「自身の給与がどのような根拠によって決定されているかを理解している人は、果たしてどれほどいるだろうか。
」この問いいを女性販売員の多い企業に投げかけた所、手を挙げる者はほとんど見受けられなかった。
即使在有很多女性業務員工的公司提出這個問題,幾乎也沒有人舉手回答。
それどころか、「売上」と「利益」の違いすら把握していない従業員も散見されたという。
こうした状況は、特定の企業に限らず、多くの職場で共通して見られる現象である。
這種情況並不限於特定企業,而是在許多職場中普遍存在的現象。
松本めぐみ氏は、中小企業経営において多くの困難に直面した自身の経験をもとに、「風船会計」と名付けた独自の会計教育手法を考案し、企業研修の場で広く普及させている。
松本惠美女士根據自己在中小企業經營中所面臨的諸多困難,創立了名為「氣球會計」的獨特會計教育法,並在企業培訓中廣泛推廣。
自動車部品工場への嫁入り後、赤字経営や人事問題、顧客対応、在庫管理に加え、三児の子育てにも追われる日々の中で、松本氏は「単なる場当たり的な対応に終始するのではなく、より創造的で意義ある仕事にできないか」と模索した。
結婚後,在汽車零件製造工廠工作時,松本先生在面對經營不善、人力資源問題、客戶應對及庫存管理等課題的同時,還要撫養三個年幼的孩子,因此他苦思著:「能不能把這份工作變成不只是權宜之計,而是更有創造性、更有意義的事情呢?」
その結果、会計を風船や貯金箱に見立てて学ぶ「風船会計」メソッドを確立し、これが話題を呼んで大企業から中小・零細企業まで幅広く研修依頼が寄せられるようになった。
因此,她建立了「氣球會計」這一方法,這是一種利用氣球和存錢筒的形象來學習會計的方法。這個方法受到了關注,從大型企業到中小企業都紛紛提出許多培訓的要求。
この研修を受けた従業員たちは、自身の給与の根拠や、仕事がもたらす数字の意味を理解することで深い感銘を受け、時には感極まって涙を流すこともあったという。
參加這次培訓的員工們,了解了自己所領取薪資的依據以及工作中數字的意義,感到非常感動,甚至有人激動得流下了眼淚。
松本氏は「会計とは、対立を合意へと導き、全員が未来に向かって進むための地図である」と述べている。
松本先生認為:「會計是一張從對立導向共識的地圖,也是幫助大家邁向未來的工具。」
漠然とした将来不安も、数字として可視化し地図のように広げることで、具体的な意思と希望へと転換されるのである。
只要將對未來模糊不清的不安,以數字呈現並像地圖一樣攤開來看,就能轉化為具體的意志與希望。
松本氏が執筆したコラムは財務省発行の「ファイナンス」12月号の巻頭言として掲載され、未来の日本に必要な視点が温かく描かれている。
松本先生的文章刊登在財務省發行的12月號雜誌《Finance》的開頭,展現了對日本未來所需的溫暖視角。
氏は高等専門学校で電気電子工学を学び、半導体装置メーカーのエンジニアとして勤務していたが、当時は売上と利益の違いすら意識していなかった。
她曾在工業高等專門學校學習電氣與電子工程,也曾在半導體設備公司擔任工程師,但那時她甚至沒有意識到營業額和利潤的區別。
現場では性能や精度が重視され、商売に関する視点は欠如していたという。
その後、スイスでMBAを取得し、会計を基礎から学び直した経験が、現在の経営手法に大きく影響を与えている。
之後,她在瑞士取得了MBA學位,並從基礎重新學習會計。這段經歷對她現在的管理方法產生了重大影響。
現在、松本氏は自動車部品製造会社の取締役として十年以上経営に携わっており、常に「人」と「金」の問題に直面してきた。
目前,松本先生已在汽車零件製造公司擔任經營負責人超過十年,並且經常面臨有關「人」與「金錢」的問題。
かつては部署間の主張が衝突し、経営層の意図が現場に伝わらず、人事トラブルが発生することもあった。
以前,各部門經常發生意見分歧,經營層的意圖無法傳達到現場,導致人事相關的糾紛發生。
そこで、数字を誰にでも伝わる形に翻訳し、決算書を図で理解する「風船会計」メソッドを考案した結果、全従業員が経営者意識を持ち、売上・粗利・在庫・固定費・回収を自ら確認しながら、静かに方向修正を行うようになった。
因此,她想出了「氣球會計」這種方法,將數字轉換成任何人都能理解的形式,讓大家能夠用圖像來理解財務報告。結果,所有員工都開始具有經營者意識,主動確認銷售額、毛利、庫存、固定成本、回收等,並在暗中調整方向。
数字が共通言語となることで、対立は合意に、指示待ちは自律へと変化したのである。
當數字成為共同語言時,對立會轉化為共識,等待指示會轉變為自主行動。
教育現場においても同様の成果が得られている。
小学校から大学まで幅広い年代を対象に授業を行い、先日は中学三年生五十名と共にサンリオとオリエンタルランドの決算書を比較した所、アンケートでの理解度は百パーセントに達した。
