日本新聞: 総工費1550億円のジョージ・ルーカス美術館、2026年ロサンゼルスに開館決定――物語芸術と映画遺産の新たな拠点

「スター・ウォーズ」や「インディ・ジョーンズ」といった世界的せかいてきな映画えいがシリーズを手掛てがけた著名ちょめいな映画監督えいがかんとくジョージ・ルーカス氏しが設立せつりつを主導しゅどうした「ルーカス・ミュージアム・オブ・ナラティブ・アート」が、2026年ねん9月がつ22日にちにロサンゼルスで一般公開いっぱんこうかいされることとなった。同館かんは、数千点すうせんてんに及およぶ著名ちょめいな美術作品びじゅつさくひんに加くわえ、ルーカス氏しの映画制作えいがせいさくの軌跡きせきを示しめすアーカイブ資料しりょうを収蔵しゅうぞうする予定よていであり、物語芸術ものがたりげいじゅつの新あらたな拠点きょてんとして高たかい注目ちゅうもくを集あつめている。

美術館びじゅつかんの総事業費そうじぎょうひは10億おくドル（約やく1550億円おくえん）に上のぼり、その資金しきんは全額ぜんがくルーカス氏し自身じしんによって拠出きょしゅつされたという。『ロサンゼルス・タイムズ』によれば、この費用ひようには建設費用けんせつひようのみならず、ルーカス氏しの膨大ぼうだいなアートコレクション、さらには少すくなくとも4億おくドル（約やく619億円おくえん）に及およぶ基金ききんも含ふくまれている。美術館びじゅつかんの構想こうそうが最初さいしょに発表はっぴょうされてから10年以上いじょうの歳月さいげつを経へて、ついに開館かいかんが実現じつげんする運はこびとなった。

館内かんないは延のべ30万まん平方フィートへいほうフィート（約やく2万まん7870平方メートルへいほうメートル）もの規模きぼを誇ほこり、常設じょうせつコレクションには4万点まんてんを超こえる作品さくひんが収蔵しゅうぞうされる予定よていである。ノーマン・ロックウェル、フリーダ・カーロ、ビアトリクス・ポターといった著名ちょめい作家さっかの作品さくひんも含ふくまれることがプレスリリースで明あきらかにされている。さらに、ルーカス氏しが手てがけた映画えいがからの衣装いしょうや小道具こどうぐ、コンセプトアートなども展示てんじされる予定よていだが、具体的ぐたいてきな展示作品てんじさくひんの詳細しょうさいについては現時点げんじてんでは明示めいじされていない。

施設内しせつないには35のギャラリー、2つのシアター、図書館としょかん、レストラン、物販店ぶっぱんてん、そしてロサンゼルスのエクスポジション・パーク内ないの広大こうだいな緑地りょくちが設もうけられる予定よていである。建築けんちくデザインは未来的みらいてきかつ革新的かくしんてきであり、しばしば宇宙船うちゅうせんに例たとえられる。その意匠いしょうについて、建築家けんちくかクシュ・パレク氏しは「神話しんわや映画えいがの風景ふうけいに着想ちゃくそうを得えたものであり、来館者らいかんしゃを宇宙うちゅうへの旅たびへと誘いざなうものだ」と述のべている。

ルーカス氏しは当初とうしょ、2013年ねんにサンフランシスコでの美術館びじゅつかん建設けんせつを計画けいかくしたものの、最終的さいしゅうてきにPresidio Trustによって却下きゃっかされた。その後ご、シカゴを候補地こうほちとし、妻つまであるメロディ・ホブソン氏しの支援しえんを得えて計画けいかくを進すすめたが、保存団体ほぞんだんたいの法的ほうてきな反対はんたいにより断念だんねんを余儀よぎなくされた。こうした経緯けいいを経へて、最終的さいしゅうてきに2017年ねんにロサンゼルスでの建設けんせつが決定けっていされ、2018年ねんに着工ちゃっこうした。しかし、COVID-19パンデミックによる工事こうじ中断ちゅうだんやサプライチェーンの混乱こんらんなど、度重たびかさなる困難こんなんに直面ちょくめんしつつも、開館かいかんに向むけて準備じゅんびが進すすめられてきた。

このプロジェクトが実現じつげんするにあたり、当時とうじのロサンゼルス市長しちょうエリック・ガルセッティ氏しも積極的せっきょくてきに関与かんよし、地域社会ちいきしゃかいへの貢献こうけんや雇用創出こようそうしゅつの観点かんてんからその意義いぎを強調きょうちょうした。ガルセッティ氏しは「世界中せかいじゅうから人々ひとびとが訪おとずれ、オリジナルのダース・ベイダーのマスクますくやノーマン・ロックウェルの絵画かいがを見みることになる」と述のべている。

なお、フォーブス誌しの推計すいけいによれば、ルーカス氏しの資産しさんは54億おくドル（約やく8340億円おくえん）とされ、世界せかいで有数ゆうすうの富豪ふごうである。彼かれは2012年ねんに自身じしんの制作会社せいさくがいしゃルーカスフィルムをディズニーに売却ばいきゃくし、その後ごも映画界えいがかいにおける影響力えいきょうりょくを保たもち続つづけている。2025年ねんのフォーブス「世界せかいで最もっとも裕福ゆうふくなセレブ」ランキングでは2位いとなったが、2024年ねん版では首位しゅいに輝かがやいている。

総工費そうこうひ1550億円おくえんのジョージ・ルーカス美術館びじゅつかん、2026年ねんロサンゼルスに開館かいかん決定けってい――物語ものがたり芸術げいじゅつと映画えいが遺産いさんの新あらたな拠点きょてん

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