日本新闻: モデルナワクチン異物混入は粒子状の金属か厚労省が特定急ぐ

モデルナの新型しんがたコロナウイルスワクチンの一部いちぶに異物いぶつが混入こんにゅうしていた問題もんだいで、混入こんにゅうしたのは、粒子りゅうし状じょうの金属きんぞくと見みられることが、厚生こうせい労働ろうどう省しょうへの取材しゅざいで分わかりました。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうは、製造せいぞう工程こうていで入り込はいりこんだとみて特定とくていを急いそいでいます。

今月こんげつ16日にち以降いこう、全国ぜんこく8か所かしょの接種せっしゅ会場かいじょうで、モデルナのワクチンの未み開封かいふうの容器ようきの一部いちぶに異物いぶつが混入こんにゅうしているのが見みつかりました。

異物いぶつが混入こんにゅうしたワクチンは、スペインの工場こうじょうで製造せいぞうされ、厚生こうせい労働ろうどう省しょうは、この工場こうじょうで同おなじ時期じきに製造せいぞうされた163万まん回分かいぶんのワクチンについて接種せっしゅを見合みあわせるよう26日にち朝あさから全国ぜんこく863の会場かいじょうに連絡れんらくを取とっています。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうによりますと、今回こんかい、見みつかった異物いぶつは粒子りゅうし状じょうで、磁石じしゃくに反応はんのうすることから金属きんぞく製せいと見みられるということです。

製造せいぞう工程こうていで入り込はいりこんだとみて異物いぶつの特定とくていを急いそぐとともに、混入こんにゅうの詳くわしいいきさつを調しらべています。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうによりますと、これまでに健康けんこう被害ひがいの報告ほうこくはなく、「仮かりに未み開封かいふうのワクチンを接種せっしゅに使用しようしたとしても、安全あんぜん性せいや有効ゆうこう性せいへの影響えいきょうはないと考かんがえられる」としています。

また、使用しようを見合みあわせたワクチン以外いがいは別べつの工程こうていで製造せいぞうされていることから、現時点げんじてんで混入こんにゅうのおそれはないとして、自治体じちたいや医療いりょう機関きかんに予定よていどおり接種せっしゅを進すすめるよう呼よびかけています。

米べいモデルナ社しゃ「スペイン工場こうじょうでの製造せいぞう工程こうていで混入こんにゅう発生はっせいか」

アメリカの製薬せいやく会社かいしゃモデルナは「日本にっぽんに出荷しゅっかされたワクチンの一部いちぶで、粒子りゅうし状じょうの物質ぶっしつが容器ようきに入はいっていると報告ほうこくがあった。スペインの工場こうじょうでの製造せいぞう工程こうていの中なかで混入こんにゅうが起おきたと考かんがえている。これまでに安全あんぜん性せいや有効ゆうこう性せいの問題もんだいは確認かくにんされていない。関係かんけい各所かくしょと協力きょうりょくして調査ちょうさを進すすめていく」とコメントしています。

武田たけだ薬品やくひん「接種せっしゅへの影響えいきょう最小さいしょう限げんにするよう努つとめる」

武田たけだ薬品やくひん工業こうぎょうによりますと、今回こんかいの使用しようの見合みあわせで予定よていしていた2回かい目めの接種せっしゅが延期えんきになった場合ばあい、標準ひょうじゅんとしている接種せっしゅ間隔かんかくの4週間しゅうかんを超こえても、2回かい目めの接種せっしゅを受うけることができるということです。

接種せっしゅを1回かい目めから受うけ直なおす必要ひつようはなく、できるだけ速すみやかに2回かい目めの接種せっしゅを受うけてほしいとしています。

武田たけだ薬品やくひん工業こうぎょうは、「代替だいたい品ひんの供給きょうきゅうについては、厚生こうせい労働ろうどう省しょうと連携れんけいして対応たいおうすることとしており、ワクチン接種せっしゅへの影響えいきょうを最小さいしょう限げんにするよう努つとめてまいります。モデルナおよび厚生こうせい労働ろうどう省しょうと緊密きんみつに連携れんけいし、速すみやかな対応たいおうに努つとめてまいります」などとコメントしています。

