コロナで企業きぎょうの休廃業きゅうはいぎょうが増加ぞうか 事業じぎょう続つづける意欲いよく失うしなう経営けいえい者しゃも

このペースが続つづくと年間ねんかんで5万まん3000社しゃを超こえ、過去かこ最多さいただったおととしの4万まん6700社しゃ余あまりを大幅おおはばに上回うわまわる可能かのう性せいがあるとしています。

内訳うちわけは、旅行りょこうや飲食いんしょくなどのサービス業ぎょうが1万まん1100社しゃ余あまりで最もっとも多おおく、建設けんせつ業ぎょうが6300社しゃ余あまり、小売こうり業ぎょうが4500社しゃ余あまり、製造せいぞう業ぎょうが3800社しゃ余あまりなどとなっています。

信用しんよう調査ちょうさ会社かいしゃでは、政府せいふの資金繰しきんぐり支援しえん策さくなどで当面とうめんは乗り切のりきれたとしても、影響えいきょうが長期ちょうき化かすれば経営けいえいの改善かいぜんが見込みこめないとして事業じぎょうを続つづける意欲いよくを失うしなう経営けいえい者しゃが多おおいのではないかと分析ぶんせきしています。

東京商工リサーチとうきょうしょうこうりさ-ち情報じょうほう部ぶの原田はらだ三さん寛ひろし部長ぶちょうは「新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだい前まえから社長しゃちょうの高齢こうれい化かや担い手にないて不足ふそくなどで企業きぎょうの休廃業きゅうはいぎょうや解散かいさんの件数けんすうは高こう止とまりする傾向けいこうにあった。そこに新型しんがたコロナの影響えいきょうが加くわわって資金繰しきんぐりに窮きゅうするところが出でてきた」と分析ぶんせきしています。

そのうえで「今いまの資金繰しきんぐり支援しえん策さくはあくまで企業きぎょうを潰つぶさないためのものにすぎず、未来みらいまで担保たんぽしてくれるものではない。この先さきも会社かいしゃが存続そんぞくするよう、業態ぎょうたいを転換てんかんするための資金しきんを助成じょせいしたり、いわゆる『事業じぎょう承継しょうけい』を後押あとおししたりする取り組とりくみが必要ひつようだ」と指摘してきしています。

店みせ閉しめた中国ちゅうごく料理りょうり店てん オフィス街がいの客足きゃくあし戻もどらず

東京とうきょう・銀座ぎんざで中国ちゅうごく料理りょうり店てんを営いとなんでいた冨澤とみざわ直志ただしさん（70）は、40年ねん続つづけてきた店みせを先月せんげつ19日にちに閉とじました。

3人にんの従業じゅうぎょう員いんとともに店みせを切り盛きりもりしていましたが、4月つきの緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんで客きゃくが激減げきげんし、1日にちに20万まん円えん以上いじょうあった売り上うりあげは3割わりほどまで落ち込おちこみました。

オフィス街がいにあるこの店みせは、良心りょうしん的てきな価格かかくでおなかいっぱい食たべられると周辺しゅうへんの会社かいしゃ員いんに親したしまれてきましたが、緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんが解除かいじょされてからもテレワークの導入どうにゅうなどで客足きゃくあしは戻もどらず、9月つきに入はいっても売り上うりあげは例年れいねんの半分はんぶんほどにとどまっていたと言いうことです。

冨澤とみざわさんは去年きょねんから閉店へいてんを検討けんとうしてはいたものの、新型しんがたコロナウイルスによる打撃だげきが苦渋くじゅうの決断けつだんを後押あとおししました。

この日ひは1枚まいだけ残のこしておいた店みせの白衣はくいに袖そでを通とおし、ちゅう房ちゅうぼうの油あぶら汚よごれを丁寧ていねいに落おとしていました。

冨澤とみざわさんは店みせを今月こんげつ中ちゅうに明け渡あけわたしたうえで、いつかまた料理りょうり人じんとして働はたらきたいと考かんがえています。

冨澤とみざわさんは「自分じぶんで苦労くろうして築きずいた店みせをコロナの影響えいきょうで閉とじるのは悔くやしく、粘ねばりに粘ねばったが、もうだめだと思おもった。消費しょうひ税率ぜいりつの引き上ひきあげやキャッシュレス化かなど年々ねんねん環境かんきょうが厳きびしくなる中なか、時代じだいについていけなかった。小ちいさな店みせをまた営いとなみたいという思おもいはあるが、現実げんじつはうまくいかない。今こん商売しょうばいするのは難むずかしいとつくづく感かんじる」と話はなしていました。

業態ぎょうたい転換てんかんで再起さいきの人ひと 給付きゅうふ金きんの申請しんせいに苦労くろう

新型しんがたコロナウイルスによる影響えいきょうが長引ながびくと見みて、新あらたな業態ぎょうたいに移うつることで再建さいけんを図はかる人ひともいます。

東京とうきょう・足立あだち区くで定食ていしょくの店みせを営いとなんできた吉澤よしざわ万里子まりこさんもその1人にんです。

吉澤よしざわさんは新型しんがたコロナウイルスの感染かんせんが拡大かくだいする中なか、自分じぶんの店みせがきっかけで感染かんせん者しゃが出でるのを避さけたいと、3月つき以降いこう、店みせを休業きゅうぎょうしていました。

再開さいかいのタイミングを探さがしてきましたが、感染かんせんが落ち着おちつかず先行さきゆきが見みえないことから、先月せんげついっぱいで店みせを閉しめました。

しかし、飲食いんしょく業ぎょうを続つづけたいという思おもいは強つよく、店舗てんぽよりも維持いじ費ひがかからず感染かんせんの可能かのう性せいも低ひくそうなキッチンカーで持ち帰もちかえり弁当べんとうを販売はんばいする店みせを始はじめることを決きめました。

吉澤よしざわさんは店みせの休業きゅうぎょう期間きかん中ちゅうも毎月まいつき10万まん円えんの店みせの家賃やちんを払はらっていたうえ、キッチンカーのレンタルには3か月かげつで50万まん円えんが必要ひつようだということです。

費用ひようは国くにからの給付きゅうふ金きんなどを使つかってめどをつけたいとしていますが、インターネットを使つかった手続てつづきに不慣ふなれなことから、申請しんせいに苦労くろうしたと言いいます。

吉澤よしざわさんは、制度せいどを使つかいやすくするとともに、資金しきん面めんだけでなく事業じぎょうの継続けいぞくや業態ぎょうたい転換てんかんをどう進すすめたらいいのか、専門せんもん家かによる相談そうだんも充実じゅうじつさせてほしいと考かんがえています。

吉澤よしざわさんは「店みせは常連じょうれんさんも多おおく、毎日まいにち楽たのしく営業えいぎょうしていたので、閉しめるのは本当ほんとうに残念ざんねんでした。私わたしは何なんとか新あたらしい事業じぎょうを始はじめられそうですが、まだ苦くるしんでいる人ひとも多おおく、幅広はばひろい支援しえんが必要ひつようだと思おもいます」と話はなしていました。