「官邸かんていの最高さいこうレベル」 文科ぶんか相しょうが文書ぶんしょの追加ついか調査ちょうさを表明ひょうめい

こうした中なか、松野まつの文部もんぶ科学かがく大臣だいじんは、閣議かくぎのあとの記者きしゃ会見かいけんで、「文書ぶんしょの存在そんざいなどについて追加ついか調査ちょうさを行おこなう必要ひつようがあるという国民こくみんの声こえが多おおく寄よせられている。こういった状況じょうきょうを総合そうごう的てきに判断はんだんし、きょうの閣議かくぎの後のち、安倍あべ総理そうり大臣だいじんに対にたいして、追加ついか調査ちょうさを実施じっししたい旨むねを伝つたえた」と述のべ、改あらためて文書ぶんしょが省内しょうないに存在そんざいするのかどうか追加ついかの調査ちょうさを行おこなうことを明あきらかにしました。

そして、松野まつの大臣だいじんは、「安倍あべ総理そうり大臣だいじんからは『徹底てっていした調査ちょうさを速すみやかに実施じっしするように』という指示しじがあった。総理そうりの指示しじのもと、国民こくみんの声こえに真摯しんし（しんし）に向き合むきあい、改あらためて徹底てっていした追加ついか調査ちょうさを行おこない、結果けっかがまとまり次第しだい、発表はっぴょうしたい」述のべ、調査ちょうさの対象たいしょう範囲はんいを広ひろげる考かんがえを示しめしました。

再さい調査ちょうさへの経緯けいい

加計かけ学園がくえんが計画けいかくする獣しし医学部いがくぶをめぐり、「官邸かんていの最高さいこうレベルが言いっている」などと記しるされた一連いちれんの文書ぶんしょについて、先月せんげつ１いち７なな日にち、野党やとうの民進党みんしんとうから指摘してきを受うけた松野まつの文部もんぶ科学かがく大臣だいじんは、国家こっか戦略せんりゃく特区とっくに対応たいおうするための文書ぶんしょが作成さくせいされた可能かのう性せいがあるとして省内しょうないで調査ちょうさする考かんがえを示しめしました。

その２に日にち後ご、松野まつの大臣だいじんは職員しょくいんへの聞き取ききとりや共有きょうゆうフォルダーを調しらべた結果けっか、「存在そんざいは確認かくにんできなかった」と発表はっぴょうしました。さらに政府せいふも、菅かん官房かんぼう長官ちょうかんが「怪かい文書ぶんしょのような文書ぶんしょだ」と記者きしゃ会見かいけんで述のべるなど、文書ぶんしょの存在そんざいを認みとめませんでした。

これに対にたいして先月せんげつ２に５ご日にち、文部もんぶ科学かがく省しょうの前川まえかわ喜平きへい前ぜん事務じむ次官じかんが反論はんろんする記者きしゃ会見かいけんを開ひらきました。前川まえかわ氏しは「実際じっさいに在職ざいしょく中ちゅうに共有きょうゆうしていた文書ぶんしょだ。あったものを無なかったことにはできない」と述のべて、文書ぶんしょは確実かくじつに存在そんざいしていたと主張しゅちょうしました。しかし、この会見かいけんのあとも菅かん官房かんぼう長官ちょうかんは「出でどころが不明ふめいで信しんぴょう性せいも定さだかではない文書ぶんしょだ」と述のべて、その存在そんざいを認みとめない姿勢しせいを示しめしました。

これに対にたいし、国会こっかいで野党やとうから再さい調査ちょうさを求もとめる声こえが強つよまり、文部もんぶ科学かがく省しょうの職員しょくいんからも「文書ぶんしょの存在そんざいは確認かくにんできなかった」とする調査ちょうさ結果けっかに疑問ぎもんの声こえが挙あがり始はじめます。

