トランプ大統領だいとうりょう イランへの反撃はんげきに言及げんきゅうせず 事態じたい悪化あっか避さける姿勢しせい

これを受うけてトランプ大統領だいとうりょうはホワイトハウスで８はち日にち午前ごぜん11時半じはん、日本にっぽん時間じかんの９きゅう日にち午前ごぜん１いち時半じはんごろ国民こくみん向むけに演説えんぜつしました。

このなかでトランプ大統領だいとうりょうは今回こんかいの攻撃こうげきでアメリカ人じん兵士へいしらに死傷ししょう者しゃはいなかったと明あきらかにし、「アメリカ軍ぐんの兵士へいしはみな安全あんぜんな状況じょうきょうにある。軍ぐんの拠点きょてんへの損害そんがいは最小さいしょうの規模きぼで済すんだ」と強調きょうちょうしました。

そして「イランは今いまのところ矛ほこを収おさめているようだ。それはすべての関係かんけい者しゃにとっても世界せかいにとっても良よいことだ」と述のべ、イランがさらなる攻撃こうげきをする可能かのう性せいは現時点げんじてんでは低ひくいという認識にんしきを示しめしました。

そのうえで、「われわれは強力きょうりょくな軍ぐんや装備そうび品ひんを持もっているが、使つかいたくはない」と述のべるとともにイランへの対抗たいこう措置そちとしては軍事ぐんじ力りょくの行使こうしではなく、新あらたな経済けいざい制裁せいさいを科かし、圧力あつりょくをかけ続つづける考かんがえを示しめしました。

そして最後さいごにイランの国民こくみんや指導しどう部ぶに対にたいするメッセージとして「アメリカは平和へいわを追求ついきゅうするすべての人々ひとびととともに、平和へいわに身みをささげる準備じゅんびができている」と述のべました。

トランプ大統領だいとうりょうはこれまでイランが報復ほうふくに出でれば反撃はんげきするとたびたび強つよく警告けいこくしていますが、演説えんぜつでは反撃はんげきに言及げんきゅうせず、事態じたいのエスカレートは避さけたい考かんがえを明確めいかくにしました。

国連こくれん「本格ほんかく的てき衝突しょうとつから退しりぞくことを示しめし歓迎かんげい」

トランプ大統領だいとうりょうの演説えんぜつについて国連こくれんの報道ほうどう官かんは８はち日にち、「本格ほんかく的てきな衝突しょうとつから退しりぞくことを示しめしたもので歓迎かんげいする」と述のべました。

国連こくれんは、現地げんち時間じかんの８はち日にち未明みめいに、イランが隣国りんごくイラクに駐留ちゅうりゅうするアメリカ軍ぐんをねらって弾道だんどうミサイルを発射はっしゃしたあと、緊張きんちょうがさらに高たかまったとの危機きき感かんを示しめし、改あらためて当事者とうじしゃに最大限さいだいげんの自制じせいを求もとめる声明せいめいを発表はっぴょうしていました。

その後そのご、トランプ大統領だいとうりょうが演説えんぜつで事態じたいがこれ以上いじょうエスカレートすることは避さけたい考かんがえを明確めいかくにしたことから国連こくれんとしては、本格ほんかく的てきな衝突しょうとつはひとまず回避かいひできたという認識にんしきを示しめしたものとみられます。

イラン政府せいふ 攻撃こうげき直後ちょくごアメリカ側がわに書簡しょかん

イランのザリーフ外相がいしょうは８はち日にち、アメリカ軍ぐんに対にたいして軍事ぐんじ攻撃こうげきを行おこなった直後ちょくご、イラン政府せいふがアメリカ側がわに書簡しょかんを届とどけていたことを明あきらかにしました。

書簡しょかんの詳くわしい内容ないようについて明あきらかにしていませんが、これに先立さきだち、ハタミ国防こくぼう軍需ぐんじゅ相しょうは、今後こんごの対応たいおうについて、「イランがどう出でるかは、アメリカが今後こんご、どのような対応たいおうをとるかによるだろう」と述のべ、アメリカの対応たいおうを見極みきわめる考かんがえを示しめしていました。

イランとしてはアメリカとの正面しょうめん衝突しょうとつを避さけたいのが本音ほんねで、トランプ大統領だいとうりょうが行おこなった８はち日にちの演説えんぜつを受うけ、今後こんごの対応たいおうを検討けんとうしていくものとみられます。

イラクのシーア派は武装ぶそう組織そしき 「次つぎはイラクが報復ほうふくを行おこなう時とき」

今回こんかいのイランによる攻撃こうげきのあと、イラクの武装ぶそう組織そしきからもアメリカへの攻撃こうげきを警告けいこくする動うごきが出でています。

イランとつながりが深ふかいイラクのイスラム教いすらむきょうシーア派はの武装ぶそう組織そしき「アサイブ・アフル・ハック」の指導しどう者しゃは、８はち日にち声明せいめいを出だし、「次つぎは、イラクがイランのソレイマニ司令しれい官かんの殺害さつがいに対にたいする報復ほうふくを行おこなう時ときだ。イラク国民こくみんは勇敢ゆうかんでイランの攻撃こうげきを上回うわまわるものになるだろう」と述のべました。

この武装ぶそう組織そしきは、イラクのシーア派は民兵みんぺい組織そしきの集合しゅうごう体たい、「人民じんみん動員どういん隊たい」に属ぞくする有力ゆうりょくな勢力せいりょくで、アメリカ政府せいふからはテロ組織そしきに指定していされています。

イラクでは、別べつのシーア派はの武装ぶそう組織そしきも報復ほうふくを警告けいこくしていて、今後こんごのアメリカの出方でかた次第しだいでは、こうした武装ぶそう組織そしきがイラク国内こくないでアメリカへの攻撃こうげきを仕掛しかけるおそれがあります。

イランでは緊張きんちょう緩和かんわに期待きたいする市民しみんの声こえも

トランプ大統領だいとうりょうの演説えんぜつを受うけ、イランの首都しゅとテヘランでは、今後こんごアメリカとの軍事ぐんじ的てき緊張きんちょうが緩和かんわされるのではないかと期待きたいする声こえが聞きかれました。

58歳さいの男性だんせいは、「戦争せんそうはよいことではない。もうこれ以上いじょう緊張きんちょうが高たかまることはないのではないか。ソレイマニ司令しれい官かんがアメリカに殺ころされたことで、イラン国民こくみんは結束けっそくすることができた。戦争せんそうになって困こまるのはアメリカのほうだ」と話はなしていました。

また35歳さいの男性だんせいは、「イラン側がわから報復ほうふくする必要ひつようはなく、これで十分じゅうぶんだ。次つぎはアメリカが今後こんごどう出でてくるのか見極みきわめる必要ひつようがある。もし仮かりにアメリカが報復ほうふくしてきても、われわれはそれを上回うわまわる反撃はんげきができる」と話はなしていました。