中世のウクライナ人の歯石からキビを食べたことが分かった
奈良文化財研究所の研究チームは、ウクライナの中世のお墓から見つかった人の歯石を新しい方法で調べました。
その結果、キビを食べたことを示す成分が見つかりました。今までの方法では、このような細かい食べものの記録は分かりませんでした。
研究チームは、ウクライナ中部のオストリフという場所の10~12世紀のお墓から人骨の歯石を取りました。そして、歯石を加熱して気体にし、成分を調べる方法を使いました。31人のうち8人から、キビにしかない成分「ミリアシン」が見つかりました。
キビは昔からユーラシア大陸で大切な食べものでした。今までの分析方法では、たくさん食べていないと分かりませんでしたが、この新しい方法で少しだけ食べた場合も分かるようになりました。
研究チームのリーダーは、「歯石からキビを食べたことが分かったのは世界で初めてです。これからは他の食べものについても調べて、地域ごとの食生活をもっと詳しく知ることができるでしょう」と話しました。