ＮＨＫえぬえいちけいの取材しゅざいに対にたいして、複数ふくすうの現役げんえき職員しょくいんが「一連いちれんの文書ぶんしょは去年きょねん９月くがつ下旬げじゅんに１いち０ぜろ人にん以上いじょうの職員しょくいんにメールで送信そうしんされ、今いまも個人こじんパソコンで保管ほかんされている」と証言しょうげんしました。さらに先月せんげつ、調査ちょうさがあった直後ちょくごに、複数ふくすうの職員しょくいんが「文書ぶんしょは存在そんざいしている」と審議しんぎ官かん以上いじょうの幹部かんぶに対にたいして報告ほうこくしていたこともＮＨＫえぬえいちけいの取材しゅざいでわかりました。

そして、最初さいしょに調査ちょうさ結果けっかを発表はっぴょうしてから３さん週間しゅうかんとなる９きゅう日にち、再さい調査ちょうさはしないと繰り返くりかえし述のべてきた松野まつの大臣だいじんは記者きしゃ会見かいけんで、「追加ついか調査ちょうさを行おこなう必要ひつようがあると国民こくみんから多おおくの声こえが寄よせられている。その声こえに真摯しんし（しんし）に向き合むきあい、改あらためて徹底てっていした追加ついか調査ちょうさを行おこない結果けっかを発表はっぴょうしたい」と述のべて、文部もんぶ科学かがく省しょうとして文書ぶんしょの存在そんざいを再ふたたび調査ちょうさすることを明あきらかにしました。

文科ぶんか省しょう職員しょくいん「判断はんだん遅おそかった」

松野まつの文部もんぶ科学かがく大臣だいじんが再ふたたび文書ぶんしょを調査ちょうさすることを明あきらかにしたことについて、現職げんしょくの職員しょくいんからは評価ひょうかする声こえがある一方いっぽう、判断はんだんが遅おそすぎたと批判ひはんする声こえが相次あいつぎました。

文書ぶんしょを見みたことがあるという職員しょくいんは、「職員しょくいんの証言しょうげんや世の中よのなかの批判ひはんが高たかまってようやく動き出うごきだしたが、判断はんだんが遅おそかったと思おもう。再さい調査ちょうさを徹底てっていして、文書ぶんしょの内容ないようについても国民こくみんが納得なっとくする形かたちで、説明せつめいすべきだと思おもう」と話はなしています。

また別べつの職員しょくいんは「調査ちょうさに踏み切ふみきったことはよいと思おもう。また、証言しょうげんした職員しょくいんが不ふ利益りえきを受うけないように守まもることも大事だいじだと思おもう」と話はなしています。

さらに別べつの職員しょくいんは「遅おそきに失しっした感かんがある。国民こくみんの声こえというよりは内部ないぶでの不満ふまんがたまっていて、これ以上いじょう、放置ほうちできないので踏み切ふみきったのだと思おもう。明あきらかに最初さいしょの対応たいおうが間違まちがっていた」と述のべています。

自民じみん 政府せいふの方針ほうしん支持しじ

自民党じみんとうの二に階かい幹事かんじ長ちょうは、記者きしゃ会見かいけんで「追加ついかで調査ちょうさしなければならなくなったことは、必かならずしもスマートなことではないが、政府せいふが、『国民こくみんの声こえに真摯しんし（しんし）に向き合むきあって、改あらためて徹底てっていした追加ついか調査ちょうさを行おこなっていきたい』ということだから、党とうとしても調査ちょうさに入はいることを支持しじしたい。何なんら問題もんだいはないと思おもっている」と述のべました。

民みん進すすむ 遅おそきに失しっした

民進党みんしんとうの蓮はちす舫代表だいひょうは、記者きしゃ団だんに対にたいし、「再さい調査ちょうさをしなければいけないという世論せろんに、ようやく気きづいたのではないか。遅おそきに失しっした感かんがある。ただ、問題もんだいは調査ちょうさの中身なかみで、結果けっかありきのものにならないか厳きびしく見みていく。まさか、国会こっかいが終おわるまで調査ちょうさ結果けっかを出だすのを延のばして、立法府りっぽうふで、中身なかみについて聞きくことができないような手段しゅだんを取とるとは思おもっていないが、前回ぜんかいの調査ちょうさも１いち日にちで結果けっかが出でたので、今回こんかいも、あす、結果けっかが出でてくるものと期待きたいしている」と述のべました。

