Báo tiếng Nhật: 尾身会長「すでに医療ひっ迫」東京感染急増現場では…

過去かこ最多さいたの3177人にんとなった28日にちの東京とうきょう都との新規しんき感染かんせん者しゃ数すう。

感染かんせん拡大かくだいに歯止はどめがかからず、医療いりょう体制たいせいのひっ迫ひっぱくへの危機きき感かんが広ひろがっています。東京とうきょう都との医療いりょう体制たいせいの現状げんじょうをまとめました。

＜この記事きじで分わかること＞

▽尾身おみ会長かいちょう「医療いりょうのひっ迫ひっぱく」の認識にんしきを訴うったえ

▽中等ちゅうとう症しょう病院びょういんは「キャパオーバー」

▽都とは医療いりょう機関きかんに“通常つうじょう医療いりょうの制限せいげんの検討けんとう”を要請ようせい

▽“搬送はんそう困難こんなん”な事例じれいも増加ぞうか

▽自宅じたく療養りょうよう者しゃは1か月かげつ前まえの5倍ばい以上いじょうに

尾身おみ会長かいちょう「医療いりょうのひっ迫ひっぱくがすでに起おき始はじめている」

28日にち、政府せいふの分科ぶんか会かいの尾身おみ会長かいちょうは、衆議院しゅうぎいん内閣ないかく委員いいん会かいで「夜間やかんの滞留たいりゅう人口じんこうは、繁華はんか街がいなどでは少すこしずつ減へってきているが、期待きたいされるレベルには残念ざんねんながら至いたっていない」と指摘してきしました。

そのうえで、尾身おみ会長かいちょうは、入院にゅういん患者かんじゃや高こう濃度のうどの酸素さんそ吸入きゅうにゅうを必要ひつようとする人ひと、それに自宅じたくや宿泊しゅくはく施設しせつで療養りょうようしている人ひとなどが増ふえていると指摘してきし「医療いりょうのひっ迫ひっぱくがすでに起おき始はじめているというのが、われわれの認識にんしきだ」と述のべました。

そして「もう少もうすこし急激きゅうげきに、人ひと流りゅうや接触せっしょくの機会きかいを下さげる必要ひつようがある。入院にゅういんのひっ迫ひっぱくに関にかんする指標しひょうを市民しみんに十分じゅうぶん理解りかいしていただき、日本にっぽんの社会しゃかいみんなが危機きき感かんを共有きょうゆうすることが、今いま、非常ひじょうに重要じゅうようだ」と述のべました。

中等ちゅうとう症しょう患者かんじゃ受け入うけいれの病院びょういん「キャパオーバー」

中等ちゅうとう症しょうの患者かんじゃを受け入うけいれている都内とないの病院びょういんでは、用意よういした病床びょうしょうを上回うわまわる患者かんじゃが入院にゅういんするなど、対応たいおうに追おわれています。

東京とうきょう杉並すぎなみ区くにある「河北かほく総合そうごう病院びょういん」は、新型しんがたコロナウイルスの患者かんじゃに対応たいおうする基幹きかん病院びょういんの1つで、本ほん院いんと近ちかくにある分ぶん院いんで中等ちゅうとう症しょうまでの患者かんじゃを受け入うけいれています。

病院びょういんでは新型しんがたコロナの患者かんじゃのために43床しょうを確保かくほしていますが、1週間しゅうかんほど前まえから入院にゅういん患者かんじゃが増ふえ、28日にちの時点じてんでは46人にんが入院にゅういんしています。

家庭かてい内ないで感染かんせんするケースも多おおいため、家族かぞくは同おなじ病室びょうしつに入院にゅういんしてもらうなどして対応たいおうしているということです。

年代ねんだい別べつでは、▽30代だいまでの若わかい世代せだいが全体ぜんたいの3分ぶんの2を占しめているほか、▽40代だいや50代だいの患者かんじゃが重症じゅうしょう化かして別べつの病院びょういんに転院てんいんするケースもあるということです。

また、▽1歳さい未満みまんの赤あかちゃんも6人にん入院にゅういんし、感染かんせんを防ふせぐガウンを着きた看護かんご師しがだっこしてミルクを与あたえるなどしていて、入院にゅういん患者かんじゃの増加ぞうかで、業務ぎょうむの負担ふたんも増ましているということです。

この病院びょういんの発熱はつねつ外来がいらいには連日れんじつ20人にん以上いじょうが訪おとずれていて、検査けんさした人ひとのおよそ4割わりが陽性ようせいと確認かくにんされた日ひもありました。

