日本新聞: 新幹線殺傷事件無期懲役の判決横浜地裁小田原支部

新幹線しんかんせん殺傷さっしょう事件じけん無期むき懲役ちょうえきの判決はんけつ横浜よこはま地裁ちさい小田原おだわら支部しぶ

Dec 18, 2019 14:12

Furigana

去年きょねん６月ろくがつ、神奈川かながわ県けんを走行そうこう中ちゅうの東海道とうかいどう新幹線しんかんせんの車内しゃないで乗客じょうきゃくの男女だんじょ３さん人にんを刃物はもので殺傷さっしょうしたとして殺人さつじんなどの罪つみに問とわれた23歳さいの被告ひこくに対にたいし、横浜よこはま地方ちほう裁判所さいばんしょ小田原おだわら支部しぶは、「強固きょうこな殺意さついに基もとづく残忍ざんにんで悪質あくしつな犯行はんこうで、残虐ざんぎゃく極きわまりない」として、求刑きゅうけいどおり無期むき懲役ちょうえきを言い渡いいわたしました。

住所じゅうしょ不定ふてい・無職むしょくの小島こじま一朗いちろう被告ひこく（23）は、去年きょねん６月ろくがつ、神奈川かながわ県内けんないを走行そうこうしていた東海道とうかいどう新幹線しんかんせんの車内しゃないで乗客じょうきゃくの男女だんじょ３さん人にんをなたなどで切きりつけ、兵庫ひょうご県けん尼崎あまがさき市しの会社かいしゃ員いん、梅田うめだ耕こう太郎たろうさん（当時とうじ38）を殺害さつがいし、女性じょせい２に人にんにけがをさせたとして、殺人さつじんや殺人さつじん未遂みすいなどの罪つみに問とわれました。

検察けんさつは、「凶悪きょうあくかつ重大じゅうだいな無む差別さべつ殺傷さっしょう事件じけんで、反省はんせいの態度たいどもみじんもない」などと指摘してきしたうえで、前科ぜんかがないことなどを考慮こうりょして無期むき懲役ちょうえきを求刑きゅうけいしました。

これに対にたいし、被告ひこくの弁護士べんごしは「長期ちょうき間かん服役ふくえきする中なかで、反省はんせいすることが期待きたいできる」などと主張しゅちょうしていました。

18日にちの判決はんけつで横浜よこはま地方ちほう裁判所さいばんしょ小田原おだわら支部しぶの佐さ脇わき有紀ゆき裁判さいばん長ちょうは、「一生いっしょう、刑務所けいむしょに入はいるためという動機どうきはあまりにも人ひとの命いのちを軽視けいししていて、自己じこ中心ちゅうしん的てきで身勝手みがってだ。強固きょうこな殺意さついに基もとづく残忍ざんにんで悪質あくしつな犯行はんこうで、残虐ざんぎゃく極きわまりなく、裁判さいばんでの態度たいどから事件じけんに向き合むきあっているとは到底とうてい言いえない」と指摘してきしました。

その一方いっぽうで「前科ぜんかがないことなどを考慮こうりょすると死刑しけいがやむをえないとまでは言いえず、刑務所けいむしょで刑けいに服ふくす現実げんじつに直面ちょくめんさせ、刑事けいじ責任せきにんの重おもさに向き合むきあわせるのが相当そうとうだ」として、求刑きゅうけいどおり無期むき懲役ちょうえきを言い渡いいわたしました。

小島こじま被告ひこくは、裁判さいばん長ちょうのほうをじっと見みて判決はんけつの理由りゆうなどを聞きいていましたが、最後さいごに突然とつぜん「控訴こうそはしません。万歳ばんざい三唱さんしょうします」と言いって叫さけぶような大声おおごえで法廷ほうていで万歳ばんざいをしました。

300人にんが傍聴ぼうちょう希望きぼう倍率ばいりつ９きゅう倍ばい超ちょう

裁判所さいばんしょによりますと、18日にちは32の傍聴ぼうちょう席せきに対にたいし300人にんが傍聴ぼうちょうを希望きぼうし、倍率ばいりつは９きゅう倍ばいを超こえました。

傍聴ぼうちょうに訪おとずれた神奈川かながわ県けん松田まつだ町まちに住すむ23歳さいの男子だんし大学生だいがくせいは、「被告ひこくと同おなじ年としなので関心かんしんがあって傍聴ぼうちょうに来きました。同どう世代せだいのひとりとして被告ひこくの話はなすことが理解りかいできないわけではないが、だからといって人ひとの命いのちを奪うばっては絶対ぜったいにいけないと思おもいます。しっかり反省はんせいしてほしいです」と話はなしていました。

また、小田原おだわら市しに住すむ16歳さいの高校こうこう２に年ねんの男子だんし生徒せいとは「電車でんしゃが好すきなので関心かんしんがあり、学校がっこうが終おわってから来きました。大好だいすきな電車でんしゃの中なかで事件じけんが起おきてしまったことは怖こわいと思おもいました。被告ひこくには心こころから反省はんせいしてほしいです」と話はなしていました。