「基本きほん的てき対処たいしょ方針ほうしん」決定けってい 緊急きんきゅう経済けいざい対策たいさくの策定さくていを指示しじ 新型しんがたコロナ

政府せいふは、28日にち夜よる、法律ほうりつに基もとづいて先さきに設置せっちした対策たいさく本部ほんぶを総理そうり大臣だいじん官邸かんていで開ひらきました。

会合かいごうでは、新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだいに対にたいする、政府せいふの全般ぜんぱん的てきな方針ほうしんなどを盛り込もりこんだ「基本きほん的てき対処たいしょ方針ほうしん」を決定けっていしました。

これによって、総理そうり大臣だいじんが「緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげん」を行おこなうための法律ほうりつ上じょうの手続てつづきが整ととのうことになりますが、政府せいふは、東京とうきょう都との感染かんせん者しゃ数すうは人口じんこうに比くらべれば少すくない水準すいじゅんにとどまっていて、「宣言せんげん」を行おこなう状況じょうきょうではないとしています。

安倍あべ総理そうり大臣だいじんは「国民こくみんの生命せいめいを守まもるため、状況じょうきょうを的確てきかくに把握はあくし、国くにや自治体じちたい、医療いりょう関係かんけい者しゃなどが準拠じゅんきょすべき統一とういつ的てきな指針ししんとなるものだ。今いまがまさに極きわめて重要じゅうような時期じきで対処たいしょ方針ほうしんを着実ちゃくじつかつ迅速じんそくに実行じっこうし、政府せいふ一丸いちがんとなって全力ぜんりょくを挙あげていくようお願おねがいする」と述のべました。

また、安倍あべ総理そうり大臣だいじんは深刻しんこくな影響えいきょうが出でている経済けいざい状況じょうきょうに対応たいおうするため、リーマンショックの際さいを上回うわまわる規模きぼの緊急きんきゅう経済けいざい対策たいさくを策定さくていし、新しん年度ねんどの補正ほせい予算よさん案あんを編成へんせいすることを明あきらかにしました。

そのうえで、緊急きんきゅう経済けいざい対策たいさくは、感染かんせん拡大かくだい防止ぼうし策さくと医療いりょう提供ていきょう体制たいせいの整備せいび、雇用こようの維持いじと事業じぎょうの継続けいぞくに加くわえて、新型しんがたコロナウイルス対策たいさくのための予備よび費ひの創設そうせつなど、５いつつを柱はしらに、今後こんご10日にち程度ていどで取とりまとめるよう、西村にしむら経済けいざい再生さいせい担当たんとう大臣だいじんらに指示しじしました。

基本きほん的てき対処たいしょ方針ほうしんとは

政府せいふが決定けっていした「基本きほん的てき対処たいしょ方針ほうしん」では、現在げんざいの国内こくないの状況じょうきょうは、すでに感染かんせん経路けいろの不明ふめいな患者かんじゃが増加ぞうかしている地域ちいきが散発さんぱつ的てきに発生はっせいしており、今後こんご、全国ぜんこくに拡大かくだいすれば、爆発ばくはつ的てきな感染かんせん拡大かくだいを伴ともなう大だい規模きぼな流行りゅうこうにつながりかねないと指摘してきしています。

そのうえで、全般ぜんぱん的てきな方針ほうしんとして、情報じょうほうの提供ていきょうと共有きょうゆう、それにまん延まんえん防止ぼうし策さくによって、感染かんせん者しゃの集団しゅうだん＝クラスターを封じ込ふうじこめ、感染かんせん拡大かくだいの速度そくどを抑制よくせいするとともに、適切てきせつな医療いりょうの提供ていきょうで、重症じゅうしょう者しゃや死亡しぼう者しゃの発生はっせいを最小さいしょう限げんに食い止くいとめるべく万全ばんぜんを尽つくすとしています。

具体ぐたい的てきには、まず、情報じょうほうの提供ていきょうや共有きょうゆうについて、感染かんせん症しょうの発生はっせい状況じょうきょうや専門せんもん家かが解析かいせきした情報じょうほうなどを正確せいかくで分わかりやすく提供ていきょうするとともに、企業きぎょうや大学だいがくに対にたいし、海外かいがい渡航とこうの是非ぜひの判断はんだんや帰国きこく者しゃへの外出がいしゅつ自粛じしゅくの要請ようせいなど必要ひつような対策たいさくを講こうじるよう周知しゅうちするとしています。

