来月らいげつから霞かすみが関せきで除染土じょせんど再生さいせい利用りよう 政府せいふがロードマップ正式せいしき決定けってい

原発げんぱつ事故じこのあと、福島ふくしま県内けんないの除じょ染せんによって取とり除のぞかれた大量たいりょうの土つちなどは、県内けんないの中間ちゅうかん貯蔵ちょぞう施設しせつで保管ほかんされ、2045年にせんよんじゅうごねんまでに福島ふくしま県けん外がいで最終さいしゅう処分しょぶんすることが法律ほうりつで定さだめられています。

政府せいふは、この最終さいしゅう処分しょぶんの量りょうを減へらすため、放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつの濃度のうどが低ひくい土つちについては全国ぜんこくの公共こうきょう工事こうじの盛もり土つちなどで再生さいせい利用りようする方針ほうしんで、7月しちがつには福島ふくしま県けんでの実証じっしょう事業じぎょうを除のぞいて全国ぜんこくで初はじめて総理そうり大臣だいじん官邸かんていの敷地しきち内ないで再生さいせい利用りようしました。

政府せいふは26日にじゅうろくにちの会議かいぎで今後こんご5年ごねん程度ていどで取とり組くむロードマップを示しめし、再生さいせい利用りようについては、9月くがつから霞かすみが関せきの中央ちゅうおう省庁しょうちょうの花壇かだんなどで始はじめたうえで、地方ちほうの出先でさき機関きかんなどでも検討けんとうするとしています。

また、最終さいしゅう処分しょぶんについては、2030年にせんさんじゅうねんごろに県けん外がいの候補こうほ地ちの選定せんていや調査ちょうさを始はじめるとし、ことし秋あきごろには新あらたな有識者ゆうしきしゃ会議かいぎを設置せっちすることが盛もり込こまれました。

林はやし官房かんぼう長官ちょうかんは、「福島ふくしまの復興ふっこうに向むけて中間ちゅうかん貯蔵ちょぞう施設しせつに保管ほかんされている除去じょきょ土壌どじょうや指定してい廃棄はいき物ぶつについて、30年さんじゅうねん以内いないに県けん外がいでの最終さいしゅう処分しょぶんを実現じつげんするよう政府せいふ一丸いちがんとなって着実ちゃくじつに取とり組くみを前進ぜんしんさせていくことが必要ひつようだ」と述のべました。

そのうえで、「復興ふっこう再生さいせい利用りようなどの推進すいしんにあたっては、その必要ひつよう性せい・安全あんぜん性せいなどに対たいする国民こくみんの幅広はばひろい理解りかい醸成じょうせいが重要じゅうようだ。

浅尾あさお環境かんきょう大臣だいじんは会見かいけんで、「再生さいせい利用りようにおける政府せいふが率先そっせんした先行せんこう事例じれいの創出そうしゅつや県けん外がい最終さいしゅう処分しょぶんの検討けんとうおよび国民こくみんへの理解りかい醸成じょうせいなどの取とり組くみを着実ちゃくじつに実行じっこうし、2045年にせんよんじゅうごねん3月さんがつまでの県けん外がい最終さいしゅう処分しょぶんの実現じつげんに向むけて引ひき続つづき政府せいふ一丸いちがんとなって全力ぜんりょくで取とり組くんでいく」と述のべました。

知事ちじ “前進ぜんしんも 実現じつげん見通みとおし実感じっかんできず”

新あらたなロードマップが正式せいしき決定けっていされたことについて、福島ふくしま県けんの内堀うちぼり知事ちじはコメントを出だしました。

「再生さいせい利用りようの事例じれいの創出そうしゅつや新あらたな有識者ゆうしきしゃ会議かいぎの設置せっちなど政府せいふが率先そっせんして行おこなう取とり組くみがまとめられたほか、県けん外がい最終さいしゅう処分しょぶん場じょうの候補こうほ地ちの選定せんてい等とうを行おこなう時期じきが明記めいきされたことは、一定いっていの前進ぜんしんと受うけ止とめている。

中間ちゅうかん貯蔵ちょぞう施設しせつの立地りっち自治体じちたいは

中間ちゅうかん貯蔵ちょぞう施設しせつが立地りっちする双葉ふたば町まちと大熊おおくま町まちの町長ちょうちょうも、それぞれ">それぞれコメントを発表はっぴょうしました。

双葉ふたば町まち 伊澤いさわ史朗しろう町長ちょうちょう

「ロードマップの策定さくていは一定いっていの前進ぜんしんと受うけ止とめている。

大熊おおくま町まち 吉田よしだ淳あつし町長ちょうちょう

「最終さいしゅう処分しょぶん場じょうの仕様しようの具体ぐたい化かや候補こうほ地ち選定せんていの実施じっしといった目標もくひょうが示しめされたことは評価ひょうかでき、進捗しんちょくを注視ちゅうししたい。

大熊おおくま町まちの地権ちけん者しゃ “責任せきにん感かんもって進すすめて”