公明こうめい 獣しし医学部いがくぶ新設しんせつの手続てつづきに瑕疵かし（かし）はない

公明党こうめいとうの井上いのうえ幹事かんじ長ちょうは、記者きしゃ会見かいけんで、「国民こくみんの率直そっちょくな疑問ぎもんにしっかり答こたえることは大変たいへんいいことで、徹底てっていして速すみやかに調査ちょうさし、結果けっかを発表はっぴょうしてもらうことが大事だいじだ。一方いっぽうで、獣しし医学部いがくぶの新設しんせつをめぐる議論ぎろんについて、私わたしは、手続てつづき的てきな瑕疵かし（かし）や違法いほう性せいがあったとは思おもっていない。何なにが物事ものごとの本質ほんしつなのかを見失みうしなってはいけない」と述のべました。

共産きょうさん これからが本当ほんとうの調査ちょうさ

共産きょうさん党とうの小池こいけ書記しょき局長きょくちょうは、記者きしゃ会見かいけんで、「再さい調査ちょうさは当たり前あたりまえだ。前回ぜんかいの調査ちょうさなるもののあとに、前川まえかわ前ぜん事務じむ次官じかんの発言はつげんが出でたことを考かんがえると、これからが本当ほんとうの調査ちょうさではないか。同時どうじに、調査ちょうさにとどめてはいけず、前川まえかわ氏しら関係かんけい者しゃの証人しょうにん喚問かんもんや、安倍あべ総理そうり大臣だいじん出席しゅっせきでの予算よさん委員いいん会かいの集中しゅうちゅう審議しんぎを行おこない、この疑惑ぎわくを徹底てってい解明かいめいする必要ひつようがある」と述のべました。

自由じゆう きょうにも結果けっかを

自由党じゆうとうの森もり参議院さんぎいん会長かいちょうは、記者きしゃ団だんに対にたいし、「『何なにも残のこっていない』、『記録きろくがない』、『覚おぼえがない』と済すませてしまうのはおかしく、こんなことでは、法治ほうち国家こっかでもないし、民主みんしゅ主義しゅぎ国家こっかでもない。再さい調査ちょうさの表明ひょうめいは遅おそきに失しっした感かんはあるが、文書ぶんしょは確実かくじつにあり、すぐに出でてくると思おもうので、きょう中ちゅうにも結果けっかを発表はっぴょうしてもらいたい」と述のべました。

社民しゃみん 隠かくし通どおりそうとした責任せきにんは重大じゅうだい

社民しゃみん党とうの又市またいち幹事かんじ長ちょうは、記者きしゃ団だんに対にたいし、「『怪かい文書ぶんしょ』などと言いって、隠かくし通どおりそうとした、菅かん官房かんぼう長官ちょうかんや松野まつの文部もんぶ科学かがく大臣だいじんの責任せきにんは重大じゅうだいだ。追加ついか調査ちょうさの結果けっかを早はやく提出ていしゅつして、野党やとうが求もとめている、前川まえかわ前ぜん事務じむ次官じかんなどの証人しょうにん喚問かんもんや、予算よさん委員いいん会かいでの集中しゅうちゅう審議しんぎを行おこない、特定とくていの学園がくえんを優遇ゆうぐうしていたのかどうか、真相しんそうを明あきらかにすることが大事だいじだ」と述のべました。

地方ちほう創そう生せい相しょう「内閣ないかく府ふは追加ついか調査ちょうさ必要ひつようない」

山本やまもと地方ちほう創そう生せい担当たんとう大臣だいじんは閣議かくぎの後のちの記者きしゃ会見かいけんで、文部もんぶ科学かがく省しょうが追加ついか調査ちょうさを行おこなうことについて、「文科ぶんか省しょうで判断はんだんすることですから、今いま私わたしがコメントすることではない」と述のべました。そのうえで、山本やまもと大臣だいじんは、内閣ないかく府ふでの調査ちょうさについて、「内閣ないかく府ふは、担当たんとう者しゃに聞きいて、『全まったくそういうことはない』と確認かくにんしている」と述のべ、追加ついかの調査ちょうさは必要ひつようないという考かんがえを示しめしました。