LS北見は2勝1敗と王手をかけて第4戦に臨み、第1エンドに相手のミスでめぐってきたチャンスに、スキップの藤澤五月選手が正確にショットを決め、3点を奪って主導権を握りました。
さらに6対3とリードして迎えた第7エンドには、決定戦で好調なサードの吉田知那美選手が相手のストーンを2つはじき出す力強いショットを決めるなど、不利な先攻で2点を追加し、8対3と突き放しました。
LS北見は9対5で勝って通算3勝目を挙げて、ピョンチャンオリンピックの代表に決まりました。
LS北見はオリンピックでトリノ、バンクーバーの2大会に出場している本橋麻里選手が結成したチームで、選手全員が北海道北見市の出身です。オリンピック出場は初めてです。
中部電力はスキップの松村千秋選手がラストショットに正確さを欠き、4年前に続いてオリンピックの日本代表決定戦で敗れました。
カーリング女子で日本は、去年とことしの世界選手権の成績から6大会連続のオリンピック出場を決めていて、先に3勝したチームが日本代表に決まる今回の決定戦では、ことしの日本選手権で優勝した長野県の中部電力と、去年の日本選手権で優勝し、その後の世界選手権で銀メダルを獲得した北海道のLS北見が対戦しました。
LS北見は2勝1敗と王手をかけて第4戦に臨み、第1エンドに相手のミスでめぐってきたチャンスに、スキップの藤澤五月選手が正確にショットを決め、3点を奪って主導権を握りました。
さらに6対3とリードして迎えた第7エンドには、決定戦で好調なサードの吉田知那美選手が相手のストーンを2つはじき出す力強いショットを決めるなど、不利な先攻で2点を追加し、8対3と突き放しました。
LS北見は9対5で勝って通算3勝目を挙げて、ピョンチャンオリンピックの代表に決まりました。
LS北見はオリンピックでトリノ、バンクーバーの2大会に出場している本橋麻里選手が結成したチームで、選手全員が北海道北見市の出身です。オリンピック出場は初めてです。
中部電力はスキップの松村千秋選手がラストショットに正確さを欠き、4年前に続いてオリンピックの日本代表決定戦で敗れました。
LS北見は2010年に結成
LS北見は北海道北見市の旧常呂町を拠点とするチームで、オリンピックのトリノ大会とバンクーバー大会に出場した本橋麻里選手を中心に2010年に結成されました。
LSは「ロコ・ソラーレ」の略で、「常呂っこ」という意味の「ロコ」に、イタリア語で太陽を意味する「ソラーレ」を組み合わせました。
3年前に北海道銀行のメンバーとしてソチオリンピックに出場した吉田知那美選手、おととしには中部電力のスキップとして日本選手権を4連覇した藤澤五月選手を補強しました。
結成当初からのメンバーとなる本橋選手と吉田夕梨花選手、それに鈴木夕湖選手を合わせた5人のメンバーはいずれも地元、北見市の出身です。
チームは補強の効果を反映するように成績を上げ、現在のメンバーになって初めて臨んだ去年の日本選手権で初優勝し、その後の世界選手権では日本勢として初めてのメダルとなる銀メダルを獲得しました。
そして、優勝すればピョンチャンオリンピックの日本代表に決まることしの日本選手権では、出産から復帰した本橋選手をサードに起用し、予選リーグから9連勝で決勝に進みました。
しかし、決勝で中部電力に敗れ、今回の日本代表決定戦にまわりました。
日本代表決定戦では、銀メダルを獲得した世界選手権のように本橋選手がリザーブに回ってチームを支えることで安定した力を発揮し、中部電力に3勝1敗で勝って代表に決まりました。
吉田夕梨花選手「五輪出場 ほっとしている」
吉田夕梨花選手は北海道北見市出身の24歳で、姉でチームメイトの吉田知那美選手の影響で、小学校に入学する前から競技を始めました。
高校の時に本橋麻里選手に声を掛けられて、チーム結成の時からLS北見に入りました。ストーンを狙った場所に止めるドローショットを持ち味に不動のリードとして活躍しています。
初めてオリンピックに出場するリードの吉田夕梨花選手は「オリンピック出場を決めることができてほっとしています。サポートしてくれた方々へ感謝の気持ちでいっぱいです。オリンピックでも戦うのは相手チームではなく、会場の氷、アイスと向き合って戦うという気持ちで臨みたいです」と話していました。
鈴木夕湖選手「また強くなって五輪に臨みたい」
鈴木夕湖選手は北海道北見市出身の25歳で、チームが結成された2010年からのメンバーです。身長1メートル45センチと小柄ながら、力強いスイープが持ち味で、ほかの選手が投げるストーンをコントロールして、作戦どおりの位置に導く役割を担います。