使用しよう見合みあわせワクチンの「ロット番号ばんごう」は

厚生こうせい労働ろうどう省しょうによりますと、今回こんかい使用しようを見合みあわせたワクチンのうち実際じっさいに異物いぶつの混入こんにゅうが確認かくにんされたのは、ロット番号ばんごうが「3004667」のワクチンで、国内こくないにおよそ57万まん回分かいぶんが出荷しゅっかされています。

また、これらのワクチンが製造せいぞうされたスペインの工場こうじょうで同おなじ時期じきと工程こうていで製造せいぞうされたのが「3004734」と「3004956」のロット番号ばんごうのワクチンで、いずれも現時点げんじてんで報告ほうこくはないものの、異物いぶつが混入こんにゅうした疑うたがいが否定ひていできないとして同様どうように使用しようを見合みあわせています。

出荷しゅっか本数ほんすうは「3004734」がおよそ52万まん回分かいぶん、「3004956」がおよそ54万まん回分かいぶんです。

「ロット番号ばんごう」どう確認かくにんする

モデルナのワクチン接種せっしゅを受うけた人ひとは受け取うけとった「接種せっしゅ済すみ証しょう」をみれば1回かい目めと2回かい目めに接種せっしゅされたワクチンの「ロット番号ばんごう」を確認かくにんできます。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうによりますと、これまでに健康けんこう被害ひがいの報告ほうこくはないということです。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうは、使用しようの見合みあわせを決きめた「ロット番号ばんごう」のワクチン接種せっしゅを受うけた人ひとで体調たいちょうに異変いへんがある場合ばあいは、かかりつけ医いに相談そうだんするか、武田たけだ薬品やくひん工業こうぎょうのコールセンターに連絡れんらくするなどしてほしいとしています。

今後こんご予定よていされているモデルナのワクチン接種せっしゅについて、厚生こうせい労働ろうどう省しょうは「すでに周知しゅうちなどを行おこなっているので使用しようの見合みあわせを決きめたロット番号ばんごうのワクチンがこれから接種せっしゅされることはないと考かんがえている。心配しんぱいな場合ばあいは接種せっしゅ会場かいじょうにロット番号ばんごうなどを確認かくにんしてほしい」としています。

厚生こうせい労働ろうどう省しょう「安全あんぜん性せいに問題もんだいない」との見方みかた

厚生こうせい労働ろうどう省しょうによりますと、一般いっぱん的てきに未み開封かいふうのワクチンの容器ようきから異物いぶつが見みつかるケースはまれにあるということです。

このため、接種せっしゅに使用しようする前まえには容器ようきに異物いぶつが混入こんにゅうしていないか、事前じぜんに確認かくにんするよう添付てんぷ文書ぶんしょで定さだめられています。

今回こんかいも、異物いぶつの混入こんにゅうが見みつかった8つの会場かいじょうでは、いずれも接種せっしゅに使用しようする前まえに担当たんとう者しゃが混入こんにゅうに気きづいたということです。

また厚生こうせい労働ろうどう省しょうは、仮かりに、異物いぶつが混入こんにゅうした未み開封かいふうのワクチンを接種せっしゅに使つかったとしても、「安全あんぜん性せいに問題もんだいはないと考かんがえられる」としています。

その理由りゆうとして、ワクチンの製造せいぞうは通常つうじょう、無菌むきん状態じょうたいの工程こうていで行おこなわれるため、異物いぶつが混まじっても薬剤やくざいの品質ひんしつに影響えいきょうが出でることは考かんがえにくいと説明せつめいしています。

また、新型しんがたコロナウイルスワクチンは筋肉きんにく注射ちゅうしゃで行おこなわれるため異物いぶつで血管けっかんが詰つまるリスクもないということです。

埼玉さいたま県けんでの異物いぶつ発見はっけんの経緯けいい

新型しんがたコロナウイルスワクチンの一部いちぶに異物いぶつが混入こんにゅうしているのが、相次あいついで見みつかった問題もんだいで、このうち埼玉さいたま県けんではワクチン接種せっしゅ前まえに薬剤師やくざいしがチェックした際さいに合あわせて19の容器ようきで黒くろい粒子りゅうし状じょうの異物いぶつを見みつけ、使用しようを見送みおくったということです。

埼玉さいたま県けんによりますと、県けんの集団しゅうだん接種せっしゅ会場かいじょうで使用しようするモデルナのワクチンについて、県けんの薬剤師やくざいしが行おこなっている異物いぶつが混入こんにゅうしていないかの事前じぜんのチェックで、今月こんげつ13日にちに、4つの容器ようきでワクチンの中なかに黒くろい粒子りゅうし状じょうの異物いぶつが1つずつ混入こんにゅうしているのを目視もくしで発見はっけんしたということです。

