大関おおぜき昇進しょうしんの朝あさ乃山さん「相撲すもう愛いとし正義まさよし全まっとう」

日本にっぽん相撲すもう協会きょうかいは、大阪おおさか 浪速なにわ区くにある大阪おおさか府立ふりつ体育たいいく会館かいかんで５月ごがつの夏場なつば所しょに向むけた番付ばんづけ編成へんせい会議かいぎと臨時りんじ理事りじ会かいを開ひらき、朝あさ乃山やまの大関おおぜき昇進しょうしんを正式せいしきに決きめました。

これを受うけて相撲すもう協会きょうかいの２に人にんの使者ししゃが朝あさ乃山やまと師匠ししょうの高砂たかさご親方おやかたが待まつ大阪おおさか 中央ちゅうおう区くの高砂たかさご部屋へやの宿舎しゅくしゃを訪おとずれ、大関おおぜきへの昇進しょうしんを伝つたえました。

これに対にたいし朝あさ乃山やまは口上こうじょうで「謹つつしんでお受うけ致いたします。大関おおぜきの名なに恥はじぬよう相撲すもうを愛あいし、力士りきしとして正義せいぎを全まっとうし一生懸命いっしょうけんめい努力どりょくします」と決意けついを述のべました。

出羽海でわのうみ親方おやかた「口上こうじょうに意欲いよくを感かんじた」

日本にっぽん相撲すもう協会きょうかいの使者ししゃとして、大関おおぜきに昇進しょうしんした朝あさ乃山やまのもとを訪おとずれた出羽海でわのうみ親方おやかたは「朝あさ乃山やまは緊張きんちょうしていたように見みえた。口上こうじょうには、しっかり頑張がんばるという意欲いよくを感かんじた。真っ向まっこう勝負しょうぶという意味いみで、今いまの相撲すもうをさらに磨みがいてさらに上うえを目指めざしてほしい」と話はなしていました。

同おなじく使者ししゃを務つとめた千田せんだ川がわ親方おやかたは「堂々どうどうとしていた。あまり緊張きんちょうせず、はっきりと自分じぶんの思おもいを話はなしていた。同おなじ高砂たかさご一門いちもんなので期待きたいしている。頑張がんばってほしい」と期待きたいしていました。

「口上こうじょう」とは

大関おおぜき昇進しょうしんは、日本にっぽん相撲すもう協会きょうかいの使者ししゃが新しん大関おおぜきと師匠ししょうのもとを訪おとずれて直接ちょくせつ伝達でんたつし、新しん大関おおぜきは、受諾じゅだくする意思いしとともに大関おおぜきとしての決意けついを示しめす「口上こうじょう」を述のべます。

平成へいせいの大だい横綱よこづな 貴乃花たかのはなは、平成へいせい５ご年ねんに大関おおぜきに昇進しょうしんした際さい、「今後こんごも不撓ふとう不屈ふくつの精神せいしんで相撲すもう道どうに精進しょうじんします」と述のべました。

「不撓ふとう不屈ふくつ」は「どんな苦労くろうや困難こんなんにもくじけないこと」という意味いみの言葉ことばで、貴乃花たかのはなが横綱よこづな昇進しょうしんの際さいにも用もちいていました。

貴乃花たかのはなのように四よん字じ熟語じゅくごを用もちいる例れいは多おおく、貴乃花たかのはなの兄あにの元もと横綱よこづな 若乃花わかのはなが大関おおぜきに昇進しょうしんした際さいは「今後こんごも一意いちい専心せんしんの気持きもちを忘わすれず相撲すもう道どうに精進しょうじん致いたします」と口上こうじょうを述のべました。

「一意いちい専心せんしん」は「わき目わきめもふらず心こころを一ひとつのことだけに注そそぐ」という意味いみです。

一方いっぽうで、四よん字じ熟語じゅくごなどを使つかわない簡潔かんけつな口上こうじょうもありました。

元もと横綱よこづな 稀まれ勢ぜいの里さとが平成へいせい23年ねんに昇進しょうしんした際さいの口上こうじょうは「大関おおぜきの名なを汚よごさぬよう精進しょうじんします」ということばでした。

去年きょねんの春場所はるばしょのあと、貴き景勝けいしょうが大関おおぜきに昇進しょうしんした際さいには「武士ぶし道どう精神せいしんを重おもんじ、感謝かんしゃの気持きもちと思おもいやりを忘わすれず相撲すもう道どうに精進しょうじんして参まいります」と述のべ、「武士ぶし道どう精神せいしん」という漢字かんじ５ご文字もじに思おもいを込こめました。

そして、朝あさ乃山やまの師匠ししょうの高砂たかさご親方おやかたが、朝あさ潮しおとして大関おおぜきに昇進しょうしんした際さいには「大関おおぜきの名なに恥はじぬよう、これからも一生いっしょう懸命けんめいがんばります」と述のべていて、朝あさ乃山やまがどのようなことばを用もちいるのか伝達でんたつ式しきでの口上こうじょうが注目ちゅうもくされています。

