香港ほんこん「国家こっか安全あんぜん法制ほうせい」採択さいたくを前まえに抗議こうぎ活動かつどう 緊迫きんぱく状態じょうたい続つづく

中国ちゅうごく 北京ぺきんで開ひらかれている全人代ぜんじんだいでは、最終さいしゅう日びの28日にち、香港ほんこんでの反はん政府せいふ的てきな動うごきを取り締とりしまる「国家こっか安全あんぜん法制ほうせい」を導入どうにゅうする方針ほうしんが採択さいたくされる予定よていです。

香港ほんこんでは27日にち、これに反発はんぱつする市民しみんが各地かくちで抗議こうぎ活動かつどうを行おこない、このうち、香港ほんこん島とうの商業しょうぎょう施設しせつでは、数すう百ひゃく人にんの若者わかものたちが「香港ほんこん独立どくりつ」と書かかれた旗はたを掲かかげながら、「独立どくりつするしか出口でぐちはない」などと声こえを上あげていました。

これに対にたいし、警察けいさつは、合あわせて3500人にんを動員どういんして取締とりしまりに当あたり、これまでに違法いほうな集会しゅうかいに参加さんかした疑うたがいなどで、少すくなくとも240人にんを逮捕たいほしたということです。

また、議会ぎかいにあたる立法りっぽう会かい周辺しゅうへんでは、バリケードを設置せっちして周辺しゅうへんの道路どうろを封鎖ふうさし、一般いっぱんの人ひとたちが近ちかづけないようにしているほか、各地かくちの幹線かんせん道路どうろや商業しょうぎょう施設しせつ周辺しゅうへんでも市民しみんの所持しょじ品ひんを検査けんさするなど、ものものしい雰囲気ふんいきとなっています。

香港ほんこんではＳＮＳを通をつうじて引き続ひきつづき抗議こうぎ活動かつどうが呼よびかけられていて、緊迫きんぱくした状態じょうたいが続つづいています。

民主みんしゅ活動かつどう家か「『一いち国こく一いち制度せいど』になってしまう」

中国ちゅうごくによる「国家こっか安全あんぜん法制ほうせい」の導入どうにゅうに向むけた動うごきに対にたいし、香港ほんこんの民主みんしゅ活動かつどう家か、黄き之の鋒ほこさきさんが記者きしゃ会見かいけんし「香港ほんこんの『一いち国こく二に制度せいど』がむしばまれ、『一いち国こく一いち制度せいど』になってしまう」と強つよく非難ひなんしました。

そのうえで、「アメリカだけでなく、イギリスなどヨーロッパの国々くにぐにも中国ちゅうごくに対にたいする制裁せいさいの動うごきがある。中国ちゅうごく政府せいふが香港ほんこんの独自どくじ性せいを壊こわそうというのなら、香港ほんこんの反発はんぱつだけでなく、国際こくさい社会しゃかいからの反発はんぱつに直面ちょくめんすることに気付きづくべきだ」と述のべ、国際こくさい社会しゃかいに対にたいし、中国ちゅうごくへの圧力あつりょくを強つよめるよう訴うったえました。

香港ほんこん「国歌こっか条例じょうれい」の経緯けいい

香港ほんこんの議会ぎかいで審議しんぎされる「国歌こっか条例じょうれい」は、中国ちゅうごくの国歌こっかを侮辱ぶじょくする行為こういに刑事けいじ罰ばつを科かすものです。

中国ちゅうごくで2017年ねん、国歌こっかの替え歌かえうたなど侮辱ぶじょく行為こういを禁止きんしする「国歌こっか法ほう」が成立せいりつしたのに合あわせて、習近平ちから指導しどう部ぶは「一いち国こく二に制度せいど」のもと、高度こうどな自治じちが認みとめられている香港ほんこんでもこの法律ほうりつを適用てきようさせるため、独自どくじの条例じょうれいを制定せいていするよう求もとめていました。

これを受うけて、香港ほんこん政府せいふは、国歌こっかを侮辱ぶじょくした場合ばあい、最高さいこうで禁錮きんこ3年ねんと5万まん香港ドルほんこんどる、日本にっぽん円えんでおよそ70万まん円えんの罰金ばっきんを科かすほか、学校がっこうやメディアを通をつうじて、国歌こっかについての教育きょういくを強化きょうかすることなどを盛り込もりこんだ条例じょうれい案あんを去年きょねん、立法りっぽう会かいに提出ていしゅつし、審議しんぎが行おこなわれてきました。

香港ほんこんでは、サッカーの試合しあいで観客かんきゃくが国歌こっかの演奏えんそう中ちゅうにブーイングをしてたびたび問題もんだいになっていますが、条例じょうれいが制定せいていされれば、こうした行為こういも取締とりしまりの対象たいしょうとなる可能かのう性せいがあります。

条例じょうれい案あんの審議しんぎは、去年きょねん6月つきに容疑ようぎ者しゃの身柄みがらを中国ちゅうごく本土ほんどにも引き渡ひきわたせるようにする条例じょうれいの改正かいせいをめぐり、市民しみんによる大だい規模きぼな抗議こうぎ活動かつどうが続つづいたことを受うけて、一時いちじ中断ちゅうだんしました。

その後そのご、去年きょねん10月つきから立法りっぽう会かいでの審議しんぎが再開さいかいされましたが、本格ほんかく的てきな議論ぎろんができないままとなっていて、立法りっぽう会かいの会期かいき末まつがことし7月つきに迫せまる中なか、早期そうきに条例じょうれいを成立せいりつさせようとする親中しんちゅう派はと、これに反対はんたいする民主みんしゅ派はの議員ぎいんが激はげしくもみ合もみあってけが人けがにんが出でるなど混乱こんらんが続つづいていました。

一方いっぽう、香港ほんこんと同おなじく、「一いち国こく二に制度せいど」のもとで自治じちが認みとめられているマカオでは同様どうようの条例じょうれいが去年きょねん6月つきから施行しこうされています。

菅かん官房かんぼう長官ちょうかん「審議しんぎ状況じょうきょうや情勢じょうせい 強つよく懸念けねん」

菅かん官房かんぼう長官ちょうかんは、午後ごごの記者きしゃ会見かいけんで「わが国わがくにとしても、全人代ぜんじんだいでの香港ほんこんに関にかんする方針ほうしんの審議しんぎ状況じょうきょうや、香港ほんこんの情勢じょうせいを強つよく懸念けねんしており、外交がいこうルートを通をつうじて中国ちゅうごくにもしっかり伝つたえている」と述のべました。

そのうえで、「香港ほんこんは、わが国わがくににとって、緊密きんみつな経済けいざい関係かんけいと人的じんてき交流こうりゅうを有ゆうする極きわめて重要じゅうようなパートナーであり、一いち国こく二に制度せいどのもと、従来じゅうらいの自由じゆうで開ひらかれた体制たいせいが維持いじされ、民主みんしゅ的てき、安定あんてい的てきに発展はってんしていくことが重要じゅうようだと考かんがえている」と述のべました。