びわしん発見はっけんおに金棒かなぼう」のようなこのかいが…







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N1 Aug 16, 2025 17:08 597
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滋賀しがけんのびわ生物せいぶつ多様たようせい物語ものがた巻貝まきがい「カワニナ」について、東京とうきょう大学だいがく研究けんきゅうしゃ生息せいそくち調査ちょうさしたところ、ほか生息地せいそくちから隔絶かくぜつされたみずうみそこあるやまうえに、これまでととくちょうことなるカワニナが生息せいそくしていることがあらたにかりました。

調査ちょうさした研究者けんきゅうしゃは「過酷かこく環境かんきょうらすためにゴツゴツした貝殻かいがらなど独自どくじしんかげた可能性かのうせいがある」としています。

びわ多様性たようせい物語ものがた発見しんはっけん
滋賀しが県立けんりつ琵琶湖びわこ博物館はくぶつかんなどによりますと、びわにはここにしか生息せいそくしていない17種じゅうななしゅちいさな巻貝まきがいの「カワニナ」が確認かくにんされていて、びわ生物せいぶつ多様性たようせい物語ものがた生き物いきものとしてられています。
東京とうきょう大学だいがく澤田さわだひと直人なおととくにん研究けんきゅういん29にじゅうきゅう)は、びわでカワニナのあらたな生息地せいそくちつけようと、地元じもと漁業者ぎょぎょうしゃ協力きょうりょくふねでの調査ちょうさおこないました。

澤田さわださん着目ちゃくもくしたのは、びわ沖合おきあい5キロ付近ふきんみずうみそこにある「湖底こていやま」です。
カワニナは通常つうじょうみずうみ浅瀬あさせから水深すいしん30さんじゅうメートル付近ふきんにかけて生息せいそくしているため、水深すいしん60ろくじゅうメートルほどある沖合おきあいには生息せいそくできないとかんがえられてきました。
しかし、「湖底こていやま」はたかさが40よんじゅうメートルほどあり、やま頂上ちょうじょう水深すいしん20にじゅうメートル付近ふきん位置いちしています。

澤田さわださんはこの頂上ちょうじょう付近ふきん水深すいしんであれば、カワニナが生息せいそく可能かのうであるとかんがえ、地元じもと漁業者ぎょぎょうしゃ協力きょうりょくてエビをるための伝統でんとうてき漁具ぎょぐをしかけたのです。
その結果けっか漁具ぎょぐなかからエビにじってカワニナがつかりました。

貝殻かいがらかたち遺伝情報いでんじょうほう解析かいせきした結果けっか、びわのほかのカワニナとは特徴とくちょうことなることが確認かくにんされたということです。
このカワニナは貝殻かいがら表面ひょうめん突起とっきがあり、昔話むかしばなしなどにてくる「おに金棒かなぼう」のような特徴的とくちょうてきかたちをしています。
東京とうきょう大学だいがく 澤田さわだ直人なおと 特任とくにん研究員けんきゅういん
あらたにつかったカワニナは『湖底こていやま』の頂上ちょうじょう付近ふきんかぎって生息せいそくしているとみられます。過酷かこく環境かんきょうらすためにゴツゴツした貝殻かいがらつなど独自どくじ進化しんかげた可能性かのうせいがあるとかんがえられます」
多様性たようせい象徴しょうちょう「カワニナ」

びわには、ビワコオオナマズなどのびわにしか生息せいそくしない固有こゆう生き物いきもの60種ろくじゅっしゅ以上いじょう確認かくにんされていて、なかでも生物せいぶつ多様性たようせい象徴しょうちょうする存在そんざいなのが、「カワニナ」とばれる淡水たんすいせいちいさな巻貝まきがいです。

これまでに17じゅうなな固有種こゆうしゅ確認かくにんされていて、びわ固有こゆう生き物いきもの3分さんぶん1いちちかくをめています。
びわ沿岸えんがん岩場いわばどろ砂地すなじなど、変化へんかんだ環境かんきょう適応てきおうし、なが時間じかんをかけて多様たよう固有種こゆうしゅかれていったとかんがえられています。
こうしたびわのカワニナの多様化たようかは、およそ40よんじゅうまんねんまえ以降いこうきたとられることが、高知こうち大学だいがくなどがおこなった遺伝情報いでんじょうほう解析かいせきからわかっています。
東京とうきょう大学だいがく 澤田さわだ直人なおと 特任とくにん研究員けんきゅういん
「びわのカワニナを10年じゅうねんちか研究けんきゅうしてきましたが、びわは“カワニナのみずうみ”とっても過言かごんではなく、カワニナを調しらべることはびわについてることそのものだとかんがえています」
びわの「湖底こていやま
びわそこにはいくつかのやま存在そんざいしていることがられています。
このうち、今回こんかいのカワニナの調査ちょうさおこなわれた「湖底こていやま」はたかさが40よんじゅうメートルほどあり、13じゅうさんかいてのビルに相当そうとうします。