福島ふくしま県けん大熊おおくま町まちの土屋つちや繁男しげおさん（76ななじゅうろく）は、原発げんぱつ事故じこのあと、30年さんじゅうねん近ちかく暮くらした自宅じたくがあった土地とちを中間ちゅうかん貯蔵ちょぞう施設しせつの用地ようちとして提供ていきょうしました。

家族かぞくとともに避難ひなん先さきで暮くらしていましたが、ふるさとに戻もどりたいと、大熊おおくま町まちの避難ひなん指示しじが解除かいじょされた地域ちいきに自宅じたくを建たてて、ことし6月ろくがつから町まちで暮くらしています。

土屋つちやさんは、新あらたなロードマップが正式せいしき決定けっていされたことについて、「福島ふくしま県内けんないの除じょ染せんで出でた土つちを本当ほんとうに県けん外がいに処分しょぶんできるのか不安ふあんもあるなかで、目めに見みえる指標しひょうが示しめされたのは前進ぜんしんだと感かんじる」と話はなしました。

そのうえで、県けん外がいへの最終さいしゅう処分しょぶんに向むけて、「実現じつげんには、日本にっぽん全体ぜんたいで問題もんだいを知しってもらう必要ひつようがありそのためにも東京とうきょうの官公庁かんこうちょうなどで再生さいせい利用りようが進すすむのはいいことだと思おもう。

専門せんもん家か “全国ぜんこく的てき理解りかいや若わかい世代せだいの理解りかいが重要じゅうよう”

福島ふくしまの復興ふっこうに詳くわしい東京とうきょう大学だいがく大学院だいがくいんの開ひらく沼ぬま博ひろし准じゅん教授きょうじゅに今回こんかい、正式せいしき決定けっていされたロードマップについて詳くわしく聞ききました。

Q。

Q

今回こんかい正式せいしき決定けっていされたロードマップについて、どう受うけ止とめましたか？

A。

您对这次正式决定的路线图有何看法？

ある程度ていど、変化へんかや進すすんだ点てんは見受みうけられるが、本来ほんらいであればもっと早はやく具体ぐたい的てきな道筋みちすじが示しめされ、最終さいしゅう処分しょぶんまでの道筋みちすじが分わかるのではないかと期待きたいを持もっていた人ひとは多おおかったと思おもう。

在某种程度上，虽然可以看到一些变化和进步的地方，但原本应该更早地明确具体的路线，让人们能够了解最终处置的路径，许多人对此抱有期待。

Q。

问

ロードマップでは、ことし9月くがつからまず東京とうきょう・霞かすみが関せきの中央ちゅうおう省庁しょうちょうで再生さいせい利用りようが始はじまり、さらに地方ちほうにある出先でさき機関きかんなどでも再生さいせい利用りようを検討けんとうすること、そして、公共こうきょう事業じぎょうや民間みんかん工事こうじで土地とち造成ぞうせいや盛もり土つち、埋うめ立たてなどに利用りようして先行せんこう事例じれいを創出そうしゅつすることが示しめされました。

在路线图中，指出将从今年9月开始，首先在东京霞关的中央省厅启动再利用，此外还将考虑在地方的分支机构等地进行再利用，并通过在公共工程和民间工程中用于土地开发、填土、填埋等，创造先行案例。

その意味いみは？

A。

那是什么意思？A

まず政治せいじの側がわから前面ぜんめんに立たって実行じっこうしていくことの意味いみは非常ひじょうに大おおきいが、その時ときだけニュースになって終おわるのでは意味いみがない。

首先，政治方面率先站出来并付诸实践意义重大，但如果只是那时成为新闻然后就结束了，那就没有意义了。

こうしたアクションを次つぎにどうつなげていくのかが大事だいじで、いろんなアイデアを出だしながら、この問題もんだいの認知にんちの底上そこあげをしていくべきだ。

关键在于如何将这些行动与下一步衔接起来，同时我们应该不断提出各种想法，提高大家对这个问题的认知水平。

また、これまで官邸かんていや環境省かんきょうしょうなど一部いちぶの問題もんだいとなっていた感かんじがあったが、さまざまな省庁しょうちょうや地域ちいきを超こえて、全国ぜんこくでこの問題もんだいを考かんがえていくことが、再生さいせい利用りようや最終さいしゅう処分しょぶんを進すすめるうえで大だい前提ぜんていとなる。

此外，过去这一问题似乎主要集中在首相官邸和环境省等少数部门，但今后要跨越各种省厅和地区，在全国范围内共同思考这个问题，这将成为推进再利用和最终处置的基本前提。

福島ふくしま県けん外がいでの最終さいしゅう処分しょぶんを掲かかげている中なかで、ようやくこうした具体ぐたい的てきなアプローチが出でてきたと思おもっている。

我认为，在提出要在福岛县外进行最终处置的情况下，终于有了这样的具体举措。

Q。

问

2030年にせんさんじゅうねんごろに最終さいしゅう処分しょぶんの候補こうほ地ち選定せんていや調査ちょうさを始はじめる方針ほうしんが示しめされたが、それに向むけて必要ひつようなことは？