また、20日にちにも15の容器ようきで同おなじような黒くろい粒子りゅうし状じょうの異物いぶつを見みつけたということです。

薬剤師やくざいしからの報告ほうこくを受うけて、県けんはモデルナワクチンの流通りゅうつうを手てがける武田たけだ薬品やくひん工業こうぎょうに連絡れんらくし、回収かいしゅうされたということです。

埼玉さいたま県けんでは、今月こんげつ17日にちから24日にちにかけてモデルナのワクチンを6540人にんが接種せっしゅしましたが、健康けんこうへの影響えいきょうなどの報告ほうこくはないということです。

また、異物いぶつが混入こんにゅうしたものと同おなじロットのワクチンは返却へんきゃくしたうえで、それ以外いがいを使用しようすることにしています。

埼玉さいたま県けんワクチンチームは「埼玉さいたま県けんではワクチンを注射ちゅうしゃ器きに補充ほじゅうするときだけでなく、その前まえに薬剤師やくざいしが異物いぶつ混入こんにゅうのチェックを専従せんじゅうで行おこなっているため、事前じぜんに発見はっけんできた。今後こんごもチェックを徹底てっていしていきたい」と話はなしています。

埼玉さいたま県内けんないでは、この問題もんだいを受うけて、戸田とだ市しがモデルナのワクチンを使用しようしている「戸田とだ中央ちゅうおう大だい規模きぼ接種せっしゅセンター」での、およそ500人にんへの26日にちの接種せっしゅを急きゅうきょ、中止ちゅうししています。

異物いぶつを見みつけた薬剤師やくざいしは…

モデルナの新型しんがたコロナウイルスのワクチンの中なかから異物いぶつを発見はっけんした埼玉さいたま県けんの薬剤師やくざいしがNHKの取材しゅざいに応おうじ、「白濁はくだく色しょくのワクチンの中なかに、目視もくしで分わかる、1ミリ以下いかのサイズの黒くろい微粒子びりゅうしが入はいっていた」と異物いぶつについて証言しょうげんしました。

今回こんかい、異物いぶつを発見はっけんした埼玉さいたま県けん薬やく務つとむ課かの主任しゅにんで、薬剤師やくざいしの石井いしい公こう規ただしさんは、今月こんげつ13日にち、さいたま市し浦和うらわ区くの接種せっしゅ会場かいじょうで使つかう290の容器ようきを目視もくしで調しらべ、このうち4つで異物いぶつを確認かくにんしました。

石井いしい主任しゅにんによりますと、いずれも白濁はくだく色しょくのワクチンの中なかに、1ミリ以下いかの黒くろい微粒子びりゅうしが1つずつ、容器ようきの底そこの縁えんについていて、外そとから触さわってもとれず、薬液やくえきを動うごかすとふわふわと浮ういたことから異物いぶつだと確信かくしんしたということです。

微粒子びりゅうしの形かたちはさまざまで、薄うすく平たいらべったいものや非常ひじょうに小ちいさい粒子りゅうし状じょうのものなどがあったということです。

県けんでは今月こんげつ20日にちにも別べつの薬剤師やくざいしが15の容器ようきで同様どうようの黒くろい微粒子びりゅうしの異物いぶつを確認かくにんしていたということです。

石井いしい主任しゅにんは「白濁はくだく色しょくのワクチンの中なかに、見みれば分わかる、1ミリ以下いかサイズの黒くろい微粒子びりゅうしが入はいっていた。容器ようきを振ふって薬液やくえきを動うごかすと、一緒いっしょに少すこし動うごくものだったので、異物いぶつとして入はいっているものと確認かくにんした。引き続ひきつづき十分じゅうぶん確認かくにんしていきたい」と話はなしていました。

県けんワクチンチームの平岩ひらいわ亮司りょうじ統括とうかつ参事さんじは「事前じぜんに見みつかったのはよかったが、こんなに入はいっていることは想定そうていしていなかった。モデルナワクチンの信頼しんらい性せいに関かかわる部分ぶぶんで、メーカーや厚あつ労ろう省しょうは早はやく原因げんいん究明きゅうめいをしてこういうことのないようにしてほしい」と話はなしていました。