一方いっぽうで、びわ水深すいしんもっとふかいところで100ひゃくメートルをえていて、調査ちょうさおこなわれた「湖底こていやま」の周辺しゅうへん水深すいしん60ろくじゅうメートルと比較的ひかくてきふかくなっています。
このため「湖底こていやま」の姿すがた水面すいめんからはまったえず、水中すいちゅうにひっそりとかくれるように存在そんざいしています。
大学院だいがくいんまなんだ漁業者ぎょぎょうしゃ協力きょうりょく
今回こんかいのカワニナの調査ちょうさおこなわれたびわ沖合おきあいながれがきゅうで、ダイバーなどがもぐって調査ちょうさおこなうのは危険きけんともなうということです。

そこで調査ちょうさ実現じつげん協力きょうりょくしたのが、滋賀しがびわ漁業ぎょぎょう組合きょうどうくみあい海津かいづ支所ししょ所属しょぞくする若手わかて漁業者ぎょぎょうしゃ宮崎みやざきとしよさん(29にじゅうきゅう)です。
東京とうきょう海洋かいよう大学だいがく大学院だいがくいんでびわさかなテーマ研究けんきゅうをしていた経験けいけんのある宮崎みやざきさんは、おととし、カワニナの調査ちょうさおこな世代どうせだい研究者けんきゅうしゃ澤田さわだ直人なおとさん(29にじゅうきゅう)の講演こうえんいたのをきっかけに、調査ちょうさ協力きょうりょくするようになりました。
宮崎みやざきさんはエビをるための伝統的でんとうてき漁具ぎょぐ「エビタツベ」をふねんで調査ちょうさ水域すいいきかい、水面すいめんにはていない「湖底こていやま」の頂上ちょうじょう付近ふきんねらって漁具ぎょぐとし、後日ごじつ回収かいしゅうする調査ちょうさおこないました。

漁具ぎょぐ生き物いきもの一度いちどはいるとしにくい構造こうぞうになっていて、宮崎みやざきさんはエビやさかなとともにカワニナをげることに成功せいこうしたということです。はじめて成功せいこうしたのは2年にねんまえです。
漁業者ぎょぎょうしゃ 宮崎みやざき捷世としよさん
よくると全然ぜんぜんたことがないカワニナだったので、澤田さわださんと2人ふたり叫び声さけびごえげたことをおぼえています。漁業者ぎょぎょうしゃ経験けいけんかして基礎研究きそけんきゅう貢献こうけんできるのはこのうえないよろこびです」
びわ歴史れきしひもとくがかりに
今回こんかい、びわ沖合おきあいにある「湖底こていやま」からカワニナがつかったことは、びわ歴史れきしをひもとくがかりになる可能性かのうせいもあると期待きたいされています。

滋賀しが県立けんりつ琵琶湖びわこ博物館はくぶつかんなどによりますと、現在げんざいのびわがある場所ばしょみずうみができるまえふかたにやまつらなる地形ちけいで、およそ40万年よんじゅうまんねんまえ以降いこう、びわ西側にしがわとお断層だんそう運動うんどうによって徐々じょじょしずみ、西側にしがわから東側ひがしがわへとみずうみひろがることで、現在げんざいみずうみができたとかんがえられています。

また、このしずみの過程かていでかつてのやま一部いちぶみずうみ水没すいぼつし、「湖底こていやま」を形成けいせいしたとかんがえられるということです。
ただ、カワニナがつかった「湖底こていやま」がいつ水没すいぼつしたのかなど、詳細しょうさいについては現時点げんじてんではからないことがおおいということです。

そこで、「湖底こていやま」の歴史れきしをひもとくがかりとして期待きたいされているのが、山頂さんちょう付近ふきんからつかったカワニナの遺伝情報いでんじょうほうです。
東京とうきょう大学だいがく澤田さわだ直人なおと特任とくにん研究員けんきゅういんによりますと、遺伝情報いでんじょうほう解析かいせきすることで、カワニナのたねがびわ歴史れきしのどの時代じだいから存在そんざいしているのかなどのがかりがられ、そこから当時とうじ生息環境せいそくかんきょう類推るいすいできる可能性かのうせいがあるということです。
澤田さわださんはカワニナが「湖底こていやま」にたどりついたシナリオとして、
やまみずうみ水没すいぼつする過程かていでカワニナが頂上ちょうじょうのこされたケースや、
なんらかの理由りゆうながいたケースを想定そうていしています。

こうしたことから、びわ多様たようたね存在そんざいするカワニナを比較ひかく研究けんきゅうすることは「湖底こていやま」のちなど、びわ歴史れきしをひもとくがかりになる可能性かのうせいもあると期待きたいしています。
澤田さわだ直人なおと特任とくにん研究員けんきゅういん
「すべてのカワニナに名前なまえけてそれらの関係かんけいあきらかにしたうえで、なん万年まんねんくらいまえたね分化ぶんかしたのかをあきらかにできれば、びわ歴史れきしかってくるとおもうので、そうした研究けんきゅうをしていきたい」
富山とやま放送ほうそうきょく 記者きしゃ 山内やまうち洋平ようへい







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