日本新闻: 米軍パラオで迎撃ミサイル発射訓練影響力拡大の中国けん制

米べい軍ぐんパラオで迎撃げいげきミサイル発射はっしゃ訓練くんれん影響えいきょう力りょく拡大かくだいの中国ちゅうごくけん制けんせい

Jun 15, 2022 21:06

Furigana

アメリカ軍ぐんは15日にち、太平洋たいへいようの島国しまぐにパラオで迎撃げいげきミサイル「パトリオット」の発射はっしゃ訓練くんれんを初はじめて行おこないました。太平洋たいへいよう島とうしょ国こくへの影響えいきょう力りょくを拡大かくだいさせる中国ちゅうごくをけん制けんせいするねらいもあるとみられます。

この訓練くんれんはアメリカのインド太平洋軍たいへいようぐんがグアムやパラオ、それにその近海きんかいなどで行おこなっている2年ねんに一いち度どの統合とうごう演習えんしゅう「バリアント・シールド」の一環いっかんとして行おこなわれ、NHKなど一部いちぶメディアが取材しゅざいを許可きょかされました。

訓練くんれんではまず、パラオの最大さいだい都市としコロール近郊きんこうにある空港くうこうの敷地しきち内ないから、敵てきのミサイルなどに見立みたてたドローンが打ち上うちあげられました。

そして、およそ10分ふん後ご、このドローンを迎撃げいげきするため、2発はつの「パトリオット」が3秒びょうほどの間隔かんかくを空あけて、ごう音ごうおんとともに発射はっしゃされました。

アメリカ軍ぐんによりますと、ドローンはおよそ30キロ離はなれた沖合おきあいの上空じょうくうで撃ち落うちおとされ、訓練くんれんは成功せいこうしたということです。

アメリカ軍ぐんは、今回こんかいの訓練くんれんをパラオで行おこなった理由りゆうについて「これまでに発射はっしゃ訓練くんれんを行おこなったことがない場所ばしょで経験けいけんを積つみ、防衛ぼうえい態勢たいせいを強化きょうかするため」としています。

太平洋たいへいようの島とうしょ国こくでは、中国ちゅうごくがことし4月つきにソロモン諸島しょとうと安全あんぜん保障ほしょうに関にかんする協定きょうていを結むすぶなど影響えいきょう力りょくを拡大かくだいさせていますが、軍隊ぐんたいを持もたないパラオはアメリカと協定きょうていを結むすび国防こくぼうを委ゆだねているほか、台湾たいわんと外交がいこう関係かんけいを維持いじしています。

アメリカとしては、パラオでミサイルの発射はっしゃ訓練くんれんを行おこなうことで、中国ちゅうごくをけん制けんせいするねらいもあると見みられます。

米べい軍ぐん司令しれい官かん防衛ぼうえい態勢たいせいの強化きょうか進すすめる考かんがえを強調きょうちょう

発射はっしゃ訓練くんれんを指揮しきしたアメリカ陸軍りくぐんの司令しれい官かんは、訓練くんれんは成功せいこうしたとしたうえで、太平洋たいへいよう地域ちいきで影響えいきょう力りょくを拡大かくだいさせる中国ちゅうごくを念頭ねんとうに、防衛ぼうえい態勢たいせいの強化きょうかを進すすめていく考かんがえを強調きょうちょうしました。

発射はっしゃ訓練くんれんのあと取材しゅざいに応おうじた、アメリカ陸軍りくぐん第だい94陸軍りくぐん防空ぼうくうミサイル防衛ぼうえいコマンドのマーク・ホラー司令しれい官かんは「すべてが計画けいかくどおり進すすみ、100％成功せいこうした。各かく軍ぐんのすばらしい連携れんけいによってミサイルは2発はつとも完璧かんぺきに発射はっしゃされ、標的ひょうてきのドローンは破壊はかいされた」と述のべ、訓練くんれんが成功せいこうしたことを明あきらかにしました。

そして、発射はっしゃ訓練くんれんを初はじめてパラオで行おこなった理由りゆうについては「最大さいだいの目的もくてきは部隊ぶたいの即応そくおう性せいを高たかめることだ。どこにでも迅速じんそくに展開てんかいし、重要じゅうような資産しさんを守まもる能力のうりょくを示しめすことが大事だいじだ。地域ちいきの抑止よくし力りょくを高たかめ、平和へいわと安定あんていを守まもるために選えらんだ場所ばしょがパラオだった」と述のべました。

さらに、今回こんかいの訓練くんれんが行おこなわれた太平洋たいへいよう地域ちいきで影響えいきょう力りょくを拡大かくだいさせる中国ちゅうごくについて「中国ちゅうごくはその言動げんどうによって地域ちいきを不安定ふあんてい化かさせている。われわれは国際こくさい法ほうに基もとづく秩序ちつじょを守まもり、自由じゆうで開ひらかれたインド太平洋たいへいようを実現じつげんするためにここにいるということを、地域ちいきの同盟どうめい国こくやパートナーに示しめす必要ひつようがある」と述のべ、訓練くんれんには中国ちゅうごくをけん制けんせいするねらいがあったことも示唆しさしました。

そのうえで「われわれはもちろん、衝突しょうとつを始はじめるつもりはないが、ほかの国くにが攻撃こうげき的てきになった場合ばあいに備そなえ、われわれや同盟どうめい国こくなどにとって大事だいじなものを守まもる準備じゅんびをしておかなければならない」と述のべ、中国ちゅうごくを念頭ねんとうに、インド太平洋たいへいよう地域ちいきで防衛ぼうえい態勢たいせいの強化きょうかを進すすめていく考かんがえを示しめしました。