林はやし外相がいしょう 韓国かんこく新しん大統領だいとうりょうと会談かいだん 関係かんけい改善かいぜんへ緊密きんみつに意思いし疎通そつうを確認かくにん

続つづいて、林はやし大臣だいじんは、「ルールに基もとづく秩序ちつじょが脅おびやかされている現下げんかの国際こくさい情勢じょうせいで、日にち韓かん関係かんけいの改善かいぜんは待まったなしだ。そのためには、旧きゅう朝鮮ちょうせん半島はんとう出身しゅっしん労働ろうどう者しゃ問題もんだいをはじめとする懸案けんあんの解決かいけつが必要ひつようだ」と述のべました。

これに対にたいし、ユン大統領だいとうりょうは、「日にち韓かん関係かんけいを重視じゅうししており、関係かんけい改善かいぜんに向むけて共ともに協力きょうりょくしていきたい」と述のべ、両者りょうしゃは今後こんご、政府せいふ間かんで緊密きんみつに意思いし疎通そつうを行おこなっていくことを確認かくにんしました。

会談かいだんのあと、林はやし大臣だいじんは記者きしゃ団だんに対にたいし、「今回こんかいの訪問ほうもんは、韓国かんこくの新しん政権せいけん側がわに日本にっぽんの一貫いっかんした立場たちばを直接ちょくせつ伝達でんたつし、緊密きんみつに意思いし疎通そつうを行おこなう重要じゅうような機会きかいとなった」と述のべました。

また林はやし大臣だいじんは、今回こんかいの訪問ほうもんを踏ふまえ、ユン新しん政権せいけんの外相がいしょう候補こうほパク・チン（朴ほう振ふ）氏しを日本にっぽんに招まねいて会談かいだんを行おこないたいという考かんがえを示しめしました。

そのきっかけとなったのは、太平洋たいへいよう戦争せんそう中ちゅうの「徴用ちょうよう」をめぐる問題もんだいで、2018年ねん10月つき、韓国かんこくの最高さいこう裁判所さいばんしょが初はじめて、日本にっぽん企業きぎょうに賠償ばいしょうを命めいじた判決はんけつでした。

日本にっぽん政府せいふは、「徴用ちょうよう」をめぐる問題もんだいについて、1965年ねんの日にち韓かん請求せいきゅう権けん協定きょうていに基もとづき解決かいけつ済ずみだとして、国際こくさい法ほう違反いはんの状態じょうたいを是正ぜせいするよう韓国かんこく政府せいふに再三さいさんにわたって求もとめています。

これに対にたいしてムン政権せいけんは、三権さんけん分立ぶんりつの原則げんそくから司法しほう判断はんだんを尊重そんちょうするとした姿勢しせいを変かえず、日本にっぽん企業きぎょうの韓国かんこく国内こくないの資産しさんの「現金げんきん化か」に向むけた手続てつづきが進すすみました。

そうした中なか、日本にっぽん政府せいふは2019年ねん7月つき、韓国かんこく側がわの貿易ぼうえき管理かんりの体制たいせいが不十分ふじゅうぶんで安全あんぜん保障ほしょう上じょうの懸念けねんがあるとして、半導体はんどうたいの原材料げんざいりょうなど3品目ひんもくについて、韓国かんこく向むけの輸出ゆしゅつ管理かんりを厳きびしくする措置そちを取とりました。

これを受うけて、韓国かんこく国内こくないでは日本にっぽんへの反発はんぱつが強つよまり、日本にっぽん製品せいひんの不買ふばい運動うんどうが広ひろがったほか、当時とうじの安倍あべ政権せいけんに抗議こうぎするデモが繰り返くりかえされました。

ムン政権せいけんは「徴用ちょうよう」をめぐる問題もんだいでの報復ほうふく措置そちだと強つよく反発はんぱつし、2019年ねん8月つきには、日本にっぽんとの軍事ぐんじ情報じょうほう包括ほうかつ保護ほご協定きょうてい＝GSOMIA（ジーソミア）を破棄はきすると通告つうこくしました。

その3か月かげつ後ご、GSOMIAの失効しっこうが迫せまると、ムン政権せいけんは一転いってんして現状げんじょうを維持いじすることを決きめましたが「いつでも終了しゅうりょうできる」と主張しゅちょうしてきました。

さらに、慰安いあん婦ふ問題もんだいをめぐって、去年きょねん1月つき、韓国かんこくの地方ちほう裁判所さいばんしょが日本にっぽん政府せいふに元もと慰安いあん婦ふの女性じょせいへの賠償ばいしょうを命めいじ、これに対にたいして日本にっぽん政府せいふは、韓国かんこくの裁判さいばん権けんに服ふくすることは認みとめられないとして控訴こうそせず、判決はんけつは確定かくていしています。

このほか、日本にっぽん政府せいふが新潟にいがた県けんの「佐渡さど島とうの金山かなやま（さどのきんざん）」の世界せかい文化ぶんか遺産いさんへの登録とうろくをユネスコに推薦すいせんしたことについても、ムン政権せいけんは強つよい遺憾いかんの意いを示しめし抗議こうぎしています。

このように、日にち韓かんの間までは、ムン政権せいけん下かの5年間ねんかんで課題かだいが山積さんせきしましたが、首脳しゅのう会談かいだんは2019年ねん12月つきを最後さいごに開ひらかれておらず、関係かんけい改善かいぜんに向むけた糸口いとぐちを見みいだすことができないまま、問題もんだいの解決かいけつは次つぎのユン・ソンニョル政権せいけんに先送さきおくりされる形かたちとなりました。