首都圏の
北部を
流れる
利根川が
大雨などで
決壊し、
東京都心周辺で
浸水が
始まるまでの
時間を
大学の
研究チームがシミュレーションした
結果、
過去の
災害や
国が
想定する
2日から
3日よりも
大幅に
短い
20時間程度になる
可能性があることがわかりました。シミュレーションを
行ったのは
東京理科大学の
二瓶泰雄教授の
研究チームです。
国は大雨により埼玉県で利根川の堤防が決壊した場合にあふれた水が、埼玉県から2日から3日かけて、葛飾区や江戸川区など東京都心周辺に南下するという想定をまとめています。
二瓶教授らは、新たにあふれた水が流れ込む利根川の4つの支流の水位の変化も考慮に入れて、浸水がどのように広がるかシミュレーションしました。
その結果、東京・葛飾区では、国の想定よりも早い決壊から17時間後に浸水が始まり、36時間後には葛飾区や江戸川区の広い範囲が移動することが困難な深さになることがわかりました。
支流の水位が高くなって周辺の水路の水が支流に流れこめなくなり、行き場を失ってあふれるためだとしています。
決壊から3日後には、上流であふれた水が加わって葛飾区や江戸川区の浸水の深さは3メートル以上になる所もあり、その状態が1週間以上続く可能性があるというシミュレーション結果となっています。
二瓶教授は「ハザードマップで浸水の深さを考慮するだけでなく、どのくらいの時間で浸水するかも考えて備えを進める必要がある」と指摘しています。