日本新聞: ロシア極東知事逮捕への抗議拡大プーチン政権への不満背景か

ロシア極東きょくとう知事ちじ逮捕たいほへの抗議こうぎ拡大かくだいプーチン政権せいけんへの不満ふまん背景はいけいか

Jul 18, 2020 22:07

Furigana

ロシア極東きょくとうのハバロフスク地方ちほうで続つづいている、プーチン政権せいけんと距離きょりを置おく知事ちじの逮捕たいほに対にたいする抗議こうぎ活動かつどうが極東きょくとうやシベリア各地かくちに広ひろがり、強権きょうけん的てきな長期ちょうき政権せいけんへの不満ふまんが地方ちほうで高たかまっていることをうかがわせる事態じたいとなっています。ロシア極東きょくとうのハバロフスク地方ちほうでは、野党やとう所属しょぞくでプーチン政権せいけんと距離きょりを置おくフルガル知事ちじが、15年ねん以上いじょう前まえに起おきた殺人さつじん事件じけんなどに関与かんよした疑うたがいで今月こんげつ逮捕たいほされました。

知事ちじは容疑ようぎを否認ひにんし、支援しえん者しゃや野党やとう勢力せいりょくは逮捕たいほは不当ふとうだとして連日れんじつ抗議こうぎ活動かつどうが続つづいていて、ハバロフスクでは18日にちも抗議こうぎデモが行おこなわれ、地元じもとメディアによりますと、およそ2万まん人にんが参加さんかしました。

極東きょくとうの中心ちゅうしん都市としウラジオストクでも抗議こうぎ集会しゅうかいが行おこなわれ、知事ちじの解放かいほうやプーチン大統領だいとうりょうの辞任じにんを訴うったえるなど抗議こうぎ活動かつどうは極東きょくとうやシベリア各地かくちに広ひろがり、強権きょうけん的てきな長期ちょうき政権せいけんへの不満ふまんが地方ちほうで高たかまっていることをうかがわせる事態じたいとなっています。

参加さんかした女性じょせいは「森もりも魚さかなも金きんもすべてモスクワが奪うばっていく。このひどい状況じょうきょうをとめる時ときが来きた」と話はなしていました。

治安ちあん当局とうきょくは取締とりしまりや警戒けいかいを強つよめていて、ウラジオストクでは2人にんが拘束こうそくされたほか、ＳＮＳ上じょうでは抗議こうぎ集会しゅうかいの情報じょうほうの書き込かきこみが削除さくじょされる事態じたいも相次あいついでいるということで、プーチン政権せいけんへの不満ふまんがこれ以上いじょう高たかまらないよう神経しんけいをとがらせているとみられます。

政府せいふ高官こうかん「地方ちほう発はつ政治せいじの主導しゅどう権けんを認みとめない」

ロシア極東きょくとうのハバロフスク地方ちほうのフルガル知事ちじが逮捕たいほされたことに関連かんれんして、ロシア政府せいふの高官こうかんはＮＨＫえぬえいちけいに対にたいし「今回こんかいの件けんは知事ちじがいかに市民しみんの支持しじを集あつめているとしても、中央ちゅうおうとしては地方ちほう発はつの政治せいじの主導しゅどう権けんを認みとめるつもりはないことを示しめすシグナルだ」と述のべました。

今月こんげつ1日にちに行おこなわれたプーチン大統領だいとうりょうの続投ぞくとうを可能かのうにする内容ないようなどが盛り込もりこまれた憲法けんぽう改正かいせいの全国ぜんこく投票とうひょうではロシア全体ぜんたいの78％が賛成さんせいしましたが、ハバロフスク地方ちほうでは62％にとどまり、プーチン政権せいけんとしては反発はんぱつが強つよまるこの地域ちいきに対にたいして十じゅう分ふん監督かんとくできていない事態じたいを重おもく受け止うけとめたとみられます。

極東きょくとうの大統領だいとうりょう全権ぜんけん代表だいひょうを務つとめるトルトネフ副ふく首相しゅしょうは17日にち「この案件あんけんは大統領だいとうりょうが対応たいおうするが、捜査そうさ状況じょうきょうも踏ふまえて決定けっていがなされるだろう」と述のべ、プーチン大統領だいとうりょうがフルガル知事ちじの職務しょくむ代行だいこう者しゃを近ちかく決定けっていするという見通みとおしを示しめしました。