河北かわきた総合そうごう病院びょういんの杉村すぎむら洋一よういち院長いんちょうは「7月つきの初はじめくらいまでは35人にんから40人にんだったが、ここ2週間しゅうかんほどは43床しょうが満まん床ゆかになり、1週間しゅうかんくらい前まえからは入はいりきらなくなった。感染かんせん力りょくが強つよく、潜伏せんぷく期間きかんも長ながい変異へんい株かぶの患者かんじゃが増ふえていて、40代だい、50代だいが重症じゅうしょう化かして人工じんこう呼吸こきゅう器きを付つけるケースも増ふえている。キャパオーバーの状況じょうきょうはしばらく続つづくのではないかと思おもう」と話はなしました。

さらに「いま一番いちばん注意ちゅういしているのは院内いんない感染かんせんを起おこさないこと。この状況じょうきょうで院内いんない感染かんせんが起おこると医療いりょう崩壊ほうかいに直結ちょっけつするので、これから治療ちりょうや検査けんさで入院にゅういんが決きまっている人ひとは、極力きょくりょく感染かんせんするような場所ばしょには行いかないでほしい。難むずかしいが、人ひと流りゅうを抑おさえる努力どりょくをして、若わかい人ひとには今いままでよりも自分じぶんたちにリスクが増ふえていることを知しってもらいたい」と話はなしていました。

都と「通常つうじょう医療いりょうの制限せいげんも検討けんとうを」医療いりょう機関きかん「都民とみんに説明せつめいを」

都内とないの入院にゅういん患者かんじゃ数すうは、27日にち時点じてんで2864人にんと1か月かげつ前まえの倍ばい近ちかくになったほか、病床びょうしょうの使用しよう率りつも上昇じょうしょうし、48％になりました。

こうした中なか、東京とうきょう都とは新型しんがたコロナウイルスの患者かんじゃを受け入うけいれている医療いりょう機関きかんを対象たいしょうに説明せつめい会かいを開ひらき、通常つうじょう医療いりょうの制限せいげんも検討けんとうしてさらに病床びょうしょうを確保かくほするよう要請ようせいしました。

医療いりょう機関きかんからは「通常つうじょう医療いりょうを制限せいげんするなら都とが都民とみんに対にたいしてしっかり説明せつめいしてほしい」などという懸念けねんの声こえが出だされたということです。

都とは「現在げんざい、確保かくほしている病床びょうしょう」の5967床しょうを、来月らいげつ6日にちをめどに「最大さいだいで確保かくほできる」としている6406床しょうまで増ふやしたいとしています。

大学だいがく病院びょういん「一般いっぱん診療しんりょうに影響えいきょうが出でかねない」

都との要請ようせいを受うけ、東京とうきょう文京ぶんきょう区くの東京とうきょう医科いか歯科しか大学だいがく附属ふぞく病院びょういんでは、病床びょうしょうの確保かくほについてどう対応たいおうするか、28日にち朝あさ、病院びょういんの幹部かんぶなどを集あつめてオンライン会議かいぎが開ひらかれました。

会議かいぎでは、28日にちの時点じてんで、▽中等ちゅうとう症しょうの患者かんじゃが21人にん、▽重症じゅうしょうの患者かんじゃが4人にん、それぞれ入院にゅういんしていて、中等ちゅうとう症しょうの病床びょうしょうが満まん床ゆか状態じょうたいになっていることが報告ほうこくされました。

こうしたことから、これまでは変異へんいウイルスの患者かんじゃの病室びょうしつについて、▽イギリスで確認かくにんされた変異へんいウイルス「アルファ株かぶ」と、▽感染かんせん力りょくが強つよいインドで広ひろがった「デルタ株かぶ」の患者かんじゃなどで分わけていましたが、感染かんせんが急きゅう拡大かくだいしている今いま、病室びょうしつを分わけるのをいったんやめ、同おなじにすることで、病室びょうしつを空あけて患者かんじゃをより多おおく受け入うけいれる体制たいせいを取とることを決きめました。

病院びょういんが撮影さつえいした映像えいぞうでは、デルタ株かぶを意味いみする「L452R」という貼り紙はりがみがされた病室びょうしつに、看護かんご師しらが慌あわただしく出入でいりして対応たいおうに当あたっていました。

この病院びょういんでは、重症じゅうしょう患者かんじゃはまだ受け入うけいれられるものの、さらに感染かんせんの急きゅう拡大かくだいが続つづき、重症じゅうしょう患者かんじゃも増ふえていけば、一般いっぱん診療しんりょうに影響えいきょうが出でかねないと危機きき感かんを強つよめています。

東京とうきょう医科いか歯科しか大学だいがく附属ふぞく病院びょういんの小池こいけ竜司りゅうじ副ふく病院びょういん長ちょうは「患者かんじゃは爆発ばくはつ的てきに増ふえている。変異へんい株かぶの型かたで病室びょうしつを分わけるという必要ひつよう度どよりも、患者かんじゃを収容しゅうようするということを優先ゆうせんせざるをえないのでご理解りかいいただきたい」と話はなしています。

