また、去年のハリケーンで大きな被害を受けた被災地を訪れ、バイデン前政権の対応を非難するとともに、生活再建などの対応にあたるFEMA=連邦緊急事態管理庁について「動きが遅い」などとして、廃止または抜本的な組織の改編を進める考えを示しました。
トランプ政権をめぐる最新の動き(日本時間25日)をまとめました。
トランプ氏 海外で中絶支援の団体への資金援助禁止を復活方針
アメリカの首都ワシントンでは24日、人工妊娠中絶に反対する団体が大規模な集会を開き、アメリカメディアによりますと全米から数千人の参加者が参加しました。
集会には、中絶に反対するキリスト教福音派などを支持基盤としてきたトランプ大統領がビデオメッセージを寄せ、「私の2期目では再び家族のため、生命のために誇りを持って立ち上がる」と述べて参加者たちへの連帯を示しました。
このあと、ホワイトハウスは、海外で人工妊娠中絶を支援する団体に、アメリカ政府が資金援助することを禁じる措置をトランプ大統領が復活させる方針だと発表しました。
この措置は、1984年に共和党のレーガン元大統領が初めて発表したもので、歴代の共和党政権が支持してきましたが、民主党は反対の立場で、政権交代するたびに撤回と復活を繰り返してきました。
中絶の権利の擁護を掲げてきたバイデン前政権でも撤回されましたが、トランプ大統領が2期目の就任直後に再び覆した形です。
トランプ政権 グアテマラへ犯罪歴のある不法移民を強制送還
トランプ政権は23日、犯罪歴のある不法移民数百人を軍用機で強制送還したと発表していて、アメリカの国防当局者は24日、NHKの取材に対し、送還のため軍用機2機が中米のグアテマラに向かったと明らかにしました。
AP通信はグアテマラの当局者の話としてグアテマラ人を乗せた軍用機が到着したと伝えています。
また、ホワイトハウスのレビット報道官は24日、軍用機に乗り込む男性らの写真とともに「送還のためのフライトが始まった。トランプ大統領は、『違法にアメリカに入れば、厳しい結果に直面する』という強く、明確なメッセージを送っている」とSNSに投稿しました。
トランプ政権は国境管理の強化を最優先事項にあげていて犯罪歴のある不法移民の強制送還のほか、メキシコとの国境地域に軍の部隊を増派するなど、就任直後から具体的な行動に乗り出しています。
トランプ大統領 “カナダはアメリカの51番目の州に”
トランプ大統領は訪問先の南部ノースカロライナ州で24日、記者団に対し、「われわれはカナダとのあいだで毎年2000億ドルを失っている。カナダで自動車を製造し、木材を売ることを許しているからだ」と述べ、カナダがアメリカに巨額の貿易赤字をもたらしていると批判しました。
また、カナダのトルドー首相と会談した際のやりとりについてトランプ大統領は「『もしアメリカがカナダを補助しなければどうなると思うか』と尋ねると、彼は『国が破綻してしまうだろう』と答えた。『それならば、アメリカの1つの州になるべきだ』と言ったのだ」と明らかにしました。
そのうえで、「カナダがアメリカの51番目の州になるのを見てみたい。そうなればカナダの市民は相当な減税措置を受けられる。軍のことを心配する必要もなくなる。カナダの市民はそれを望むはずだ」と述べ、カナダがアメリカの一部になれば多くの恩恵を受けられると主張しました。
トランプ大統領は、犯罪や薬物の流入を理由に来月1日からカナダやメキシコからの輸入品に25%の関税を課す考えを示していますが、今回は貿易赤字を理由に圧力をかけた形です。
“FEMA 廃止または抜本的組織改編へ大統領令に署名”
トランプ大統領は24日、去年9月のハリケーンで被害を受けた南部ノースカロライナ州を訪れ、バイデン前政権の被災地の復旧に向けた対応について、「ひどい仕事だった」と非難しました。
また、災害時の支援の調整や生活再建などの対応にあたるFEMA=連邦緊急事態管理庁について「がっかりしている。ばく大な資金を使っているが、非常に官僚的で動きが遅い」と述べて、今後、廃止、または抜本的な組織改編を進めるための大統領令に署名すると明らかにしました。
災害時の対応は、連邦政府のもとにあるFEMAではなく、各州に委ねるべきだとしています。
トランプ大統領は、連邦政府の官僚機構が非効率で機能していないと非難していて、組織改編や大幅な人員削減を進める考えを示しています。