
県は高さ10メートル、長さ43メートルの砂防えん堤を建設して対策をとっていました。
静岡県によりますと、少なくとも5万立方メートルの盛り土が流れ出たと推定されています。
県は盛り土の影響などで想定を超える土砂が出て、えん堤を乗り越えたとみられるとしています。
調査を行ったのは3年前の西日本豪雨で現地調査団の団長を務めた、山口大学大学院の山本晴彦教授です。
そのうえで傾斜が12度でほぼ一定した斜面であることや火山灰などからできた軽くて流れやすい「黒ボク土」が多く含まれたため、土石流となったのではないかと分析していました。
山本教授は「上流にある砂防えん堤をはるかに超える量の土砂が流れ出て家を押し流している。こういう土砂災害の危険がある場所は全国にある。住民の方には事前に自分が住んでいる土地の特徴を把握して、とにかく災害が起きる前に逃げてほしい」と話していました。
崩れた土砂の半分ほどを占めると推定される量が流れ出ました。 盛り土と土石流の関係はどうだったのか。 業者から土の運び込みなどの届け出を受けていた熱海市は「土石流と盛り土との因果関係については今後専門家に検討してもらう必要がある」としています。 国土交通省によりますと、熱海市伊豆山で起きた今回の土石流で上流側の崩れた盛り土については平成19年に熱海市に対して、神奈川県小田原市の業者から「静岡県土採取等規制条例」に基づいて土を運び込むための届け出が出されていたということです。 また、この業者は森林法に基づく伐採も届け出ていて、この場所の木を伐採したあと、別の場所から土砂を運び込んでいたということです。
崩れた場所については傾斜で段になった畑だと認識していたものの、盛り土があることや崩れる危険性については認識していなかったということです。 購入したいきさつについて河合弁護士は「男性は資産家で不動産の購入を持ちかけられると、使いみちが決まっていなくてもいい値段だと思ったら買っていた。今回の崩れた場所も買ってどうするかは決めていなかった。購入を持ちかけた人物とは連絡が取れないようだ」と説明しています。
今後、少ない雨でも再び災害が起きるおそれがあり、土砂災害に厳重な警戒が必要です。
具体的には逢初川の上流部で崩れた盛り土について、そのさらに上部にはいまも不安定な土砂が残っていることから、被害が拡大するおそれがあるとして、地滑りなどを感知するセンサーを設置し、土砂の状況を24時間、監視しています。 これに加えて今後の雨にも備え、7日、専門家も交えた委員会を立ちあげ対策を進めることにしています。 対策は1か月以内にまとめる方針で、専門家の意見をもとに川の下流にブロックをおいて土砂をせきとめることなどを検討するということです。
専門家“軽くて流れやすい「黒ボク土」が多く含まれる”
現場では…
熱海市長「盛り土との因果関係 検証してもらう」
住民が“目撃”
“所有者は盛り土や崩れる危険性 認識せず”代理人の弁護士
土砂災害に引き続き厳重警戒
県は土砂の状況を24時間体制で監視