日本新聞: 米旅客機、急降下による緊急着陸で15名が搬送――飛行制御系統の不具合をめぐり当局が本格調査へ

米べい格安かくやす航空会社こうくうがいしゃジェットブルーが運航うんこうする旅客機りょかくきが、米べいフロリダ州しゅうタンパ国際空港こくさいくうこうにおいて急降下きゅうこうかの末すえ、緊急着陸きんきゅうちゃくりくを余儀よぎなくされた事案じあんに関かんし、子こどもを含ふくむ少すくなくとも15名めいが病院びょういんに搬送はんそうされたことが明あきらかとなった。これを受うけ、連邦航空局れんぽうこうくうきょく（FAA）は本件ほんけんについて本格的ほんかくてきな調査ちょうさを開始かいししている。

ジェットブルーによれば、同社どうしゃの1230便びんは10月がつ30日にち、メキシコのカンクンから米べいニュージャージー州しゅうニューアークへ向むかっていたが、飛行中ひこうちゅうに高度こうどの急激きゅうげきな低下ていかを経験けいけんしたという。その際さい、操縦士そうじゅうしはただちに医療支援いりょうしえんを要請ようせいし、午後ごご2時じごろにタンパ国際空港こくさいくうこうへ緊急着陸きんきゅうちゃくりくした。航空情報こうくうじょうほうサイト「フライトレーダー24」のデータを参照さんしょうすると、午後ごご1時じ48分ふんごろ、機体きたいは約やく7秒間びょうかんでおよそ100フィート（約やく30メートル）降下こうかし、その後のちは比較的ひかくてき安定あんていした降下こうかを続つづけたことが分わかっている。着陸時ちゃくりくじには救急隊きゅうきゅうたいが待機たいきしており、迅速じんそくな対応たいおうがなされた。

FAAは、今回こんかいの事案じあんがエアバスA320型機がたきの飛行制御ひこうせいぎょシステムに起因きいんする可能性かのうせいがあるとして、同機どうきの飛行制御ひこうせいぎょに関かんする詳細しょうさいな調査ちょうさを進すすめている。操縦士そうじゅうしも当時とうじ、航空管制官こうくうかんせいかんに対たいし飛行制御ひこうせいぎょの不具合ふぐあいを報告ほうこくしていたことが、航空管制こうくうかんせい傍受ぼうじゅサイト「LiveATCnet」の音声記録おんせいきろくから判明はんめいしている。また、米国家運輸安全委員会べいこっかうんゆあんぜんいいんかい（NTSB）も事案じあんを把握はあくしているものの、現時点げんじてんでは正式せいしきな調査ちょうさには至いたっていないと発表はっぴょうした。

今年ことしに入はいってから、米国内べいこくないでは空中くうちゅうでの衝突しょうとつや滑走路かっそうろへの侵入しんにゅう、乱気流らんきりゅうによる事故じこなど、航空便こうくうびんに関かんする混乱こんらんが相次あいついでいる。加くわえて、政府機関せいふきかんの一部いちぶ閉鎖へいさの影響えいきょうにより航空管制官こうくうかんせいかんの人員不足じんいんぶそくが深刻化しんこくかしていることも、航空安全上こうくうあんぜんじょうの課題かだいとして指摘してきされている。

今回こんかいの緊急着陸きんきゅうちゃくりく直前ちょくぜんには、フロリダ州しゅうを強つよい寒冷前線かんれいぜんせんが通過つうかしており、突風とっぷうや小雨こさめといった悪天候あくてんこうが観測かんそくされていたが、これらの気象条件きしょうじょうけんが急降下きゅうこうかの直接的ちょくせつてきな原因げんいんとなったかどうかは、現段階げんだんかいでは明あきらかになっていない。

エアバスA320型機がたきの飛行制御ひこうせいぎょシステム、いわゆる「フライ・バイ・ワイヤ」方式ほうしきに関かんする不具合ふぐあいは過去かこにも報告例ほうこくれいがあるものの、今回こんかいの事案じあんとの関連性かんれんせいについては今後こんごの調査ちょうさが待またれる。ジェットブルーは、当該機体とうがいきたいを運航うんこうから外はずし、原因究明げんいんきゅうめいのため徹底てっていした点検てんけんを実施じっしする方針ほうしんを示しめしている。

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