ある農家にお爺さんとお婆さん、そして馬が一頭いた
この馬を狙って泥棒が忍び込み、梁の上に隠れた
同じ時に、狼も馬を狙って家に入り込んだ
お婆さんは幼い子どもを寝かしつけようと話をしている
子どもが泥棒より狼より怖いものは何?と訪ねるので、お婆さんはふるやのもりだと答える
ふるやのもりとは古い家の雨漏りのことだが、そのことを知らない狼も泥棒もびっくりする
やがて雨が降ってきて、天井から雨漏りしてきた
お婆さんが「ふるやのもりが来た」というと、泥棒は驚いて梁から狼の上に落ちる
狼はふるやのもりが自分の上に落ちてきたと勘違い、また泥棒も狼をふるやのもりと勘違いする
狼は山中を走り回り、泥棒は木の枝を見つけて飛び移った
ちょうどその木に穴が開いていたので、しばらくそこに隠れることにした
ところが、穴が深かったため泥棒は穴の底に落ちてしまった
一方狼は仲間の動物たちに恐ろしい目に遭ったことを話すと、そんなおそろしいやつがこの辺をうろつかれてはたまらんと、泥棒が飛び移った木を確かめにやってきた
木に開いた穴が怪しいので、猿が長いしっぽを垂らすと、中にいた泥棒は木の蔓と間違えてよじ登ろうとした
驚いた猿は、捕まったらふるやのもりに食べられてしまうと思い、必死に踏ん張ったら、しっぽが切れて、前のめりに倒れ、顔をすりむいてしまった
それ以来、猿のしっぽは短く、顔も赤いという