アメリカ空軍の輸送機CV22オスプレイは、乗員8人を乗せ、11月29日、鹿児島県の屋久島沖で墜落しました。
アメリカ空軍特殊作戦司令部は6日、声明を出し、「初期段階の調査で得られた情報は、機体そのものの問題が事故につながった可能性を示している」と明らかにしました。
その一方で、「問題の原因については現時点ではわかっていない」としています。
これを受けてアメリカ軍は、海兵隊などが使用するMV22を含む、世界に配備しているすべての種類のオスプレイの飛行を停止したと発表しました。
これまでアメリカ軍は、日本国内に配備している空軍のCV22に限定して飛行を停止し、事故の調査の結果、必要があれば追加の措置をとるとしていました。
今回の事故では、乗員8人のうち、これまでに6人の遺体が収容され、行方がわかっていない残る2人の捜索が続けられています。
日本配備の米軍オスプレイは30機
防衛省によりますと、日本に配備されているアメリカ軍のオスプレイは、11月時点で合わせて30機です。
内訳は、
▽東京の横田基地に配備されている空軍のCV22が、今回事故が起きた機体も含めて6機
▽沖縄の普天間基地に配備されている海兵隊のMV22が、24機です。
千葉 木更津駐屯地の14機 当面飛行見合わせ
今回の事故を受けて、陸上自衛隊は、千葉県の木更津駐屯地に暫定的に配備しているオスプレイ14機について、当面、飛行を見合わせ、安全性を確認するため機体の点検を行っています。
松野官房長官「安全を確保することが最優先」
松野官房長官は、午前の記者会見で「政府としては、事故発生直後からアメリカ側に対し、国内に配備されたオスプレイについて、安全が確認されてから飛行を行うよう正式に要請してきている。航空機の運用にあたって、飛行の安全を確保することが最優先であることは言うまでもなく、引き続きアメリカ側に情報共有を求めていきたい」と述べました。
木原防衛相「引き続き米軍と緊密に連携して対応」
木原防衛大臣は7日午前、衆議院安全保障委員会で「アメリカ軍機の運用にあたっては、飛行の安全を確保することが最優先だと申し上げてきたところで、現在発表を確認中だが、引き続きアメリカ軍と緊密に連携して対応していく」と述べました。
沖縄の基地 事故後もオスプレイの離着陸相次ぐ
11月29日にアメリカ空軍のCV22オスプレイが鹿児島県の屋久島沖に墜落した事故のあとも、沖縄県内では12月6日まで海兵隊と海軍のオスプレイの離着陸が相次いでいました。
防衛省によりますと、県内ではアメリカ軍普天間基地に11月末の時点で海兵隊のMV22オスプレイが24機配備されているのを確認しているということです。
事故のあとも離着陸が相次ぎ、防衛省によりますと、12月4日までに海兵隊のMV22オスプレイが、
▽普天間基地で72回、
▽嘉手納基地で4回、
また、海軍のCMV22オスプレイも、
▽普天間基地で2回、
▽嘉手納基地で14回、
それぞれ離陸や着陸するのが確認されたということです。
その後も連日、海兵隊と海軍のオスプレイの離着陸は続き、12月6日も普天間基地でMV22オスプレイが離着陸していたほか、嘉手納基地ではCMV22オスプレイが離陸する様子が確認できました。
また、事故が起きるまで、東京の横田基地に配備されている空軍のCV22オスプレイも、嘉手納基地にたびたび飛来していました。
鹿児島 屋久島町の人は
アメリカ軍が世界に配備しているすべての種類のオスプレイの飛行を停止したと発表したことについて、屋久島町の住民からは、当然の対応だといった声や事故原因の究明を求める声が聞かれました。
屋久島町に住む60代の女性は「事故があってからずっと心配でした。怖くて今も不安でした。飛行停止をしてもらわないと困ると思っていたし、当然のことです」と話していました。
80代の女性は「安心です。飛行停止をしないほうがおかしい。もし何かあったらと思うと怖かったです。事故の原因を突き止めてほしいです」と話していました。
40代の男性は「屋久島の島民にかぎらず、アメリカ軍、日本国内が不安に思っていたと思う。いったん立ち止まって構造の問題だったのか、何が問題だったのか、見直すべきだと思う」と話していました。
沖縄 宜野湾市の人は
アメリカ軍が世界に配備しているすべての種類のオスプレイの飛行を停止したと発表したことについて、普天間基地のある沖縄県の宜野湾市で聞きました。
60代の女性は「できたらオスプレイの飛行は止めたほうがいいと思う。すぐ近くを飛んでいるから、いつ落ちるかも分からないし、心配だ」と話していました。
40代の男性は「オスプレイが墜落するのは、リスクとしてあるのは分かっている。点検の方法を確認するなど、様子見ということでいいと思う」と話していました。
20代の男性は「注意して使えばいい。安全ならいいと思う」と話していました。