일본어 뉴스: 先月の大雪愛媛の男性が透析後に帰宅途中積雪で動けず死亡

先月せんげつの大雪おおゆき愛媛えひめの男性だんせいが透析とうせき後ごに帰宅きたく途中とちゅう積雪せきせつで動うごけず死亡しぼう

Jan 24, 2023 15:01

Furigana

先月せんげつ、記録きろく的てきな大雪おおゆきが降ふった愛媛えひめ県けん久万くま高原たかはる町まちで死亡しぼうした男性だんせいが、人工じんこう透析とうせきを受うけるために松山まつやま市内しないの病院びょういんを訪おとずれたあと、車くるまで帰宅きたくする途中とちゅうに積雪せきせつで動うごけなくなり、亡なくなったことが警察けいさつ関係かんけい者しゃなどへの取材しゅざいで分わかりました。災害さいがい時じの医療いりょうに詳くわしい専門せんもん家かは「ふだん雪ゆきの少すくないところでは大雪おおゆきのリスクを意識いしきしづらく、情報じょうほうを共有きょうゆうし、再発さいはつ防止ぼうしにつなげてほしい」と指摘してきしています。

愛媛えひめ県けん久万くま高原たかはる町まちでは、先月せんげつ22日にちから23日にちにかけて記録きろく的てきな大雪おおゆきが降ふり、2人にんが死亡しぼうしました。

このうち、城山しろやま栄治えいじさん（69）は先月せんげつ23日にちの夜よる、雪ゆきの中なかで倒たおれているのが見みつかり、病院びょういんへ搬送はんそうされましたが、低てい体温たいおん症しょうで亡なくなりました。

その後そのごの警察けいさつ関係かんけい者しゃや遺族いぞくなどへの取材しゅざいで、城山しろやまさんは腎じん不全ふぜんを患わずらって人工じんこう透析とうせきを受うけていて、亡なくなった日ひは、透析とうせきを受うけるために松山まつやま市内しないの病院びょういんを訪おとずれたあと、車くるまで帰宅きたくする途中とちゅうに積雪せきせつで動うごけなくなっていたことが分わかりました。

NHKが城山しろやまさんの車くるまに取り付とりつけられていたドライブレコーダーの映像えいぞうを確認かくにんしたところ、久万くま高原たかはる町まちの中心ちゅうしん部ぶに入はいったあたりで周囲しゅういは真っ白まっしろになり、午後ごご4時半じはんごろ、自宅じたく近ちかくの道路どうろで車くるまが動うごかなくなったことが見て取みてとれます。

このあと城山しろやまさんは、車くるまを置おいて歩あるいて帰宅きたくしようとしたとみられ、午後ごご8時半じはんごろ、雪ゆきの中なかで倒たおれているのを通とおりかかった人ひとに発見はっけんされました。

災害さいがい時じの透析とうせき治療ちりょうに詳くわしい、日本にっぽん透析とうせき医い会かいの赤塚あかつか東ひがし司つかさ雄つよし医師いしは「人工じんこう透析とうせきを受うけている人ひとは治療ちりょうをきちんと継続けいぞくしないと命いのちにかかわるが、大雪おおゆきの中なか、1人にんで移動いどうするのは非常ひじょうに危険きけんでもある。ふだん雪ゆきの少すくないところでは大雪おおゆきのリスクに意識いしきが及およびづらいと思おもうが、同おなじようなことはどこでも起おきる可能かのう性せいがある。今回こんかいのケースについて行政ぎょうせいや医療いりょう関係かんけい者しゃの間まで情報じょうほうを共有きょうゆうし、再発さいはつ防止ぼうしにつなげてほしい」と指摘してきしています。

男性だんせいが亡なくなるまでの行動こうどうは

ドライブレコーダーの映像えいぞうなどから、城山しろやまさんが亡なくなるまでの行動こうどうが分わかってきました。

先月せんげつ23日にちの午前ごぜん8時じすぎ、松山まつやま市内しないの病院びょういんに到着とうちゃくし、車くるまを止とめます。

病院びょういんによりますと、城山しろやまさんは午後ごご1時じすぎに透析とうせきを終おえ、スタッフは「雪ゆきの影響えいきょうで道路どうろが通行止つうこうどめになっているが、大丈夫だいじょうぶか」などと気遣きづかうことばをかけたということです。

午後ごご2時じすぎ、城山しろやまさんは車くるまに乗り込のりこみ、自宅じたくのある久万くま高原たかはる町まちの方向ほうこうに向むかっていました。

ドライブレコーダーの映像えいぞうでは、松山まつやま市しの郊外こうがいについたころから徐々じょじょに雪ゆきが強つよまり、午後ごご4時じごろ、久万くま高原たかはる町まちの中心ちゅうしん部ぶに入はいったあたりで周囲しゅういが真っ白まっしろになります。

