群馬県と
埼玉県にある
総菜店で
販売された
総菜を
食べた
人から
相次いで
O157が
検出された
問題で、
前橋市の
同じ
系列店で
購入した
タケノコや
エビの
炒め
物などを
食べた
東京の
3歳の
女の子から
O157が
検出され、
死亡していたことがわかりました。この
問題で
死者が
出たのは
初めてで、
保健所は、
不特定多数が
利用する
店内で
2次的に
菌が
付着した
可能性があるという
見解を
示しました。
先月、
群馬県と
埼玉県にある
総菜店「でりしゃす」の
4つの店舗で
加工販売された
ポテトサラダや
コールスローサラダなどを
食べた
23人が
腹痛などを
訴え、このうち
20人から
腸管出血性大腸菌O157が
検出されました。
このうち、前橋市の六供店では、これまでにポテトサラダなどを食べた9人からO157が検出されていましたが、前橋市によりますと、新たにこの店の総菜を食べた東京都内の3歳の女の子からO157が検出され、死亡していたことがわかりました。
市によりますと、女の子が食べたのはタケノコやエビの炒め物など加熱した総菜で、ポテトサラダなどのサラダ類は食べていないということです。
また、ほかの患者と同様に先月11日に販売されたものをその日に食べ、その後、体調の異常を訴え、O157による溶血性尿毒症症候群を発症し、今月8日に死亡したということです。
厚生労働省によりますと、女の子から検出されたO157の遺伝子の型は一連の問題でこれまでに感染した人たちから検出された型と一致したということです。
この問題で死者が出たのは初めてです。
前橋市によりますと、この店では、総菜がふたのない状態で大皿に入れて販売され、客がトングを別の総菜にも使い回せる状態だったということです。
このため、前橋市は、細菌の混入経路について、炒め物が調理された後、店内で販売中に菌が付着し2次的に汚染が広がった可能性があるという見解を示しました。
前橋市保健所の渡邉直行所長は「この店では、消費者が好きなものを好きな量、自分で取り分けるスタイルで、不特定多数が利用する。食の安全のためにより適切な対応が求められる」と述べました。
保健所は、このほか、女の子と同じ総菜を食べた前橋市の60代の女性も感染したことを明らかにし、一連の問題で感染した人は、亡くなった女の子を含め、22人となりました。
専門家「具体的な対策普及してない」
食中毒に詳しい東京医科大学の中村明子兼任教授は「O157は、感染した時の菌の量によって症状が出るまでの時間が異なることは十分にありえる。今回、死亡した女の子は東京都に住んでいて、発生の時期が夏休みということで人の動きが多い時期であったことも、一連の食中毒との関連がわかるまで時間がかかった原因になったのではないか」と分析しています。
そして、詳しい原因はまだわかっていないが、一部の専門家の中では、並べられた総菜などを不特定多数の客がみずから取りわけて購入する販売方法の店舗で、どのように衛生状態を管理するかは課題として認識されてきたが、具体的な対策は普及していないとしたうえで、「店側は、客が使うトングを1回ごとに交換できるようにしておくことや、特に夏の時期はあらかじめパック詰めにするなどの対策も考えてほしい。また、消費者は食品になんらかの菌があることも常に考慮して購入したらすぐに冷蔵庫に入れるほか速やかに食べきることを勧めたい」と指摘しています。
さらに、O157による食中毒について「症状によっては重い後遺症の残る深刻な病気だ。特に子どもと高齢者は重症になりやすいため、下痢などの症状が出たらためらわずに医療機関を受診してほしい」と話していました。
ことしの感染者数は
厚生労働省によりますと、全国の自治体から報告のあったO157の感染者は、今月3日までに合わせて1320人に上っています(去年同期比±0人)。
先月は感染者が特に多く、8月27日までの1週間で203人、8月20日までの1週間で193人に上っています。
今月に入って感染者は減少していますが、厚生労働省は引き続き感染への対策を徹底するよう呼びかけています。
O157に感染した東京都内の3歳の女の子が死亡したことを受けて、厚生労働省は13日、全国の自治体に通知を出し、感染への注意を広く呼びかけるよう求めることにしています。
厚生労働省は、先月はO157の患者が例年より多く、これからも注意が必要だとして、調理の際は手をよく洗うことや、肉などの食材を十分加熱することなどを徹底してほしいとしています。