朝あさ乃山さんとは

大関おおぜきに昇進しょうしんした関脇せきわけ 朝あさ乃山やまは富山とやま市し出身しゅっしんの26歳さい。

身長しんちょう１いちメートル88センチ、体重たいじゅう177キロの体格たいかくをいかした前まえに出でる相撲すもうが信条しんじょうで、右みぎを差さし左ひだりの上手じょうずを取とる「右みぎ四よっつ」が得意とくいです。

小学生しょうがくせいの時ときに相撲すもうを始はじめ、富山とやま商業しょうぎょう高校こうこうでは当時とうじ、相撲すもう部ぶの監督かんとくで３さん年ねん前まえに亡なくなった浦山うらやま英樹ひできさんから「右みぎ四よっつ」を学まなびました。

大学だいがくは強豪きょうごうの近畿きんき大学だいがくに進すすみ、ことし１月いちがつ、初はつ場所ばしょ中ちゅうに急死きゅうしした伊東いとう勝人まさと監督かんとくの厳きびしい指導しどうで頭角とうかくを現あらわし４よん年生ねんせいで出場しゅつじょうした全日本ぜんにほん選手権せんしゅけんではベスト４よんに入はいるなど活躍かつやくしました。

そして、大学だいがくの先輩せんぱいに当にあたる元もと大関おおぜき 朝あさ潮しお、高砂たかさご親方おやかたが師匠ししょうを務つとめる高砂たかさご部屋へやに入門にゅうもんし卒業そつぎょう後ごの平成へいせい28年ねん春場所はるばしょ、三さん段だん目め100枚まい目め格付かくづけ出だしで初はつ土俵どひょうを踏ふみました。

大関おおぜき 貴き景勝けいしょうや御ご嶽たけ海かいなど同どう世代せだいの関取せきとりが押おし相撲すもうを得意とくいとする中なか、アマチュア時代じだいから一貫いっかんして磨みがき続つづけた「右みぎ四よっつ」で寄り切よりきる相撲すもうを持ち味もちあじに順調じゅんちょうに番付ばんづけを上あげ、平成へいせい29年ねん秋場所あきばしょで新しん入幕にゅうまくを果はたしこの場所ばしょで10勝しょうをあげて敢闘かんとう賞しょうを獲得かくとくしました。

前頭まえがしら８はち枚まい目めで臨のぞんだ去年きょねんの夏場なつば所しょでは、12勝しょう３さん敗はいで初はつ優勝ゆうしょうし千秋楽せんしゅうらくにアメリカのトランプ大統領だいとうりょうから「アメリカ大統領だいとうりょう杯はい」を手渡てわたされ大おおきな注目ちゅうもくを集あつめました。

大関おおぜき昇進しょうしんに向むけては、新しん小結こむすびで臨のぞんだ去年きょねんの九州きゅうしゅう場所ばしょで11勝しょう、新しん関脇せきわけで迎むかえたことしの初はつ場所ばしょでは10勝しょうし２に場所ばしょ続つづけてふた桁けた勝利しょうりをあげました。

そして、大関おおぜき昇進しょうしんがかかった春場所はるばしょも信条しんじょうの前まえに出でる相撲すもうを貫つらぬき、「右みぎ四よっつ」の力強ちからづよい相撲すもうで白星しろぼしを重かさね、白はく鵬ほうと鶴つる竜りゅうの両りょう横綱よこづなには敗やぶれましたが、千秋楽せんしゅうらくに大関おおぜき 貴き景勝けいしょうを破やぶるなど11勝しょうをあげました。

直近ちょっきん３さん場所ばしょの勝ち星かちぼしの合計ごうけいは「32」で、大関おおぜき昇進しょうしんの目安めやすとされる「33」には届とどかなかったものの昇進しょうしんの議論ぎろんを預あずかる日本にっぽん相撲すもう協会きょうかいの審判しんぱん部ぶから相撲すもう内容ないようが高たかく評価ひょうかされていました。

八角はっかく理事りじ長ちょう「土俵どひょうに上あがったら鬼おにに」

大関おおぜきに昇進しょうしんした朝あさ乃山やまについて、日本にっぽん相撲すもう協会きょうかいの八角はっかく理事りじ長ちょうは「朝あさ乃山やまの相撲すもうっぷりは堂々どうどうとしている。これからは右みぎ四よっつの型かたを磨みがくことと、もっと気迫きはくを前面ぜんめんに出だし、土俵どひょうに上あがったら鬼おにになるくらいの気持きもちで、ふだんも土俵どひょうもすべての生活せいかつを相撲すもうに懸かけてほしい。期待きたいしている」とコメントしました。