她從小學到大學,教過各種年齡層的學生,最近在和50名國中三年級學生比較三麗鷗與東方樂園的財務報表時,問卷結果顯示理解度達到100%。
これまでに数百人の学生、中小企業経営者五百名、大企業従業員一万人以上に決算書の読み方を伝えてきたが、多くの人々が「数字は苦手だ」と感じていたものの、BSとPLのつながりが理解できると、表情が明るくなり、会話が前進するようになった。
我已經向數百名學生、500位中小企業經營者,以及超過一萬名大企業員工傳授過財務報表的閱讀方法。許多人覺得自己「不擅長處理數字」,但當他們理解資產負債表(BS)與損益表(PL)之間的關係後,他們的表情變得開朗,對話也更加深入發展。
決算書は社会を映し出す鏡であり、その読み解き方を習得すれば、抽象的な不安が具体的な希望へと変わるのである。
財務報表是映照社會的鏡子,只要理解其閱讀方式,模糊的不安就能轉化為具體的希望。
ここで福澤諭吉の思想に触れたい。
福澤が重視したのは、「誰が読んでも同じ結論に至る帳簿」であった。
他所重視的是「無論誰來閱讀都能得出相同結論的帳簿」。
帳簿があれば事実に基づいた議論が可能となり、意思決定が容易になる。
如果有帳簿,就能根據事實進行討論,決策也會變得更容易。
帳簿は約束の証拠であり、信用が蓄積されることで人も資金も集まり、公正な分配が実現する。
帳簿是承諾的證明,當信任逐漸累積時,人力與資本便會聚集,從而實現公平的分配。
家計や商店、工場の帳簿が整えば、国全体の無駄が減り、富が増大する。
如果家庭、商店和工廠的帳簿都整理得井井有條,整個國家的浪費就會減少,財產也會增加。
『帳合之法』の普及は、声の大きさではなく契約と計算が通用する社会への転換を促した。
「帳合之法」(帳簿記帳法)的普及,促使社會從依賴大聲喊叫,轉變為以契約和計算為基礎。
今こそ私たちが取り戻すべきは、難解さを競う学問ではなく、生活と現場に役立つ実学としての会計である。
現在,我們應該重新掌握的不是複雜的學問,而是對生活和現場有幫助的實用會計知識。
仮に会計が義務教育に組み込まれていたならば、進路の選択肢は大きく広がるだろう。
如果會計被納入義務教育,未來的發展選擇將會大大擴展。
大企業のみならず、成長著しい中小企業や起業、家業の承継も現実的な選択肢となる。
不僅是大型企業,對於成長中的中小企業、新創公司,甚至是繼承家族事業時,也將成為現實的選擇。
会計は「持続する力」を与えるものであり、景気や職場環境が変化しても、BS・PL・CFという地図を用いて立て直すことが可能となる。
會計帶來「持續的強大」。即使經濟或職場環境發生變化,也能透過資產負債表(BS)、損益表(PL)、現金流量表(CF)這些地圖來恢復。
企業内部では会計という共通言語による全体最適の議論が可能となり、部署間の摩擦も減少する。
在企業中,透過使用共通語言——會計來討論整體最佳化,可以減少部門之間的摩擦。
公共部門においても「資金の出所や用途」が生活の常識となれば、参加意識が高まり、無駄が削減され、説明責任も明確になる。
在公共部門中,如果「資金的來源與用途」成為一般常識,參與意識將會提升,浪費會減少,說明責任也會更加明確。
数字は人を裁くためのものではなく、明日の歩みを静かに照らす道具である。
數字不是用來評斷人的,而是靜靜地照亮邁向明日之路的工具。
現場の小さな変化の積み重ねが、しなやかで強靭な国家を育てる。
私はその未来を、今日の一枚の決算書から始めたいと考えている。
そこに込めたいのは、日本に「商売力」を育むことである。
「商売力」とは、創出した価値を丁寧に伝え価格に反映させる力、資金を絶やさず従業員の安心を守る力、迷った際に数字をもとに冷静に議論できる力である。
「商業能力」是指能夠謹慎地傳達所創造的價值,並將其反映在價格上的能力;能夠避免資金短缺、保障員工安心的能力;以及在猶豫時,能夠根據數據冷靜討論的能力。
家庭では「わが家の一枚決算」を囲み、企業では週に一度数字を確認しながら小さな修正を決定する。
在家庭中,大家會一起查看「自己家的財務報告書」,在企業裡則每週確認數據,並決定小幅調整。
学校では子どもたちが決算書を読み、行政では収入と支出を一枚で示す。
在學校裡,孩子們閱讀財務報告書;在政府機關裡,收支被記載在一張紙上。
場所は異なっても、同じ地図を共有できれば、歩調は自然と揃う。
只要能夠共享同一張地圖,無論身在何處,步伐自然就會一致。
数字が理解できれば、できることが増える。
できることが増えれば、挑戦は恐れるものではなくなる。
當你完成了許多事情之後,挑戰就不再是應該畏懼的東西了。
日本に「商売力」を一人ひとりの生活と仕事の現場から、その力を着実に育てていきたいものである。
我希望從日本每個人的生活和工作現場培養「商業能力」。