また、まん延まんえん防止ぼうし策さくについては、「密閉みっぺい、密集みっしゅう、密接みっせつ」の３みっつの条件じょうけんが重かさなる集あつまりを自粛じしゅくするよう強つよく求もとめるとともに、特とくに大だい都市とし圏けんは十分じゅうぶんな注意ちゅういが必要ひつようだとしたうえで人ひとが集あつまる施設しせつでの対策たいさくの徹底てっていや入国にゅうこく制限せいげんや検疫けんえきの強化きょうかなど水際みずぎわ対策たいさくを引き続ひきつづき実施じっしするとしています。

さらに、医療いりょう体制たいせいについては、患者かんじゃの増加ぞうかで重症じゅうしょう者しゃへの治療ちりょうに支障ししょうを来きたすおそれがあると判断はんだんされる地域ちいきでは、軽症けいしょう者しゃは自宅じたく療養りょうようとし、患者かんじゃの増加ぞうかに応おうじて一般いっぱんの医療いりょう機関きかんでも診療しんりょうを行おこなうとしています。

そして、今後こんごの状況じょうきょうが「緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげん」の要件ようけんに該当がいとうするかどうかは、海外かいがいや国内こくないの感染かんせん状況じょうきょうを踏ふまえて、国民こくみん生活せいかつや経済けいざいに甚大じんだいな影響えいきょうを及およぼすおそれがあるかを、専門せんもん家かでつくる「諮問しもん委員いいん会かい」の意見いけんを十分じゅうぶん踏ふまえたうえで、総理そうり大臣だいじんが総合そうごう的てきに判断はんだんするとしています。

一方いっぽう、対処たいしょ方針ほうしんの原案げんあんでは、宣言せんげん後ごに、都道とどう府県ふけん知事ちじが外出がいしゅつの自粛じしゅく要請ようせいなどを行おこなえる期間きかんとして、21日にち程度ていどが適当てきとうだとしていましたが、最終さいしゅう的てきには盛り込もりこまれず、政府せいふは、宣言せんげんする際さいには対処たいしょ方針ほうしんを変更へんこうすることにしています。

経済けいざい再生さいせい担当たんとう相しょう「緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんは適切てきせつに判断はんだん」

西村にしむら経済けいざい再生さいせい担当たんとう大臣だいじんは、対策たいさく本部ほんぶのあと記者きしゃ会見かいけんし「緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげん」について「できることなら使つかわず、『伝家でんかの宝刀ほうとう』であってほしいという思おもいは今いまも持もっているが、国民こくみんの生命せいめいや健康けんこうを守まもるために必要ひつようだという専門せんもん家かの意見いけんが出でれば、適切てきせつに判断はんだんしなければならない」と述のべました。

一方いっぽう、緊急きんきゅう経済けいざい対策たいさくの規模きぼについて「財政ざいせい支出ししゅつも含ふくめ、リーマンショックの時ときに講こうじた対策たいさくを上回うわまわるものになる。関係かんけい省庁しょうちょうと調整ちょうせいし、安倍あべ総理そうり大臣だいじんからの指示しじに見合みあう対策たいさくをまとめたい」と述のべました。

また、現金げんきんなどの給付きゅうふについては「政治せいじ家かや公務員こうむいんのように所得しょとくに影響えいきょうを受うけていない人ひともおり、影響えいきょうを受うけた人ひとにきちんと支援しえんを行おこなうのが第だい一いち段階だんかいだ。感染かんせんの終息しゅうそく後ごに、消費しょうひや観光かんこうを喚起かんきする段階だんかいにはできるだけ多おおくの人ひとに幅広はばひろく使つかってもらう仕組しくみがいいのではないか」と述のべました。

諮問しもん委員いいん会かい会長かいちょう「何なにがあってもおかしくない状況じょうきょう」

「諮問しもん委員いいん会かい」の会長かいちょうで、地域ちいき医療いりょう機能きのう推進すいしん機構きこうの尾身おみ茂しげる・理事りじ長ちょうは記者きしゃ会見かいけんで、「適切てきせつな対処たいしょ方針ほうしんだと思おもうので、やるべきことはすぐに実行じっこうしてもらいたい。きょうの時点じてんでは『緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげん』に当あたると判断はんだんしていないが、何なにがあってもおかしくない状況じょうきょうだ。いろいろなシナリオについて頭あたまの体操たいそうをしておく必要ひつようがある」と述のべました。