「徴用ちょうよう」韓国かんこく裁判所さいばんしょ 資産しさん売却ばいきゃくに向むけ手続てつづきへ 日本にっぽんは対抗たいこう措置そちも

これについて日本にっぽん政府せいふは、日にち韓かん請求せいきゅう権けん協定きょうていに基もとづき解決かいけつ済ずみだとして、国際こくさい法ほう違反いはんの状態じょうたいを是正ぜせいするよう韓国かんこく政府せいふに求もとめていて、日本にっぽん製鉄せいてつも賠償ばいしょうに応おうじていません。

こうした中なか、韓国かんこくの裁判所さいばんしょは、原告げんこく側がわの申し立もうしたてを受うけて、ことし6月つき、韓国かんこく国内こくないにある日本にっぽん製鉄せいてつの資産しさんとして、韓国かんこくの鉄鋼てっこう大手おおてとの合弁ごうべん会社かいしゃの株式かぶしきの差し押さしおさえを命めいじた決定けってい書しょなどをホームページに公開こうかいする「公示こうじ送達そうたつ」の手続てつづきをとりました。

そして、2か月かげつ後ごの4日にち午前ごぜん0時じをもって日本にっぽん製鉄せいてつ側がわに書類しょるいが届とどいたとみなし、「公示こうじ送達そうたつ」の効力こうりょくが発生はっせいしました。

日本にっぽん製鉄せいてつ側がわは今後こんご、即時そくじ抗告こうこくを行おこなうとしています。

これから資産しさんの売却ばいきゃくに向むけた手続てつづきに本格ほんかく的てきに入はいる見通みとおしですが、韓国かんこくの複数ふくすうの主要しゅようメディアは、資産しさんの鑑定かんていなどで少すくなくとも数すうか月かげつはかかるという見方みかたを伝つたえています。

韓国かんこく政府せいふが司法しほう判断はんだんを尊重そんちょうするとの立場たちばを変かえていない中なか、この先さき、裁判所さいばんしょが資産しさんの売却ばいきゃくを命めいじて現金げんきん化かが行おこなわれた場合ばあい、日本にっぽん政府せいふは対抗たいこう措置そちをとることも検討けんとうしていて日にち韓かん関係かんけいのさらなる悪化あっかが懸念けねんされています。

差し押さしおさえを求もとめた資産しさんとは

今回こんかいの裁判さいばんで原告げんこく側がわが差し押さしおさえを求もとめたのは、日本にっぽん製鉄せいてつと韓国かんこくの鉄鋼てっこう大手おおて「ポスコ」が、2008年ねんに設立せつりつした合弁ごうべん会社かいしゃ「ＰＮＲ」の株式かぶしきです。

日本にっぽん製鉄せいてつが所有しょゆうしている株式かぶしきは、全体ぜんたいの3割わりで、原告げんこく側がわによりますと、差し押さしおさえの対象たいしょうは、このうちのおよそ8万まん1000株かぶ、額面がくめん価格かかくで4億おくウォン余あまり、日本にっぽん円えんにしておよそ3600万まん円えん相当そうとうだということです。

「ＰＮＲ」の本社ほんしゃは、韓国かんこく南部なんぶポハン（浦項ほこう）にある「ポスコ」の本社ほんしゃ工場こうじょうの敷地しきち内ないにあり、工場こうじょうから出でる廃棄はいき物ぶつをリサイクルして鉄てつを生産せいさんする事業じぎょうを行おこなっています。

韓国かんこくの通信つうしん社しゃ、連合れんごうニュースは、「ＰＮＲ」について、従業じゅうぎょう員いんが70人にん余あまりで、年間ねんかんの売り上うりあげは日本にっぽん円えんでおよそ33億おく円えんだと伝つたえています。

日本にっぽん製鉄せいてつ「即時そくじ抗告こうこく行いっていく」

大手おおて鉄鋼てっこうメーカーの日本にっぽん製鉄せいてつは、「徴用ちょうようをめぐる問題もんだいは、国家こっか間かんの正式せいしきな合意ごういである日にち韓かん請求せいきゅう権けん協定きょうていにより、『完全かんぜんかつ最終さいしゅう的てきに解決かいけつされた』ものと理解りかいしている」としたうえで、「日にち韓かん両りょう政府せいふによる外交がいこう交渉こうしょうの状況じょうきょうなども踏ふまえ、今後こんご、資産しさんの差し押さしおさえに向むけた手続てつづきに対にたいしては、即時そくじ抗告こうこくを行おこなっていく」としています。

日本にっぽん政府せいふ 出方でかたを注視ちゅうし 対抗たいこう措置そちなどの検討けんとうを本格ほんかく化かさせる方針ほうしん

自民党じみんとうの議員ぎいんグループは3日にち、資産しさんが売却ばいきゃくされ現金げんきん化かされた場合ばあいには、直ただちに韓国かんこく政府せいふに実効じっこう性せいの高たかい制裁せいさいを科かすよう求もとめる決議けつぎをまとめました。

日本にっぽん政府せいふは、一連いちれんの手続てつづきは明確めいかくな国際こくさい法ほう違反いはんで、資産しさんが売却ばいきゃくされれば、両国りょうこく関係かんけいが深刻しんこくな状況じょうきょうに陥おちいりかねないとして、韓国かんこく政府せいふに対にたいし、早期そうきに解決かいけつ策さくを示しめすよう繰り返くりかえし求もとめています。

そして、今回こんかい、まずは韓国かんこく側がわの出方でかたを注視ちゅうしすることにしていて、資産しさんの売却ばいきゃくに備そなえ、具体ぐたい的てきな対抗たいこう措置そちや損害そんがい賠償ばいしょう請求せいきゅうなどの検討けんとうを本格ほんかく化かさせる方針ほうしんです。