A。

已经提出了到2030年左右开始选择最终处置候选地和进行调查的方针，为此需要做些什么？

最終さいしゅう処分しょぶんの選定せんていは極きわめて合意ごうい形成けいせいが難むずかしく、政治せいじ的てきにも簡単かんたんではない。

最终处置的选定极其难以达成共识，在政治上也并非易事。

今いまの段階だんかいから認知にんち度どを上あげ、最終さいしゅう処分しょぶんを受うけ入いれてくれる地域ちいきと、何なんらかの落おとしどころを見みいだす努力どりょくや具体ぐたい策さくを示しめすことができるかが求もとめられる。

从现在开始提高认知度，能否努力寻找能够接受最终处置的地区，并提出某种折中的解决办法和具体对策，将成为关键。

最終さいしゅう処分しょぶんを進すすめるために必要ひつような再生さいせい利用りようについては、科学かがく的てきにどうなのか、あるいは政治せいじ的てきなプロセスを過去かこの失敗しっぱいも含ふくめて積つみ重かさねられてきた議論ぎろんを透明とうめい性せいを高たかめ分わかりやすく示しめすことが重要じゅうようだ。

关于为推进最终处置所必需的再生利用，重要的是要以更高的透明度、通俗易懂地展示包括过去失败在内所积累的科学性或政治流程方面的讨论。

特とくに再生さいせい利用りようについては、デマなどがSNSで流ながれやすくなっているので、間違まちがった情報じょうほうを否定ひていすることも重要じゅうようだ。

特别是在再生利用方面，谣言等在社交网络上容易传播，因此否定错误信息也很重要。

Q。

问

今回こんかいのロードマップでは、「再生さいせい利用りよう」「県けん外がい最終さいしゅう処分しょぶん」への道筋みちすじとともに「理解りかい醸成じょうせい」の具体ぐたい策さくも盛もり込こまれました。

在这次的路线图中，不仅包含了“再利用”“县外最终处理”的路径，还纳入了促进“理解形成”的具体措施。

理解りかい醸成じょうせいに向むけて、霞かすみが関せきの中央ちゅうおう省庁しょうちょうの花壇かだんなどでの再生さいせい利用りようの事例じれいについて、さまざまなイベントの機会きかいを捉とらえて発信はっしんを強化きょうかするとしているが、今後こんご 国くににさらに求もとめられる対策たいさくは？

A。

为了促进理解，政府表示将利用各种活动机会，加强在霞关中央省厅花坛等地再生利用案例的宣传，但今后国家还需要采取哪些进一步的对策？

そもそも、除去じょきょ土壌どじょうや福島ふくしま県けん外がいでの最終さいしゅう処分しょぶんについて、社会しゃかい的てきに知しられていないことが根本こんぽんの問題もんだいで、特とくに震災しんさいの記憶きおくがない若わかい世代せだいに伝つたわっていないという課題かだいがある。

根本问题在于，关于去除土壤和在福岛县外最终处置的情况，社会上并不为人所知，特别是没有震灾记忆的年轻一代并未了解到这一问题。

2045年にせんよんじゅうごねんまでに福島ふくしま県けん外がいでの最終さいしゅう処分しょぶんを実現じつげんするためには、全国ぜんこく的てきな理解りかいや若わかい世代せだいの理解りかいが重要じゅうようであり、今いまから2030年にせんさんじゅうねんまでに理解りかいの底上そこあげを図はかり、合意ごうい形成けいせいをどう進すすめるのか、具体ぐたい的てきにつめていく必要ひつようがある。

为了在2045年前实现福岛县以外的最终处置，获得全国范围以及年轻一代的理解非常重要。从现在起到2030年，需要提升大家的理解，并且具体探讨如何推进共识的形成。

現在げんざい中間ちゅうかん貯蔵ちょぞう施設しせつがある福島ふくしま県けんの現場げんばには、もともとは2000人にせんにんの生活せいかつがあり、その場所ばしょについてことばで言いい表あらわせないほどの思おもいを持もっている。

目前在设有中期贮藏设施的福岛县现场，原本有2000人的生活，对那个地方有着难以用言语表达的情感。

この問題もんだいが解決かいけつしないと、被災ひさいで大変たいへんな思おもいをした現地げんちの大熊おおくま町まち、双葉ふたば町まちが負担ふたんし続つづけるということになる。

如果这个问题得不到解决，曾因灾难而遭受巨大痛苦的大熊町和双叶町将不得不持续承担负担。

問題もんだいが解決かいけつされず14年じゅうよねん前まえから現在げんざいに続つづいていることを多おおくの人ひとが共有きょうゆうすることから始はじめてほしい。

许多人都在分享这样一个事实：问题自14年前未能解决，一直持续到现在。

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