昔、伊豆の三浜という村に、働き者の貧しい男がいました。
从前,在伊豆地区的美滨村里,有一位贫穷但勤劳的男子。
男は毎日一生けん命に畑を耕しましたが、何もとれませんでした。
ある夜、男は夢を見ました。
夢の中で、広い荒れ地に白い馬がいて、金色の粟の穂を食べていました。
有一天晚上,他梦见在广阔的荒野上,一匹白马正在吃着黄色的黍花。
朝になって、男は夢の場所が蛇野が原だと気づきました。
第二天早上,他意识到梦中的那个地方就是蛇之原的原野。
次の日、男は蛇野が原に行きました。
そこには本当に白い馬がいて、金色の粟の穂をくわえていました。
男は「これは神様のおしえだ」と思い、荒れ地を一生けん命に耕して、粟の穂を植えました。
他心想“这是神的指引”,于是全力开垦荒地,播下了黍子的种子。
秋になると、たくさんの粟ができて、男はお金持ちになりました。
人々は男を「粟の長者」と呼びました。
何年かたって、村にききんがきました。
村人たちは食べ物がなくなり、長者に粟を分けてほしいとたのみました。
しかし、長者は「これはわしのものだ」と言って、村人を追い返しました。
但是,富翁却说:“这是我的东西。”并把村民们赶走了。
夜になると、ねずみがたくさん来て、長者の蔵の粟を全部食べてしまいました。
到了晚上,许多老鼠跑来,把富翁仓库里的小米全都吃光了。
そして、ねずみたちは一つになって白い馬になり、空へ行ってしまいました。
長者は「神様が怒ったのだ」と気づきました。
それから男はまた百姓に戻り、畑を耕してまじめにくらしました。
从那以后,他又回到了农民的生活,勤奋地耕种田地,诚实地生活着。