相模原市の
知的障害者施設で
起きた
殺傷事件から
26日で
3か月、
殺人などの
疑いで
逮捕された
元職員の
男に対して
刑事責任を
調べるための
精神鑑定が
進められています。また、
事件が
起きた
施設では
今も
多くの
入所者が
生活していますが、
神奈川県は、
4年後を
目指して
施設を
建て替えることを
決め、
再生に
向けた
取り組みを
進めています。ことし
7月26日の
未明、
相模原市緑区の
知的障害者の
入所施設「
津久井やまゆり
園」で、
入所者が
刃物で
刺され
19人が
死亡、
27人が
重軽傷を
負いました。
殺人などの疑いで逮捕された施設の元職員、植松聖容疑者(26)は、障害者を冒とくする内容の供述を一貫して続けていて、現在、刑事責任について調べるための精神鑑定が進められています。鑑定は来年1月まで続く見通しで、検察は結果などを踏まえて起訴するかどうか判断することにしています。
一方、事件が起きた施設では今もおよそ60人の入所者が生活を続けていますが、神奈川県は、4年後の平成32年度中の完成を目指して施設を建て替えることを決めています。工事が完了するまでは別の県立の施設に移ってもらう予定で、県議会では建て替えに向けた費用の一部を盛り込んだ補正予算が成立し、施設の再生に向けた取り組みが進められています。
被害者の両親「早く心の傷克服を」
事件があった「津久井やまゆり園」に入所していた尾野一矢さん(43)は、のどや腹、それに手を刃物で刺され、一時、意識不明となる重傷を負いました。首や手には傷を縫った痕が今も残っています。
一矢さんは先月上旬に病院を退院し、現在は厚木市内の施設で生活していますが、25日散髪をするため「やまゆり園」を訪れ、施設内で両親と一緒に昼食をとりました。両親によりますと、一矢さんは事件で手に傷を負ったことや、慣れない環境での生活による精神的な影響からか、物をうまくつかむことができない状態になってしまったといいます。
両親が撮影した映像では、一矢さんは母親が作ったおにぎりや大好きなポテトサラダをおいしそうにほおばっていましたが、フォークや皿を持つ手に力が入らず、皿に顔を近づけて食べていました。また、歩くことも困難になり、昼食のあと車いすに乗って施設の周囲を散歩していました。
父親の尾野剛志さんは「息子が少しでも早く心の傷を克服できるよう願うしかありません」と話していました。母親のチキ子さんは「毎日、一矢のことを心配に思っています。早く以前のように元気になってほしいです」と涙ながらに話していました。