日本新聞: 政府分科会 4府県“宣言”追加 5道府県“まん延防止”適用了承

新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだいが続つづく中なか、専門せんもん家かでつくる分科ぶんか会かいは「緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげん」の対象たいしょう地域ちいきに埼玉さいたま、千葉ちば、神奈川かながわ、大阪おおさかの4府県ふけんを追加ついかするほか、北海道ほっかいどう、石川いしかわ、兵庫ひょうご、京都きょうと、福岡ふくおかの5道府県どうふけんに「まん延まんえん防止ぼうし等とう重点じゅうてん措置そち」を適用てきようし、期間きかんはいずれも来月らいげつ2日にちから31日にちまでとするとともに、東京とうきょうと沖縄おきなわの宣言せんげんの期限きげんもこれにあわせて延長えんちょうする政府せいふの方針ほうしんを了承りょうしょうしました。

新型しんがたコロナウイルス対策たいさくをめぐり30日にち午前ごぜん、感染かんせん症しょうなどの専門せんもん家かでつくる政府せいふの「基本きほん的てき対処たいしょ方針ほうしん分科ぶんか会かい」が開ひらかれました。

この中なかで、西村にしむら経済けいざい再生さいせい担当たんとう大臣だいじんは「全国ぜんこくの新規しんき陽性ようせい者しゃ数すうはきのう1万まん人にんを超こえ東京とうきょう都とで3865人にんといずれも過去かこ最多さいたとなり、非常ひじょうに高たかい水準すいじゅんの報告ほうこくが続つづいている。首都しゅと圏けんの3県けんからは緊急きんきゅう事態じたい措置そちを要請ようせいされた。東京とうきょうとあわせて首都しゅと圏けんで面めん的てきに一体いったい的てきに強つよい取り組とりくみを実施じっしすることで感染かんせんを何なにとしても抑おさえていく。大阪おおさかでも医療いりょう機関きかんの負荷ふかが増大ぞうだいしてきていて、より強つよい措置そちを講こうじていく」と述のべました。

そのうえで東京とうきょう都とと沖縄おきなわ県けんに出だされている「緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげん」の対象たいしょう地域ちいきに埼玉さいたま、千葉ちば、神奈川かながわ、大阪おおさかの4府県ふけんを追加ついかし、北海道ほっかいどう、石川いしかわ、兵庫ひょうご、京都きょうと、福岡ふくおかの5道府県どうふけんには「まん延まんえん防止ぼうし等とう重点じゅうてん措置そち」を適用てきようする方針ほうしんを諮はかりました。

また、重点じゅうてん措置そちの適用てきよう地域ちいきでは原則げんそく、飲食いんしょく店てんに酒さけの提供ていきょう停止ていしを要請ようせいする方針ほうしんを示しめしました。

そして期間きかんはいずれも来月らいげつ2日にちから31日にちまでとするとともに、来月らいげつ22日にちまでとなっている東京とうきょうと沖縄おきなわの宣言せんげんの期限きげんもこれにあわせて延長えんちょうする方針ほうしんを説明せつめいしました。

西村にしむら大臣だいじんは「この夏なつは都道とどう府県ふけんを越こえた移動いどうにはできるだけ慎重しんちょうを期きしていただき、どうしても移動いどうする場合ばあいは小規模しょうきぼ分散ぶんさん型がたで検査けんさを受うけていただくことをお願おねがいしたい。東京とうきょうオリンピックは家族かぞくやいつもいる仲間なかまと少しょう人数にんずうで、自宅じたくで応援おうえんや観戦かんせんをしていただき、路上ろじょうや広場ひろばでの大だい人数にんずうでの応援おうえんや飲食いんしょくは控ひかえていただくことをお願おねがいしたい」と呼よびかけました。

分科ぶんか会かいでは、こうした政府せいふの方針ほうしんについて議論ぎろんが行おこなわれ了承りょうしょうされました。

これを受うけて政府せいふは衆参しゅうさん両院りょういんの議院ぎいん運営うんえい委員いいん会かいに報告ほうこくし、質疑しつぎを行おこなったうえで午後ごご5時じから開ひらかれる対策たいさく本部ほんぶで正式せいしきに決定けっていすることにしています。

