共通きょうつうテスト 記述きじゅつ式しきも見送みおくりへ 文科ぶんか省しょうきょう会見かいけんで詳細しょうさい明あきらかに

しかし、英語えいごの民間みんかん試験しけんは、経済けいざい格差かくさや地域ちいき格差かくさなどの課題かだいが払拭ふっしょく（ふっしょく）できないとして、先月せんげつ急きゅうきょ、導入どうにゅうが延期えんきされました。

さらに、記述きじゅつ式しき問題もんだいも、ベネッセの関連かんれん会社かいしゃに委託いたくされた採点さいてんをめぐり、公正こうせい、公平こうへいに実施じっしできるのかという疑問ぎもんの声こえや、国立こくりつ大学だいがくの２に次じ試験しけんに必要ひつような自己じこ採点さいてんが難むずかしいといった声こえが相次あいつぎました。

これらを踏ふまえて、文部もんぶ科学かがく省しょうは、英語えいごの民間みんかん試験しけんに続つづき、記述きじゅつ式しき問題もんだいについても来年度らいねんどの導入どうにゅうを見送みおくる方針ほうしんを決きめました。詳くわしい経緯けいいや理由りゆうについて、17日にち記者きしゃ会見かいけんで明あきらかにする予定よていです。

来年度らいねんどから始はじまる共通きょうつうテストは、平成へいせい２に年ねん１月いちがつに始はじまった大学入試センターだいがくにゅうしせんた-試験しけん以来いらい、30年ねんぶりとなる大学だいがく入試にゅうし改革かいかくでしたが、英語えいごの民間みんかん試験しけんと記述きじゅつ式しき問題もんだいという２ふたつの柱はしらが、いずれも見送みおくりとなったことで、抜本ばっぽん的てきな見直みなおしが必要ひつようとなりました。

公正こうせい・公平こうへいな採点さいてんできるのか疑問ぎもんの声こえ

国語こくごと数学すうがくの記述きじゅつ式しき問題もんだいは、来年度らいねんどに始はじまる「大学だいがく入学にゅうがく共通きょうつうテスト」に導入どうにゅうされることになっていました。

マークシート方式ほうしきでは難むずかしいとされた思考しこう力りょくや判断はんだん力りょく、そして表現ひょうげん力りょくを測定そくていするのがねらいとされ、すでに延期えんきが決きまった英語えいごの民間みんかん試験しけんと並ならんで、新あらたな共通きょうつうテストの柱はしらでした。

国語こくごは、120文字もじを上限じょうげんに、３みっつの問題もんだいが出だされて、評価ひょうかは５ご段階だんかいで行おこなわれます。数学すうがくは、数式すうしきなどを答こたえさせるものが３みっつ出題しゅつだいされ、マークシートと同様どうように点数てんすう化かされます。

実施じっしに向むけて課題かだいとなったのが、50万まん人にん以上いじょうが受験じゅけんした答案とうあんを、20日間にちかんという短みじかい期間きかんで、どのように採点さいてんするかです。

今いまのセンター試験しけんは、すべてマークシートなので機械きかいで採点さいてんできましたが、記述きじゅつ式しきの場合ばあいはそれは不可能ふかのうです。

ＡえいＩあい＝人工じんこう知能ちのうの活用かつようや、大学だいがくに協力きょうりょくを求もとめることなどが検討けんとうされましたが見送みおくられ、ことし８月はちがつ、公募こうぼによって、ベネッセの関連かんれん会社かいしゃ、「学力がくりょく評価ひょうか研究けんきゅう機構きこう」に委託いたくすることが決きまりました。

しかし、この決定けっていに、さまざまな批判ひはんの声こえが上あがりました。

１ひとつは採点さいてん者しゃの問題もんだいです。この事業じぎょう者しゃは、およそ１いち万まん人にんを採点さいてん者しゃとして、活用かつようする予定よていですが、そこには学生がくせいのアルバイトも含ふくまれるとしたため、公正こうせい、公平こうへいな採点さいてんができるのか、疑問ぎもんの声こえが上あがりました。

また、国立こくりつ大学だいがくの２に次じ試験しけんで必要ひつような自己じこ採点さいてんが難むずかしいといった問題もんだいも指摘してきされました。

さらに、民間みんかんの事業じぎょう者しゃに採点さいてんを任まかせることへの課題かだいも浮き彫うきぼりとなります。

この事業じぎょう者しゃには、大学入試センターだいがくにゅうしせんた-から問題もんだいと正答せいとう例れいが試験しけんを実施じっしする前まえに知しらされる仕組しくみになっていました。

この事業じぎょう者しゃが、みずから採点さいてん業者ぎょうしゃであることを明あかしたうえで、高校こうこうに自社じしゃの模擬もぎ試験しけんなどを紹介しょうかいする資料しりょうを配付はいふしたことなども明あきらかになり、文部もんぶ科学かがく省しょうが抗議こうぎする事態じたいも起おきていました。