活発な
前線の
影響で、
九州北部では
断続的に
非常に
激しい雨が
降り
記録的な
大雨となっていて、
気象庁は、
6日夕方、
福岡県、
佐賀県、
長崎県に
大雨の
特別警報を
発表しました。
気象庁は
数十年に
一度しかないような
災害が
差し迫っているとして、
土砂災害や
川の
氾濫、
浸水に
最大級に
警戒するとともに、
周囲の
状況を
確認し
直ちに安全を
確保するよう
呼びかけています。
気象庁によりますと、
本州付近に
停滞する
梅雨前線の
活動が
活発になっているため
大気の
状態が
非常に
不安定になり、
九州北部を
中心に
発達した
雨雲がかかり
続けています。
午後5時までの1時間には、佐賀県嬉野市で67ミリ、福岡県が筑紫野市に設置した雨量計で59ミリ、長崎県が東彼杵町に設置した雨量計で58ミリの非常に激しい雨を観測しました。
午後5時までの72時間に降った雨の量は、佐賀県伊万里市で530ミリ、福岡県太宰府市で524ミリで、平年の7月1か月に降る雨の量の1.5倍になっているほか、長崎県佐世保市では平年の7月1か月分にあたる379ミリで、各地で記録的な大雨になっています。
気象庁は、これまでに降った大雨で数十年に一度しかないような災害が差し迫っているとして、午後5時10分、福岡県、佐賀県、長崎県に大雨の特別警報を発表しました。
午後5時現在、福岡県、佐賀県、広島県、山口県、京都府、それに岐阜県では氾濫の危険性が非常に高い「氾濫危険水位」を超えている川があります。
また、土砂災害の危険性が非常に高まり、自治体が避難勧告などを出す目安とされる「土砂災害警戒情報」が各地に発表されています。
発表されている地域があるのは、福岡県、佐賀県、長崎県、大分県、広島県、岡山県、山口県、鳥取県、香川県、愛媛県、徳島県、高知県大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、奈良県、長野県、福井県、石川県、それに岐阜県です。
今後の雨の見通しです。
前線の活動が活発な状態が続き、福岡県、佐賀県、長崎県では7日夕方にかけて、西日本や東日本では、8日の日曜日にかけて局地的に1時間に80ミリの猛烈な雨が断続的に降る見込みで、広い範囲で過去の大雨を上回る記録的な大雨になるおそれがあります。
7日の夕方までの24時間に降る雨の量は、いずれも多いところで、四国で400ミリ、九州で300ミリ、関東甲信と近畿、東海、中国地方で200ミリ、北陸で150ミリと予想されています。
さらに、7日の夕方から8日夕方までの24時間には、四国で100ミリから200ミリ、北海道で100ミリから150ミリ、九州、中国地方、近畿、東海、北陸、関東甲信それに東北で、50ミリから100ミリの雨が降る見込みです。
大雨となっている地域では、今後の雨でさらに川が増水して氾濫の危険性が高まり、土砂災害の危険性もさらに高まるおそれがあり、気象庁は土砂災害や川の氾濫、浸水に、最大級の警戒をするよう呼びかけていています。
そのうえで、自治体の情報に従って直ちに安全な場所に避難するか、周囲の状況を確認して外に出るのが危険な場合は建物の2階以上に移動するなどできるかぎり安全を確保するよう呼びかけています。また、増水した川や用水路、急な崖など危険な場所には絶対に近づかないようにしてください。
特別警報は去年7月以来
特別警報が発表されたのは、去年7月5日に九州北部で猛烈な雨が降り、大規模な災害が発生した「九州北部豪雨」で、福岡県と大分県に出されて以来です。
早めに安全の確保を
特別警報は、大規模で重大な災害の危険性が非常に高くなっているときに発表されます。
数十年に1度しかないような、いわば「緊急事態」であることを示す最大級の警報です。
特別警報が出た地域の方は、避難勧告や避難指示など自治体が発表する情報に注意して周りの状況をよく確認し、安全な場所に避難する必要があります。
ただ、今回は、非常に激しい雨が降り続き、地域によっては土砂災害や川の氾濫が発生していたり、浸水が広がっていたりして、夜間に外に出て避難すると、かえって危険な場合があります。
周りの状況をよく確認し、外に出ることが難しい場合には無理に避難せず、建物の2階以上に上がったり、崩れるおそれがある斜面から離れた部屋に移ったりして建物の中のできるだけ安全な場所で身を守ってください。
また、特別警報が出ていない地域でも、すでに大雨や洪水の警報が出ている場合には、今後、状況が悪化して、重大な災害が発生するおそれもあります。
特別警報以外の警報が出ている地域の方も、天候の変化や、避難勧告や避難指示といった自治体からの情報に注意して、安全な場所に避難しておくなど、早めに安全を確保してください。
過去の特別警報は
「特別警報」は、警報の基準をはるかに超えるような重大な災害が起こる危険性が非常に高いときに、最大級の警戒を呼びかけるため、気象庁が5年前の平成25年8月に導入しました。
初めて特別警報が発表されたのは、導入された年の翌月の平成25年9月で、台風の影響で記録的な大雨となり、滋賀県と京都府、それに福井県に大雨の特別警報が出されました。
また、平成27年9月の「関東・東北豪雨」では、栃木県と茨城県、それに宮城県に大雨の特別警報が出されました。
この災害では、台風から変わった温帯低気圧などの影響で、関東や東北に「線状降水帯」と呼ばれる発達した帯状の積乱雲がかかり続けて記録的な大雨となり、茨城県の鬼怒川の堤防が決壊するなど、大規模な浸水の被害が出ました。
そして去年7月の「九州北部豪雨」でも、線状降水帯がかかり続けた福岡県と大分県に大雨の特別警報が出されました。
大雨特別警報発表
大雨特別警報が発表された市町村です。
福岡県
福岡市、筑紫野市、春日市、大野城市、太宰府市、糸島市、那珂川町、宇美町、篠栗町、志免町、須恵町、久山町、粕屋町、北九州市、京築行橋市、苅田町みやこ町、築上町、直方市、飯塚市、田川市、宮若市、嘉麻市、小竹町、鞍手町、桂川町、香春町、添田町、糸田町、川崎町、大任町、赤村福智町、久留米市、小郡市、朝倉市、筑前町。
長崎県
長崎市、大村市、西海市、松浦市、佐世保市、東彼杵町、川棚町、波佐見町。
佐賀県
佐賀市、多久市、小城市、鳥栖市、神埼市、吉野ヶ里町、基山町、上峰町、みやき町、武雄市、大町町、鹿島市、嬉野市、唐津市、玄海町、伊万里市、有田町、江北町、白石町。