日本新聞: アゼルバイジャンとアルメニア米仲介で和平へ共同宣言に署名

アゼルバイジャンとアルメニア米べい仲介ちゅうかいで和平わへいへ共同きょうどう宣言せんげんに署名しょめい

N2 Aug 9, 2025 10:08 46

Furigana 翻译

係争けいそう地ちをめぐり年">長年ながねん対立たいりつしてきた旧きゅうソビエトのアゼルバイジャンとアルメニアの両りょう首脳しゅのうが、アメリカのトランプ大統領だいとうりょうの立たち会あいのもと和平わへい実現じつげんに向むけた共同きょうどう宣言せんげんに署名しょめいしました。和平わへいに向むけた動うごきをロシアではなくアメリカが仲介ちゅうかいしたことは、旧きゅうソビエトを勢力せいりょく圏けんと見みなすロシアの影響えいきょう力りょくの低下ていかを印象いんしょうづけるものとなりました。

アメリカのトランプ大統領だいとうりょうは、8日ようか、ホワイトハウスにアゼルバイジャンのアリエフ大統領だいとうりょうとアルメニアのパシニャン首相しゅしょうを招まねきました。

そして、両りょう首脳しゅのうはトランプ大統領だいとうりょうの立たち会あいのもと和平わへい実現じつげんに向むけた共同きょうどう宣言せんげんに署名しょめいしました。

この中なかには、アルメニア領りょうをはさんで分断ぶんだんされているアゼルバイジャンの領土りょうどを、「トランプ・ルート」と呼よぶ回廊かいろうでつなぎ、整備せいびすることなどが盛もり込こまれているとしています。

アリエフ大統領だいとうりょうは「歴史れきし的てきな日ひだ」と述のべ、パシニャン首相しゅしょうも「平和へいわの扉とびらを開ひらくものだ」と応おうじ、トランプ大統領だいとうりょうに感謝かんしゃの意いを示しめしました。

また、トランプ大統領だいとうりょうは「とても感動かんどう的てきなことだ。

ロシアは解決かいけつを働はたらきかけていたが、実現じつげんできなかった」と成果せいかを強調きょうちょうしました。

両国りょうこくは、係争けいそう地ちのナゴルノカラバフをめぐって長年ながねん対立たいりつしてきましたが、今回こんかい、和平わへいに向むけた動うごきをアメリカが仲介ちゅうかいして進展しんてんさせた形かたちで、旧きゅうソビエトを勢力せいりょく圏けんと見みなすロシアの影響えいきょう力りょくの低下ていかを印象いんしょうづけるものとなりました。

トランプ大統領だいとうりょうとしては、みずからの仲介ちゅうかいを通とおして各地かくちの紛争ふんそう地ちなどで和平わへいを実現じつげんしたとアピールしたい思惑おもわくがあるものとみられます。

対立たいりつする両国りょうこくともにロシア関係かんけい悪化あっか

旧きゅうソビエトの構成こうせい国こくであるアゼルバイジャンと隣国りんごくのアルメニアは、アルメニア系けい住民じゅうみんが多数たすうを占しめた係争けいそう地ち、ナゴルノカラバフをめぐって長年ながねん、対立たいりつしてきましたが、2023年にせんにじゅうさんねん、アゼルバイジャンが軍事ぐんじ行動こうどうを起おこして勝利しょうりし、全域ぜんいきを支配しはいしました。

敗北はいぼくしたアルメニアは、後うしろ盾たてとなってきたロシアへの不満ふまんを強つよめ、ロシア主導しゅどうの軍事ぐんじ同盟どうめいから脱退だったいする方針ほうしんを示しめすなどロシア離ばなれを加速かそくさせ、さらにアメリカ軍ぐんと合同ごうどう軍事ぐんじ演習えんしゅうを行おこなうなどNATO＝北大ほくだい西洋せいよう条約じょうやく機構きこうに接近せっきんする動うごきも見みせてきました。

一方いっぽうのアゼルバイジャンも、2024年にせんにじゅうよねん12月じゅうにがつ、アゼルバイジャン航空こうくうの旅客機りょかくきの墜落ついらくをめぐって、ロシアによる誤あやま射いが原因げんいんだという見方みかたを示しめし、ロシア側がわに賠償ばいしょうを求もとめています。

さらに、ことし6月ろくがつにはアゼルバイジャンの捜査そうさ員いんがロシアの政府せいふ系けいメディアの職員しょくいんを拘束こうそくしたと伝つたえられ、これにロシアが強つよく反発はんぱつするなど、両国りょうこくの関係かんけいが悪化あっかしていました。

こうした中なか、アゼルバイジャンのアリエフ大統領だいとうりょうとアルメニアのパシニャン首相しゅしょうは先月せんげつにはUAE＝アラブ首長しゅちょう国こく連邦れんぽうで平和へいわ条約じょうやくの締結ていけつに向むけて会談かいだんしています。

両国りょうこくが和平わへいに向むけた協議きょうぎを進すすめる中なか、今回こんかい、ロシアではなくアメリカが仲介ちゅうかいして和平わへいの動うごきを進展しんてんさせた形かたちで、旧きゅうソビエトを勢力せいりょく圏けんと見みなすロシアの影響えいきょう力りょくの低下ていかを一段いちだんと印象いんしょうづけるものとなりました。