
しかし都によりますと、規制があるにもかかわらず、景観の悪化につながりかねないデザインの広告宣伝車が頻繁に都内の繁華街を走っているということです。
このため都は、ことし2月、新宿と渋谷で走っていた広告宣伝車74台のナンバーを調べたところ、「横浜」や「野田」など、すべてが都の規制の対象外となる都外ナンバーだったということです。
会議の中で小池知事は、今後、規制の対象を都内を走るすべての広告宣伝車に拡大する考えを示したうえで、「九都県市が団結して対策を講じる必要がある」とし、首都圏の1都3県と5つの政令指定都市が共同で規制の在り方を検討していくことを提案しました。
これについて、相模原市の本村賢太郎市長は「統一的な取り扱いをすることで良好な景観の維持が期待できる」として賛成し、都を中心とした検討会を設置することが決まりました。
都によりますと、当時、繁華街を中心に走っていた光や音を発する宣伝車について、都の審議会で、 ▽「景観を乱している」や、 ▽「光や音が交通事故を引き起こしかねない」 などの意見が出され、規則を設けたということです。 デザインは、都から認定を受けた公益社団法人の「東京屋外広告協会」が規則に基づいて、具体的な基準を決めて審査することになっています。 基準では、基本的事項として、 ▽公序良俗に反しないことや ▽公衆に対し、不安、不快の念を与えないことを条件に、 具体的には、 ▽過度に鮮やかな模様や色彩を使用されていないことや、 ▽広告表示面への照明はできるだけ明るさを抑え、点滅しないこと などを求めています。 こうした規制があるにもかかわらず、なぜ、鮮やかで派手にも見える広告宣伝車が都内の繁華街を走っているのか。 理由について、都は「都外で認められた車が走行しているためだ」としています。 ことし2月に都が新宿と渋谷で調査したところ、確認した広告宣伝車の74台すべてが「横浜」や「野田」など、都外のナンバーだったということです。 これについて横浜市に取材したところ、市の規則の中には、広告のデザインを審査する決まりはないということです。 横浜市の担当者は「広告宣伝車について、市民からの苦情など意見は出ている。審査することは表現の自由との兼ね合いもあり難しい問題だ」と話していました。 都は、広告宣伝車のデザインの審査対象を都内ナンバーに加えて、都内を走るすべての広告宣伝車に拡大できるよう規則を見直す方針です。
今月22日の午後、渋谷のスクランブル交差点で取材しました。 取材を始めてまもなく、荷台部分の側面と背面が電光掲示板となっている黒いトラックが現れました。 電光掲示板には、男性の顔写真とともに「月間売上1000万」などと記されたホストクラブの求人広告が流れていました。 その後も、次々と広告宣伝車が現れ、スクランブル交差点に向けて設置してあるNHKのカメラの映像を記者が30分見て数えたところ、広告宣伝車のトラックは21回、現場を通っていました。 トラックのナンバーに注目してみると、1台は「野田」で、最初の黒いトラックを含む残りは、すべて「横浜」ナンバーでした。 広告宣伝車について街の人に聞いたところ、子育てをしている30代の夫婦は「小さい子どもがいて、あのデザインは教育的にもよろしくない。規制には賛成だ」と話していました。 一方、友人と訪れたという20代の女性からは「渋谷の街の雰囲気もあり、そこまで気にならない」という意見も聞かれました。
東京都では2011年から規制 独自の規則設け審査も
渋谷スクランブル交差点では 30分で21回目撃