくぼう副ふく長官ちょうかんが25日にち、調査ちょうさの強化きょうかに向むけた計画けいかくの策定さくていを担当たんとう部署ぶしょに指示しじしたことを明あきらかにしました。

計画けいかくでは、国防こくぼう総省そうしょう内ないのさまざまな部隊ぶたいに加くわえ、情報じょうほう機関きかんなどとの間まで情報じょうほうの収集しゅうしゅうや分析ぶんせきを共有きょうゆうするための手順てじゅんの確立かくりつや、こうした取り組とりくみを進すすめるための人員じんいんや機材きざいなどを確保かくほするとしています。

国防こくぼう総省そうしょうはUFOをUAP＝未み確認かくにん航空こうくう現象げんしょうと呼よび、去年きょねん8月つきにUAPを調査ちょうさするための特別とくべつチームを立たち上あげていて、声明せいめいで「それが特定とくていされているかいないかにかかわらず、国防こくぼう総省そうしょうはあらゆる飛行ひこう物体ぶったいによる軍事ぐんじ空域くういきへの侵入しんにゅうを非常ひじょうに深刻しんこくに受け止うけとめ、調査ちょうさしている」と強調きょうちょうしています。

「重要じゅうような一いち歩ほだが最初さいしょの一いち歩ほにすぎない」

今回こんかいの報告ほうこく書しょの公表こうひょうをはたらきかけた共和党きょうわとうのルビオ上院じょういん議員ぎいんは声明せいめいで「国くにを守まもる、私わたしたちが信頼しんらいする人ひとたちが、高たかい能力のうりょくを持もつ未み確認かくにんの航空こうくう機きとの遭遇そうぐうを長年ながねんにわたって報告ほうこくしてきたが、その懸念けねんはしばしば無視むしされ、嘲笑ちょうしょうされてきた」と訴うったえました。

そのうえで「この報告ほうこく書しょは重要じゅうような一いち歩ほだが、最初さいしょの一いち歩ほにすぎない。これらの空中くうちゅうの脅威きょういが安全あんぜん保障ほしょう上じょうの重大じゅうだいな懸念けねんであるかどうかを理解りかいするために、国防こくぼう総省そうしょうと情報じょうほう機関きかんは多おおくのやるべきことがある」と強調きょうちょうしました。

また、上院じょういん情報じょうほう委員いいん会かいの委員いいん長ちょうを務つとめる民主みんしゅ党とうのワーナー議員ぎいんも声明せいめいを発表はっぴょうし、近年きんねん、未み確認かくにん飛行ひこう物体ぶったいの目撃もくげき情報じょうほうが増加ぞうか傾向けいこうにあると指摘してきしたうえで「決定けってい的てきとは言いえない今回こんかいの報告ほうこく書しょは、アメリカと世界せかいの多おおくの地域ちいきで航空こうくう機きに対にたいするリスクとなっているものの原因げんいんを明あきらかにするための始はじまりにすぎない」としています。