気象庁は、
9日、
全国の
活火山の
10月以降の
活動状況や
警戒すべき
点について
発表しました。
噴火が
発生したり、
火山活動が
高まったりして、
全国の
11の
火山に「
噴火警報」や「
火口周辺警報」が
発表されています。
今後の
噴火によって
火口周辺や
居住地域の
近くに
影響が
及ぶおそれがある「
火口周辺警報」が
発表されているのは、
群馬県の
草津白根山、
長野と
群馬の
県境にある
浅間山、
長野と
岐阜の
県境にある
御嶽山、
熊本県の
阿蘇山、
宮崎県と
鹿児島県にまたがる
霧島連山の
新燃岳、
鹿児島県の
桜島と
口永良部島、
諏訪之瀬島、それに
小笠原諸島の
西之島と
硫黄島の
合わせて
10の
火山です。
火口周辺警報は10火山
今後の噴火によって火口周辺や居住地域の近くに影響が及ぶおそれがある「火口周辺警報」が発表されているのは、群馬県の草津白根山、長野と群馬の県境にある浅間山、長野と岐阜の県境にある御嶽山、熊本県の阿蘇山、宮崎県と鹿児島県にまたがる霧島連山の新燃岳、鹿児島県の桜島と口永良部島、諏訪之瀬島、それに小笠原諸島の西之島と硫黄島の合わせて10の火山です。
噴火警戒レベル3は阿蘇山と桜島、口永良部島
このうち、入山規制などが必要とされる「噴火警戒レベル3」は、熊本県の阿蘇山と、鹿児島県の桜島、口永良部島に発表されています。
〈阿蘇山〉
熊本県の阿蘇山では、10月8日の未明に中岳第一火口で爆発的噴火が発生し、噴火警戒レベルがレベル2の「火口周辺規制」からレベル3の「入山規制」に引き上げられました。爆発的噴火のあと、火山性地震はやや多い状態が続き、噴火後少なくなっていた火山ガスの放出量は、11月1日の観測では1日当たり2600トンと、再び増加しています。気象庁は、今後も同じ程度の規模の噴火が起きるおそれがあるとして、中岳第一火口からおおむね2キロの範囲では大きな噴石や火砕流に警戒し、風下に当たる地域では火山灰や小さな噴石などにも注意するよう呼びかけています。
〈桜島〉
桜島では、昭和火口、南岳ともに9月以降は噴火は観測されていませんが、衛星を使った観測では、鹿児島湾奥部の姶良カルデラの地下にあるマグマだまりが膨張していると考えられる変化が続いていて、火山活動が再び活発化する可能性があります。去年1月ごろからは、膨張の速度がやや増大しているということで、気象庁は、昭和火口と南岳山頂火口からおおむね2キロの範囲では、大きな噴石や火砕流に警戒を呼びかけています。
〈口永良部島〉
口永良部島では、9月27日に振幅が小さく継続時間が30秒の火山性微動が観測されましたが、10月は観測されませんでした。一方、火山ガスの放出量は、おととし8月の噴火前よりやや多い状態が続いています。気象庁は、去年5月と同じ程度の噴火が発生する可能性は低くなっているとしたうえで、火口からおおむね2キロの範囲では、大きな噴石や火砕流に、向江浜地区などでは、火砕流に警戒するよう呼びかけています。
噴火警戒レベル2は5火山
火口周辺への立ち入りなどが規制される「噴火警戒レベル2」が発表されているのは、草津白根山、浅間山、御嶽山、霧島連山の新燃岳、諏訪之瀬島の5つの火山です。
〈浅間山〉
去年6月にごく小規模な噴火が発生した浅間山では、山頂火口直下のごく浅いところを震源とする火山性地震が多い状態が続き、10月は合わせて1681回発生しました。火山活動はやや活発な状態が続いていて、気象庁は、浅間山では今後も火口周辺に影響を及ぼす小規模な噴火が発生するおそれがあり、引き続き、山頂火口からおおむね2キロの範囲では噴火に伴う大きな噴石に警戒を呼びかけています。
〈御嶽山〉
御嶽山では、おととし10月中旬以降噴火は観測されていませんが、10月は10日に火山性微動が2回観測されました。地震の回数は、おととし9月の噴火前よりも多い状態が続き、火口からは噴気も出ていることから、気象庁は、今後も小規模な噴火が発生する可能性があり、引き続き、火口からおおむね1キロの範囲では噴火に伴う噴石に警戒を呼びかけています。
〈草津白根山〉
草津白根山では、湯釜火口周辺の斜面でふだんより地面の温度が高い状態が続き、引き続き噴気も確認されています。気象庁は、小規模な噴火が発生する可能性があり、引き続き、火口からおおむね1キロの範囲では噴火に伴う噴石に警戒を呼びかけています。
〈霧島連山の新燃岳〉
霧島連山の新燃岳では、火山性地震は時々発生した一方、地下深くのマグマだまりが膨張していることを示す地殻変動は、去年1月ごろから停滞しています。気象庁は、新燃岳では、火口周辺に影響を及ぼす小規模な噴火が発生する可能性があり、引き続き、火口からおおむね1キロの範囲では噴火に伴う大きな噴石に警戒を呼びかけています。
〈諏訪之瀬島〉
諏訪之瀬島の御岳火口では、10月は噴火が3回発生し、このうち6日の噴火では、噴煙が高さ1200メートルまで上がったことが確認されました。今後も火口周辺に影響を及ぼす噴火が発生すると予想され、気象庁は、引き続き、火口からおおむね1キロの範囲では大きな噴石に警戒を呼びかけています。
海底火山に「噴火警報」
小笠原諸島の近海にある海底火山の福徳岡ノ場には、周辺の海域で警戒が必要な「噴火警報」が発表されています。
警報なし レベル1の注意
全国の活火山の中には、警報が発表されておらず、噴火警戒レベルがレベル1の火山がありますが、過去に噴火を繰り返してきた活火山であることに変わりはなく、気象庁や自治体が発表する情報に注意が必要です。
〈秋田駒ヶ岳〉
秋田県と岩手県にまたがる秋田駒ヶ岳では、10月19日、火山性地震が合わせて14回観測されました。1日の地震回数が10回を超えたのは、ことし3月以来です。女岳の山頂付近では地面の温度が高い状態が続いていて、気象庁は火山活動の推移に注意を呼びかけています。
〈吾妻山〉
気象庁は、福島県と山形県にまたがる吾妻山について、10月18日、噴火警戒レベルをレベル2からレベル1に引き下げました。そのうえで、活火山であることを踏まえ、引き続き山に入る際には、火山ガスの噴出など火山活動の推移に注意を呼びかけています。
火山情報の確認を
各地の火山活動の状況や注意点などは、気象庁や各地の気象台、自治体のホームページなどで確認することができます。