Báo tiếng Nhật: 「患者、断らざるをえない」“搬送困難”過去2番目の多さに

「患者かんじゃ、断ことわらざるをえない」“搬送はんそう困難こんなん”過去かこ2番目ばんめの多おおさに

Aug 12, 2021 20:08

Furigana

「患者かんじゃさんの受け入うけいれを断ことわらざるをえない」

新型しんがたコロナウイルスの患者かんじゃが増ふえるスピードは、各地かくちの病院びょういんが病床びょうしょうを増ふやす動うごきを上回うわまわり、受け入うけいれられない事態じたいが起おきています。

救急きゅうきゅう患者かんじゃが「搬送はんそう困難こんなん」になるケースは1週間しゅうかんに2897件けんに上のぼり、調査ちょうさを始はじめてから2番目ばんめの多おおさとなりました。

総務そうむ省しょう消防庁しょうぼうちょうは患者かんじゃの搬送はんそう先さきが決きまるまでに病院びょういんへの照会しょうかいが4回かい以上いじょうあったケースなどを「搬送はんそうが困難こんなんな事例じれい」として、県庁けんちょう所在地しょざいちの消防しょうぼう本部ほんぶなど全国ぜんこくの52の消防しょうぼう機関きかんの報告ほうこくをもとに、毎週まいしゅう取とりまとめています。

8月つき8日にちまでの1週間しゅうかんでは2897件けんと前まえの週しゅうから521件けん増ふえ、5週しゅう連続れんぞくの増加ぞうかとなりました。

比較ひかく調査ちょうさを始はじめた去年きょねん4月つき以降いこうでは、最多さいたとなったことし1月つき中旬ちゅうじゅんの3317件けんに次ついで2番目ばんめの多おおさとなっています。

地域ちいき別べつにみますと、

▽東京とうきょう消防庁しょうぼうちょう管内かんないが1532件けん（前週ぜんしゅう比ひ＋240件けん）

▽横浜よこはま市し消防しょうぼう局きょくが267件けん（前週ぜんしゅう比ひ＋107件けん）

▽千葉ちば市し消防しょうぼう局きょくが115件けん（前週ぜんしゅう比ひ＋39件けん）

▽川崎かわさき市し消防しょうぼう局きょくが84件けん（前週ぜんしゅう比ひ＋37件けん）と、

首都しゅと圏けんで増加ぞうかが目立めだちます。

また、

▽札幌さっぽろ市し消防しょうぼう局きょくで121件けん（前週ぜんしゅう比ひ＋5件けん）

▽大阪おおさか市し消防しょうぼう局きょくが279件けん（前週ぜんしゅう比ひ＋44件けん）

▽福岡ふくおか市し消防しょうぼう局きょくが45件けん（前週ぜんしゅう比ひ＋26件けん）

などとなっています。

このうち、体温たいおんが37度ど以上いじょうで呼吸こきゅう困難こんなんの症状しょうじょうがあるなど新型しんがたコロナウイルスの感染かんせんが疑うたがわれるケースも急増きゅうぞうしていて、今月こんげつ8日にちまでの1週間しゅうかんで1387件けんと前まえの週しゅうまでの1週間しゅうかん（991件けん）のおよそ1.4倍ばいとなりました。

病院びょういん「受け入うけいれ断ことわらざるをえない」

病床びょうしょうがひっ迫ひっぱくする地域ちいきの一ひとつ、神奈川かながわ県けん。

入院にゅういん患者かんじゃは11日にちの時点じてんで、1344人にんと1か月かげつ前まえのおよそ2.7倍ばいに増ふえています。

最初さいしょは軽症けいしょうや無む症状しょうじょうだった人ひとが急激きゅうげきに悪化あっかするケースも増ふえていて、すぐに使つかえる病床びょうしょうの使用しよう率りつは79％まで上あがりました。

中なかでも重症じゅうしょう患者かんじゃはこれまでで最多さいたの182人にんに上のぼっていて、病床びょうしょうの使用しよう率りつは97％とほぼ満まん床ゆかの状態じょうたいです。

各地かくちの病院びょういんでは病床びょうしょうを増ふやしていますが、患者かんじゃが増ふえるスピードがはるかに上回うわまわり、受け入うけいれできない状態じょうたいになっています。

横浜よこはま市し鶴見つるみ区くにある「済生会さいせいかい横浜よこはま市し東部とうぶ病院びょういん」では11日にちまでに、コロナ用よう病床びょうしょうを救命きゅうめい救急きゅうきゅうセンターなどに合あわせて28床しょうに増ふやしました。

しかし、受け入うけいれを求もとめる電話でんわが朝あさから相次あいついで、増ふやした病床びょうしょうはすぐに埋うまり、日にち中ちゅうだけで11件けんの要請ようせいを断ことわらなければなりませんでした。

影響えいきょうは新型しんがたコロナ以外いがいの救急きゅうきゅう医療いりょうにも及およんでいます。

新型しんがたコロナの治療ちりょうには人手ひとでがかかることから、センターで受け入うけいれることができるコロナ以外いがいの救急きゅうきゅう患者かんじゃは通常つうじょうの半分はんぶん以下いかになっていて、交通こうつう事故じこや急病きゅうびょうなどの患者かんじゃを受うけられないケースも出でているということです。

清水しみず正幸まさゆき救命きゅうめい救急きゅうきゅうセンター長ちょう

「かなり患者かんじゃさんの受け入うけいれを断ことわらざるをえない状況じょうきょうになっています。病院びょういんとしては最大限さいだいげん病床びょうしょうを増ふやしていて、まだ感染かんせん拡大かくだいのピークが見みえない中なかで、これから先さきどう対応たいおうするか頭あたまを悩なやませています」

「もう行いくところがない」

神奈川かながわ県けんでは新型しんがたコロナの患者かんじゃについて、地域ちいきで受け入うけいれ先さきが見みつからない場合ばあいや、自宅じたく療養りょうよう中ちゅうに悪化あっかした場合ばあいは、県庁けんちょうに設置せっちした24時間じかん態勢たいせいの医療いりょう危機きき対策たいさく本部ほんぶで県内けんない全域ぜんいきで受け入うけいれ先さきを探さがしています。

しかし、ホワイトボードに書かかれた各かく病院びょういんの受け入うけいれ可能かのうな患者かんじゃ数すうの欄らんにはゼロが並ならんでいます。

特とくに重症じゅうしょう用ようの病床びょうしょうはほぼ満まん床ゆかの状態じょうたいで、11日にちは担当たんとうの医師いしが重症じゅうしょう化かした50代だいの男性だんせいを受け入うけいれてくれる病院びょういんを探さがして、電話でんわをかけ続つづけていました。

入院にゅういん先さきがその日ひのうちに見みつからない患者かんじゃは、多おおい日ひは100人にん近ちかくに上のぼっていて、2か月かげつ前まえならすぐに入院にゅういんさせていたような容体ようだいの人ひとでも、できるだけ自宅じたく療養りょうようを続つづけてもらっているといいます。

担当たんとうの医師いし

「重症じゅうしょう患者かんじゃはもう基本きほん的てきに行いくところがありません。1日にちに何なん度ども電話でんわして、たまたま空あいたところになんとか受け入うけいれてもらっているのが現状げんじょうです。自宅じたくで症状しょうじょうが悪化あっかした人ひとに、『もうちょっと自宅じたくで頑張がんばりましょう』と言いわなければならないのがいちばんつらいです」