日本新聞: 宮城・福島震度6強地震から2か月梅雨前も住宅など復旧進まず

宮城みやぎ・福島ふくしま震度しんど6強きょう地震じしんから2か月かげつ梅雨つゆ前まえも住宅じゅうたくなど復旧ふっきゅう進すすまず

May 16, 2022 12:05

Furigana

福島ふくしま県けんと宮城みやぎ県けんで最大さいだい震度しんど6強きょうの揺ゆれを観測かんそくした地震じしんから16日にちで2か月かげつです。

2つの県けんでは被害ひがいが確認かくにんされた住宅じゅうたくが3万まん5000棟むねを超こえましたが、屋根やねの修復しゅうふくなどが終おわっていない建物たてものも多おおく、梅雨つゆを前まえに住民じゅうみんの不安ふあんが高たかまっています。

ことし3月つき16日にちの深夜しんや、福島ふくしま県けん沖おきを震源しんげんとするマグニチュード7.4の地震じしんがあり、福島ふくしま県けんと宮城みやぎ県けんで最大さいだい震度しんど6強きょうの揺ゆれを観測かんそくしました。

福島ふくしま県けんと宮城みやぎ県けんのまとめによりますと、2つの県けんで合あわせて3人にんが死亡しぼうし、209人にんがけがをしました。

これまでに確認かくにんされた住宅じゅうたくの被害ひがいは2つの県けんで合あわせて

▽全壊ぜんかいが170棟むね、

▽半壊はんかいが2750棟むね、

▽一部いちぶ破損はそんが3万まん2716棟むねで、合あわせて3万まん5636棟むねに上のぼっています。

いずれの県けんでも、人手ひとで不足ふそくなどから屋根やねの修復しゅうふくなどが終おわっていない住宅じゅうたくも多おおく、梅雨つゆを前まえに住民じゅうみんの不安ふあんが高たかまっています。

宮城みやぎ住宅じゅうたく被害ひがい1万まん4000棟むね超ちょう

宮城みやぎ県けんの今月こんげつ13日にち正午しょうご時点じてんのまとめによりますと、県内けんないでは2人にんが死亡しぼうし、けが人けがにんは108人にんに上のぼっています。

住宅じゅうたく被害ひがいは

▽全壊ぜんかいが白石しらいし市し、角田つのだ市し、岩沼いわぬま市し、登米とよね市し、大崎おおさき市し、蔵王ざおう町まち、柴田しばた町まち、亘理わたり町まち、山元やまもと町まち、大和やまと町まち、涌谷わくや町まちの合あわせて48棟むね、

▽半壊はんかいが白石しらいし市しや山元やまもと町まち、角田つのだ市しなど21の市しや町まちで合あわせて449棟むね、

▽一部いちぶ破損はそんが29の市町村しちょうそんで合あわせて1万まん4149棟むねとなっています。

まもなく梅雨つゆの時期じきを迎むかえる中なか、屋根やねの修理しゅうりなどが終おわっていない人ひとも多おおく、生活せいかつへの影響えいきょうが続つづいています。

一方いっぽう、公共こうきょう施設しせつでも被害ひがいが相次あいつぎ、このうち利府りふ町まちの宮城みやぎスタジアムや柴田しばた町まちの仙南せんなん総合そうごうプールなど県けんが管理かんりする6か所かしょのスポーツ施設しせつは復旧ふっきゅう工事こうじが終おわらず休館きゅうかんが続つづいています。

福島ふくしま住宅じゅうたく被害ひがい2万まん棟むね超ちょう

福島ふくしま県内けんないでも最大さいだい震度しんど6強きょうの揺ゆれを観測かんそくし、被害ひがいが確認かくにんされた住宅じゅうたくは2万まん棟むねを超こえていますが、屋根やね瓦かわらの修復しゅうふくなど復旧ふっきゅう作業さぎょうが進すすまない住宅じゅうたくも多おおく、梅雨つゆを前まえに住民じゅうみんの不安ふあんが高たかまっています。

福島ふくしま県けんの今月こんげつ11日にち現在げんざいのまとめでは、県内けんないで1人にんが死亡しぼうし、9人にんが重傷じゅうしょう、92人にんが軽かるいけがをしました。

住宅じゅうたくの被害ひがいは、浜はま通どおりと中通なかどおりを中心ちゅうしんに県内けんないの自治体じちたいの7割わりに当にあたる42の市町村しちょうそんに広ひろがり、全壊ぜんかいが122棟むね、半壊はんかいが2301棟むね、一部いちぶ破損はそんが1万まん8567棟むねで合あわせて2万まん990棟むねに上のぼっています。

震度しんど6強きょうの揺ゆれを観測かんそくした相馬そうま市しでは特とくに被害ひがいが大おおきく、今月こんげつ13日にち時点じてんで1世帯せたい2人にんが避難ひなん所しょに身みを寄よせています。

り災りさい証明しょうめい書しょの交付こうふは、申請しんせいに対にたいして県けん全体ぜんたいで7割わり余あまりまで進すすんでいますが、人手ひとで不足ふそくなどから屋根やね瓦かわらの修復しゅうふくなどの復旧ふっきゅう作業さぎょうが進すすまない住宅じゅうたくも多おおく、梅雨つゆを前まえに住民じゅうみんの不安ふあんが高たかまっています。

また、ため池ためいけや水路すいろ、林道りんどうや漁業ぎょぎょう施設しせつなど農林のうりん水産すいさん業ぎょうへの被害ひがいも深刻しんこくで、被害ひがい額がくは少すくなくとも22億おく6400万まん円えん余あまりに上のぼっているほか、県けんと市町村しちょうそんが管理かんりする道路どうろや橋はし、河川かせんや港湾こうわんなどの公共こうきょう土木どぼく施設しせつの被害ひがいは376か所かしょで確認かくにんされ、被害ひがい額がくは少すくなくともおよそ220億おく円えんに上のぼっています。

福島ふくしま相馬そうまの住民じゅうみん「これから梅雨つゆとても不安ふあん」

ことし3月つきの地震じしんで、震度しんど6強きょうの揺ゆれを観測かんそくした福島ふくしま県けん相馬そうま市しの菅原すがわらトモさんの住宅じゅうたくは、屋根やね瓦かわらなどの修理しゅうりがまだ終おわっていません。

雨漏あまもりが続つづいていることから、漏電ろうでんしないよう天井てんじょうからつり下さげた照明しょうめいを取り外とりはずし、夜よるは電気でんきスタンドで生活せいかつしているということです。

修理しゅうりを依頼いらいしている業者ぎょうしゃからは人手ひとでや資材しざいが不足ふそくしていると言いわれているということで、菅原すがわらさんは「これから梅雨つゆを迎むかえるのでとても不安ふあんです。自然しぜん災害さいがいだからしかたがないですが、なかなか先さきが見みえずつらいです。屋根やねの修理しゅうりだけでも数すう百ひゃく万まん円えんかかるので、費用ひようも心配しんぱいです」と話はなしていました。