ことしの日本選手権では、キャプテンの本橋麻里選手が出産から復帰したためリザーブに回りましたが、今回の日本代表決定戦では再び、セカンドとして出場していました。
初めてオリンピックに出場するセカンドの鈴木夕湖選手は「チームのみんなで支え合って、日本代表決定戦でも楽しくカーリングをすることができました。オリンピックへ向けて課題もあるので、また一段階強くなって臨みたいです」と話していました。
吉田知那美選手「地元に帰り出場決められてよかった」
吉田知那美選手は北海道北見市出身の26歳で、中学時代、日本選手権で当時の日本代表、「チーム青森」に勝つなど注目を集めました。高校卒業後、北海道銀行に入り、前回のソチオリンピックでは日本勢で過去最高に並ぶ、5位入賞に貢献しました。
ソチオリンピックのあと、北海道銀行を離れることになり、競技を続けることを諦めかけましたが、本橋麻里選手に誘われLS北見に加わりました。
チームでは主にサードとして、スキップの藤澤五月選手を支えるとともに、持ち前のはじける笑顔と明るい性格でムードメーカーの役割も果たしています。
前回のソチオリンピックに北海道銀行のメンバーとして出場しているサードの吉田知那美選手は「地元に帰ってきて、このチームでオリンピック出場を決められて本当によかったです。『また行けるんだな』とほっとしています。支えてくれている人たちのためにも、日本代表として責任を持ってオリンピックに挑みたいです」と話していました。
藤澤五月選手「このチームで勝ったことがうれしい」
藤澤五月選手は北海道北見市出身の26歳で、高校卒業後、カーリングチームの強化を進めていた長野県の中部電力に入りました。中部電力では司令塔のスキップとして、強気な作戦や相手の複数のストーンを一気にはじき出す力強いショットを持ち味に活躍し、2011年からは日本選手権で4連覇を成し遂げました。しかし、前回のソチオリンピックの代表決定戦では敗れました。
おととし、中部電力から地元のLS北見に移籍し、スキップとして世界選手権の銀メダル獲得などに貢献していました。
初めてのオリンピック出場を決めたスキップの藤澤五月選手は「チームメイトに支えられ、助けられて日本代表決定戦を戦いました。このチームで戦って勝ち切れたことがうれしいです」と述べ、メンバーへの感謝の気持ちを示しました。そのうえで、オリンピックに向けては「出場したことがないので、どんなところなのかまだわかりませんが、これからしっかり成長して大会を迎えたい」と話していました。
本橋麻里選手「チームの1番の目標 かなえられた」
本橋麻里選手は北海道北見市出身の31歳で、オリンピックには青森のチームのメンバーとして、2006年のトリノ大会、2010年のバンクーバー大会に出場しました。
バンクーバー大会のあと北見市に戻り、「生まれ故郷からオリンピックを目指したい」と地元の若い選手たちに声を掛け、LS北見を結成しました。
LS北見では明るい性格を持ち味にリーダーとして若い選手たちを引っ張ってきました。2015年に出産したあとは、競技と育児を両立させながらオリンピックを目指し、ことしの日本選手権ではサードとして活躍しました。
今回の日本代表決定戦ではリザーブに回って、戦略面などでチームを支えていました。
LS北見のキャプテン、本橋麻里選手は「24歳の時に地元の北見へ戻ってこのチームを立ち上げ、多くの方に支えてもらって、チームの1番の目標であったオリンピック出場をかなえられることはできたので、まずは感謝したい。日本代表決定戦で自分は試合に出ることができず、悔しい思いもあるが、頼もしい後輩たちがいて幸せです」と話していました。
そして、自身にとって3回目となるオリンピック出場については「オリンピックまでの5か月をどう過ごすかが大事で、あすから気持ちを切り替えて各国の代表チームとの対戦に向けて力をつけていきたい」と話していました。
北見でパブリックビューイング
北見市ではテレビで観戦した市民たちが、地元を拠点とするチームのオリンピック出場決定を喜びました。
北見市の北見市民温水プールではパブリックビューイングが行われ、午前9時ごろから市民たちおよそ50人が集まりました。
試合開始直後の第1エンドで、スキップの藤澤五月選手がラストショットを決めて一挙に3点が入ると大きな拍手が起こっていました。
そしてLS北見が勝利すると用意されたくす玉が割られ、集まった人たちは地元を拠点とするチームの初めてのオリンピック出場を喜んでいました。
観戦した男性は「試合内容はハラハラドキドキする展開でしたが、オリンピック出場が決まってよかった。オリンピックではぜひとも頑張ってほしい」と話していました。