そして菅かん総理そうり大臣だいじんは30日にち午後ごご7時じをめどに記者きしゃ会見かいけんし「緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげん」の対象たいしょう地域ちいきを追加ついかすることなどを説明せつめいし、国民こくみんに理解りかいと協力きょうりょくを呼よびかける見通みとおしです。

尾身おみ会長かいちょう「現状げんじょうの危機きき感かんが共有きょうゆうされていない」

「基本きほん的てき対処たいしょ方針ほうしん分科ぶんか会かい」の尾身おみ茂しげる会長かいちょうは、会合かいごうのあと報道ほうどう陣じんの取材しゅざいに応おうじ、緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんの対象たいしょう地域ちいきに、埼玉さいたま、千葉ちば、神奈川かながわ、大阪おおさかの4府県ふけんを追加ついかするなどとした政府せいふが示しめした方針ほうしんを了承りょうしょうしたと述のべました。

そのうえで「現状げんじょうの危機きき感かんが社会しゃかいに共有きょうゆうされていない。いま何なにが起おきているのか、どうして医療いりょうがひっ迫ひっぱくしているのかということを含ふくめて、政府せいふと自治体じちたい、専門せんもん家かがワンボイスで強つよいメッセージを出だすことが重要じゅうようだ。特とくにいまは危機きき的てきな状況じょうきょうにある。これまで対策たいさくをお願おねがいしてきたことが必かならずしも十分じゅうぶんにできていなかったから今いまの状況じょうきょうにある。やるべきことをしっかりと徹底てっていして行おこなうことが必要ひつようだ」と強調きょうちょうしました。

そして、取とるべき対策たいさくとして3つの柱はしらがあるとして「ふだん、あまり会あわない家族かぞく以外いがいの人ひとと、飲食いんしょくの場ばや飲食いんしょく以外いがいの機会きかいでも大だい人数にんずうで接触せっしょくする機会きかいが増ふえ、感染かんせんが拡大かくだいしていることは間違まちがいない。オリンピックを自宅じたくで見みることを含ふくめ、接触せっしょく機会きかいをなるべく避さけることを徹底てっていしてもらいたい。また、少すこしでも具合ぐあいが悪わるいと思おもったらPCR検査けんさや抗原こうげん検査けんさなどいつでも気軽きがるに検査けんさを受うけてもらえる体制たいせいを構築こうちくすることが必要ひつようだ。さらに医療いりょうのひっ迫ひっぱくに対応たいおうするため訪問ほうもん看護かんごや在宅ざいたく医療いりょう、開業かいぎょうしているクリニックなど地域ちいきの方かたたちに、今いままで以上いじょうにコロナ対応たいおうに関与かんよしてもらうことが必要ひつようだ」と述のべました。

西村にしむら大臣だいじん「医療いりょうひっ迫ひっぱくで極きわめて強つよい危機きき感かんを共有きょうゆう」

西村にしむら経済けいざい再生さいせい担当たんとう大臣だいじんは分科ぶんか会かいのあと記者きしゃ団だんに対にたいし「足元あしもとの感染かんせん状況じょうきょうや医療いりょう提供ていきょう体制たいせいの状況じょうきょうに極きわめて強つよい危機きき感かんが示しめされた。特とくに医療いりょうについては40代だいと50代だいで入院にゅういんする人ひとが増加ぞうかしている。このまま毎日まいにちこれだけの感染かんせん者しゃの数かずが続つづけば医療いりょうがひっ迫ひっぱくし、救すくえる命いのちも救すくえなくなるという極きわめて強つよい危機きき感かんが多おおくの先生せんせい方かたから示しめされ、そのことを共有きょうゆうした」と述のべました。

