日本新聞: 「最後のとりで」救急医療の現場も病床ひっ迫感染急拡大で

「最後さいごのとりで」救急きゅうきゅう医療いりょうの現場げんばも病床びょうしょうひっ迫ひっぱく感染かんせん急きゅう拡大かくだいで

Aug 8, 2021 16:08 1

Furigana

新型しんがたコロナウイルスの感染かんせんの急きゅう拡大かくだいは、救急きゅうきゅう医療いりょうの現場げんばにも影響えいきょうを及およぼしています。重症じゅうしょう患者かんじゃを受け入うけいれている都内とないの病院びょういんでは、新型しんがたコロナ以外いがいの患者かんじゃでも断ことわらざるをえないケースも出でていて、医師いしは「コロナはもちろんそれ以外いがいの病気びょうきやけがも迅速じんそくに医療いりょうを受うけられない状況じょうきょうになりつつある。ひと事ひとごとではないことを知しってほしい」と訴うったえています。

東京とうきょう文京ぶんきょう区くの日本にっぽん医科いか大学だいがく付属ふぞく病院びょういんは、緊急きんきゅう性せいの高たかい重症じゅうしょう患者かんじゃに対応たいおうする3次じ救急きゅうきゅうの指定してい病院びょういんで、「最後さいごのとりで」の役割やくわりを担にない、新型しんがたコロナの患者かんじゃも受け入うけいれていますが、感染かんせんの急きゅう拡大かくだいで病床びょうしょうはひっ迫ひっぱくしています。

8月つき初はじめに9床しょうだったコロナ患者かんじゃ用ようの重症じゅうしょう病床びょうしょうを13床しょうに増ふやして対応たいおうに当あたっていますが、満まん床ゆかの状態じょうたいが続つづいているということです。

6日にちは、午前ごぜん中ちゅうに重症じゅうしょう化かした30代だいのコロナ患者かんじゃを別べつの病院びょういんから受け入うけいれて満まん床ゆかとなりましたが、高度こうど救命きゅうめい救急きゅうきゅうセンターのホットラインには、消防しょうぼうからコロナ患者かんじゃの受け入うけいれ要請ようせいが次々つぎつぎに入はいり、救急きゅうきゅう医いが受け入うけいれは難むずかしいと伝つたえていました。

一方いっぽう、一般いっぱんの重症じゅうしょう病床びょうしょうもコロナ患者かんじゃへの対応たいおうで半数はんすう以下いかの21床しょうに減へらしているため、コロナ以外いがいの患者かんじゃの受け入うけいれを断ことわらざるをえないケースも出でていて、この日ひは心筋しんきん梗塞こうそくの患者かんじゃは受け入うけいれたものの、けいれんを起おこした患者かんじゃは受け入うけいれることができませんでした。

センターには、1日にちでふだんの6倍ばいに当にあたる31件けんの要請ようせいがありましたが、受け入うけいれられたのは8件けんにとどまったということです。

日本にっぽん医科いか大学だいがく付属ふぞく病院びょういん高度こうど救命きゅうめい救急きゅうきゅうセンターの横堀よこぼり將司つかさセンター長ちょうは「受け入うけいれ要請ようせいがこれほど来くるのは、今いままでにないことで、ピークも見みえない中なか戦々恐々せんせんきょうきょうとしています。医療いりょう提供ていきょう体制たいせいをさらに整ととのえようとしていますが、人的じんてき資源しげんにもかぎりがあります。コロナはもちろんそれ以外いがいの病気びょうきやけがも迅速じんそくに医療いりょうを受うけられない状況じょうきょうになりつつあり、ひと事ひとごとではないことを皆みなさんに知しってほしい。感染かんせん者しゃ数すうを減へらすことでしかこの状況じょうきょうは改善かいぜんしません。感染かんせんのリスクを減へらすための行動こうどうをとってほしい」と訴うったえました。