道路どうろには雪ゆきが積つもり、対向たいこう車しゃの姿すがたはほとんど見みられません。

そして午後ごご4時半じはんごろ、自宅じたくから1キロほどの道路どうろ上じょうで車くるまが動うごかなくなったとみられ、ドライブレコーダーの映像えいぞうはおよそ15分ふん後ごに途切とぎれます。

このあと城山しろやまさんは、車くるまを置おいて歩あるいて帰宅きたくしようとしたとみられます。

そして、午後ごご8時半じはんごろ、雪ゆきの中なかでうめき声うめきごえをあげて倒たおれているのを通とおりかかった人ひとに発見はっけんされました。

発見はっけんした男性だんせいは「すでに体からだが冷ひえ切きっていましたが、まだ息いきはあったので、体からだを抱き締だきしめたり、手てを握にぎったりして一生懸命いっしょうけんめい、体からだを温あたため、消防しょうぼうが来くるのを待まっていた」と当時とうじの状況じょうきょうを証言しょうげんしました。

消防しょうぼうによりますと、ふだんなら出動しゅつどうから10分ふんほどで病院びょういんに搬送はんそうできる距離きょりですが、この日ひは、雪ゆきの影響えいきょうで救急きゅうきゅう車しゃがなかなか進すすめず、およそ2時間じかんかかったということで、城山しろやまさんは午後ごご10時じ39分ふん、搬送はんそう先さきの病院びょういんで低てい体温たいおん症しょうで死亡しぼうしました。

親族しんぞくの男性だんせい「無理むりを承知しょうちで病院びょういんに無念むねん」

亡なくなった城山しろやまさんの親族しんぞくの男性だんせいによりますと、城山しろやまさんは長年ながねん、トラックの運転うんてん手しゅをしていて、15年ねんほど前まえに慢性まんせい腎じん不全ふぜんと診断しんだんされ、人工じんこう透析とうせきを受うけ始はじめたということです。

現在げんざいは1人にん暮くらしで、週しゅう3回かい、自分じぶんで車くるまを運転うんてんして松山まつやま市内しないの病院びょういんに通かよい、治療ちりょうを受うけていたということです。

親族しんぞくの男性だんせいは「大雪おおゆきの中なか、倒たおれていたと連絡れんらくがあったときは驚おどろきました。透析とうせきを受うけるために、無理むりを承知しょうちで病院びょういんに行いったんだと思おもいます。どれだけ寒さむい思おもいをしたかと思おもうと無念むねんです」と話はなしていました。

久万くま高原たかはる町まち人工じんこう透析とうせき患者かんじゃの対応たいおうを見直みなおし

今回こんかいのケースを受うけて、久万くま高原たかはる町まちでは人工じんこう透析とうせきを受うけている患者かんじゃを守まもるため、対応たいおうを見直みなおしました。

町内ちょうないには透析とうせきができる病院びょういんがないため、久万くま高原たかはる町まちは、事前じぜんに申し込もうしこんだ患者かんじゃについて、病院びょういんへの送迎そうげいバスを運行うんこうしています。

山内やまうち司郎しろうさん（80）は週しゅう3回かい、このバスを利用りようしていて、先月せんげつの大雪おおゆきの際さいもこのバスで松山まつやま市内しないの病院びょういんに透析とうせきを受うけに行いきました。

透析とうせきを終おえたあとには体調たいちょうが悪わるくなることもあるということで、山内やまうちさんは「送迎そうげいバスがあってとても助たすかっている」と話はなしています。

一方いっぽう、町内ちょうないに住すむ17人にんの透析とうせきの患者かんじゃのうち、城山しろやまさんを含ふくむ9人にんは、ふだんバスを利用りようせず、自分じぶんで車くるまを運転うんてんして通院つういんしていて、これまでは積極せっきょく的てきに連絡れんらくをとることはなかったということです。

今回こんかいのケースを受うけて、町まちは、大雪おおゆきなどが想定そうていされる場合ばあいは、自分じぶんで車くるまを運転うんてんして通院つういんする人ひとに対にたいし、病院びょういん近ちかくでの宿泊しゅくはくを呼よびかけたり、町まちが車くるまで先導せんどうしたりする対応たいおうを取とることを決きめたということです。

久万くま高原たかはる町まち保健ほけん福祉ふくし課かの西森にしもり建次けんじ課長かちょうは「今後こんごは自家用車じかようしゃで通院つういんする透析とうせき患者かんじゃについても、積雪せきせつや通行止つうこうどめの状況じょうきょうを共有きょうゆうするなど、対応たいおうを取とっていきたい」と話はなしていました。