そのうえで「ワクチン接種せっしゅが進すすめばどういったことが可能かのうになるのかや、いわゆる出口でぐちの指標しひょうの在り方ありかたについても検討けんとうしていくべきだという議論ぎろんが出でた。ただ、足元あしもとでこれだけの感染かんせん者しゃが出でているので、まずは感染かんせんや医療いりょうの状況じょうきょうについて国民こくみんに正確せいかくな情報じょうほうをしっかりと伝つたえ、政府せいふや自治体じちたいで対策たいさくを徹底てっていし実効じっこう性せいを上あげていくことの重要じゅうよう性せいについて指摘してきを多数たすういただいた」と述のべました。

加藤かとう官房かんぼう長官ちょうかん「宣言せんげん解除かいじょに向むけた道筋みちすじ示しめしたい」

加藤かとう官房かんぼう長官ちょうかんは、閣議かくぎのあとの記者きしゃ会見かいけんで「緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんなどが長期ちょうきに及および、飲食いんしょく店てんや関係かんけい事業じぎょう者しゃ、国民こくみんの皆みなさんに大変たいへんなご負担ふたんをおかけしている。そうした中なかで、感染かんせん対策たいさくを効果こうか的てき、持続じぞく的てきなものにしていくためには、対策たいさくの必要ひつよう性せいだけではなく、今後こんごの見通みとおしも可能かのうなかぎり示しめし、ご協力きょうりょくをお願おねがいしていくことが重要じゅうようだ」と述のべました。

そのうえで「ワクチン接種せっしゅが進すすむ中なかで、感染かんせん状況じょうきょうにも明あきらかな変化へんかが見みられている。高齢こうれい者しゃの入院にゅういんや重症じゅうしょう化かが抑おさえられており、今後こんご、40代だい、50代だい以下いかの接種せっしゅが進すすめば、同様どうようの改善かいぜん効果こうかが期待きたいされる。接種せっしゅが進展しんてんする中なかで、感染かんせん状況じょうきょうや医療いりょう提供ていきょう体制たいせいの状況じょうきょうをどのように適切てきせつに評価ひょうかしていくのか、専門せんもん家かのご意見いけんも伺うかがいながら、分析ぶんせき、検討けんとうを進すすめ、緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんの解除かいじょに向むけた道筋みちすじを示しめしていきたい」と述のべました。

田村たむら厚あつし労相ろうしょう「ワクチン接種せっしゅもう一いち段だん進すすむまでは協力きょうりょくを」

田村たむら厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんは、閣議かくぎのあとの記者きしゃ会見かいけんで「緊急きんきゅう事態じたい措置そちを出だしたにもかかわらず、感染かんせんが急激きゅうげきに伸のびているのは大変たいへん危機きき的てきな状況じょうきょうだ。いつまでも協力きょうりょくをお願おねがいし続つづけるのは無理むりだというのは重々じゅうじゅう分わかってはいるが、ワクチン接種せっしゅがもう一いち段だん進すすむまでは、どうかご理解りかい、ご協力きょうりょくをいただきたい」と述のべました。

また「40代だいと50代だいが重症じゅうしょう者しゃのボリュームゾーンになっているが、この世代せだいのワクチン接種せっしゅは、高齢こうれい者しゃと同おなじように進すすんでいるわけではなく、まだ1か月かげつくらいはかかる。8月つきいっぱいは、なんとか感染かんせんリスクの高たかい行動こうどうは控ひかえていただきたい」と述のべました。

全国ぜんこく知事ちじ会かい飯泉いいずみ会長かいちょう「ロックダウン法ほう整備せいび検討けんとうを」

分科ぶんか会かいのあと、全国ぜんこく知事ちじ会かいの飯泉いいずみ会長かいちょうは、記者きしゃ団だんに対にたいし「火事かじで例たとえれば、燃え盛もえさかっている。それをどう食い止くいとめるか、あらゆる手段しゅだんを使つかっていくべきだ。日本にっぽんではロックダウンができないが、それを考かんがえるべきだという話はなしが分科ぶんか会かいではあった。海外かいがいでやっているような、あるエリアで人ひと流りゅうを本当ほんとうに止とめるための法ほう整備せいびを検討けんとうする段階だんかいにきたのではないかと思おもう」と述のべました。