アメリカ国防総省が
南シナ海で
アメリカ海軍の
無人の
潜水機を
中国軍の
艦艇に
奪われたとして
抗議したことについて、
中国国防省は
17日夜、コメントを
発表し、
潜水機をアメリカ
側に
返還する
意向を
示す
一方、
軍事目的の
測量を
停止するよう
要求し、アメリカ
側を
けん制しました。アメリカ
国防総省は
南シナ海で
15日、アメリカ
海軍の
海洋調査船が
調査に
使っていた
無人の
潜水機を
回収しようとしたところ、
中国軍の
艦艇に
奪われたとして
中国政府に
強く
抗議し、
潜水機の
即時返還を
求めました。
これについて中国国防省は17日夜、楊宇軍報道官のコメントを発表し、中国海軍の救難艦は正体不明の装置を見つけたため、航行の安全確保などのため調査したとしたうえで、「調査の結果、アメリカの無人の潜水機であったため、適切な方法でアメリカ側に返却することを決定した」と明らかにしました。
その一方、「アメリカ軍は長期にわたり、頻繁に艦艇や航空機を中国が関係する海域に派遣し、偵察や軍事目的の測量を行っている」と指摘し、「中国側はこれに断固反対し、停止するよう要求するとともに、アメリカ側の活動への警戒を続け、必要な措置をとっていく」と述べて、けん制しました。
中国軍はこのところ、南シナ海とその周辺で爆撃機を飛行させるなどの動きを見せており、アメリカのトランプ次期大統領が今月、台湾の蔡英文総統と異例の電話会談を行うなど、「1つの中国」の原則を掲げる中国にとって容認しがたい態度をとっていることをけん制する狙いがあるという見方も出ています。今回の中国国防省の発表を受けて、米中双方の今後の対応が注目されます。
米国防総省が声明 トランプ氏は中国を強く批判
アメリカ国防総省はアメリカ海軍の無人の潜水機が中国軍に奪われたことについて17日、声明を出し「中国に対して違法な無人機の奪取について抗議を申し入れ、中国側と直接やり取りして返還を確認した」と明らかにしました。
国防総省は、アメリカ海軍は国際法に従って調査活動をしていたとして、目の前で潜水機を奪った中国側の行動を強く批判するとともに、即時返還を求めていました。
一方、トランプ次期大統領は17日、ツイッターで「中国は公海でアメリカ海軍の無人機を盗んだ。前例がない行為だ」と述べて、中国側の行動を批判しました。
トランプ氏は中国が南シナ海で造成する人工島をめぐっても、今月、ツイッターで、「巨大な軍事施設を建設することに関して、われわれに了解を求めたかといえばそうは思わない」と述べ、中国の活動をけん制しています。