救急きゅうきゅう搬送はんそう困難こんなんなケース急増きゅうぞう

救急きゅうきゅう患者かんじゃを受け入うけいれる医療いりょう機関きかんがすぐに決きまらない「搬送はんそう困難こんなん」なケースも、7月つきに入はいり急増きゅうぞうしています。

総務そうむ省しょう消防庁しょうぼうちょうのまとめによりますと、今月こんげつ25日にちまでの1週間しゅうかんでは2202件けんと3週しゅう連続れんぞくで増加ぞうかし、前まえの週しゅう（18日にちまで）の1週間しゅうかんの1545件けんと比くらべると1.4倍ばいになっています。

このうち、新型しんがたコロナウイルスの感染かんせんが疑うたがわれるケースは698件けんで、前まえの週しゅうまでの1週間しゅうかんと比くらべて1.6倍ばいに急増きゅうぞうしています。

地域ちいき別べつにみますと、

▽東京とうきょう都とが1121件けん（＋285件けん）

▽大阪おおさか市しが255件けん（＋116件けん）

▽札幌さっぽろ市しが137件けんで（＋54件けん）

▽横浜よこはま市しが135件けん（＋53件けん）

などと大だい都市としで目立めだつということです。

総務そうむ省しょう消防庁しょうぼうちょうは「地域ちいきにもよるが、医療いりょう機関きかんの選定せんていや患者かんじゃの搬送はんそうに時間じかんがかかる状況じょうきょうがすでに発生はっせいし、データからは病床びょうしょうがひっ迫ひっぱくする兆きざしも見みえている。よりいっそう新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん対策たいさくをとってほしい」としています。

東京とうきょう都との自宅じたく療養りょうよう者しゃ 1か月かげつ前まえの5倍ばい以上いじょうに

一方いっぽうで、自宅じたく療養りょうようしている人ひとの人数にんずうも1か月かげつ前まえと比くらべ急増きゅうぞうしています。

今月こんげつ21日にち時点じてんで全国ぜんこくで1万まん人にんを超こえ、東京とうきょう都とでは4000人にん余あまりと、1か月かげつ前まえの5倍ばい余あまりに増ふえたことが厚生こうせい労働ろうどう省しょうのまとめで分わかりました。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうのまとめ（今月こんげつ21日にち時点じてん）

▽全国ぜんこく 1万まん717人にん

前まえの週しゅう（5809人にん）よりおよそ4900人にん増ふえています。

▽東京とうきょう都と 4068人にん

前まえの週しゅう（1839人にん）のおよそ2倍ばい、1か月かげつ近ちかく前まえの6月つき23日にち時点じてん（711人にん）と比くらべると5.7倍ばいに増加ぞうかしています。

▽神奈川かながわ県けん 2241人にん

前まえの週しゅう（1468人にん）の1.5倍ばい、1か月かげつ前まえ（746人にん）の3倍ばいに

▽千葉ちば県けん 792人にん

前まえの週しゅう（470人にん）の1.7倍ばい、1か月かげつ前まえ（251人にん）の3倍ばい余あまりに

▽埼玉さいたま県けん 1104人にん

前まえの週しゅう（410人にん）の2.7倍ばい、1か月かげつ前まえ（108人にん）と比くらべると10倍ばい以上いじょうに急増きゅうぞうしています。

往診おうしんの医師いし「在宅ざいたくでは十分じゅうぶんに治療ちりょうできるか心配しんぱい」

自宅じたく療養りょうよう者しゃの往診おうしんにあたる医師いしも危機きき感かんを強つよめています。

世田谷せたがや区くにある『ふくろうクリニック等々力とどろき』の山口やまぐち潔きよし院長いんちょうによりますと、26日にちに往診おうしんした自宅じたく療養りょうようの患者かんじゃが「1週間しゅうかん熱ねつが下さがらない」と話はなし、肺炎はいえんの症状しょうじょうもあったため中等ちゅうとう症しょうと診断しんだんして入院にゅういんすることになったということです。

山口やまぐち院長いんちょうは「在宅ざいたくでも酸素さんそ投与とうよや点滴てんてきはできるが、病院びょういんでの治療ちりょうと比くらべて圧倒的あっとうてきに手間てまがかかり限界げんかいもある。地域ちいきのかかりつけ医いは新型しんがたコロナの診断しんだんをしたことはあっても治療ちりょうの経験けいけんはほとんどなく、十分じゅうぶんに対応たいおうできるか心配しんぱいしている」と話はなしています。