日本新聞: 自民派閥の政治資金事件検事が“不適正な取り調べ”

自民じみん派閥はばつの政治せいじ資金しきん事件じけん検事けんじが“不適正てきせいな取とり調しらべ”

N1 Aug 26, 2025 05:08 228

Furigana 翻译

自民党じみんとうの派閥はばつの政治せいじ資金しきんパーティーをめぐる事件じけんで、東京とうきょう地検ちけん特捜とくそう部ぶに元もと参議院さんぎいん議員ぎいんとともに在宅ざいたく起訴きそされた当時とうじの秘書ひしょの事情じじょう聴取ちょうしゅを担当たんとうした検事けんじが、相手あいてをやゆしたり、記憶きおくに沿そわない供述きょうじゅつを求もとめたりするような発言はつげんをしていたとして、最高さいこう検察庁けんさつちょうが不ふ適正てきせいな取り調とりしらべだったと認定にんていしていたことが、関係かんけい者しゃへの取材しゅざいでわかりました。

自民党じみんとうの旧きゅう安倍あべ派はに所属しょぞくしていた元もと参議院さんぎいん議員ぎいんの大野おおの泰正やすまさ被告ひこくと元もと秘書ひしょの岩田いわた佳子けいこ被告ひこくは、派閥はばつから5100万ごせんひゃくまん円えん余あまりのキックバックを受うけたにもかかわらず、元もと議員ぎいんの資金しきん管理かんり団体だんたいの収支しゅうし報告ほうこく書しょに収入しゅうにゅうとして記載きさいしていなかったとして、政治せいじ資金しきん規正きせい法ほう違反いはんの罪つみで在宅ざいたく起訴きそされています。

このうち、元もと秘書ひしょへの任意にんいの事情じじょう聴取ちょうしゅで不ふ適正てきせいな取り調とりしらべが行おこなわれていたと、最高さいこう検察庁けんさつちょうが認定にんていしていたことが関係かんけい者しゃへの取材しゅざいでわかりました。

事情じじょう聴取ちょうしゅは録音ろくおん・録画ろくがされていて、担当たんとう検事けんじは違法いほう性せいに関かんする元もと秘書ひしょの弁解べんかいに対たいし、法律ほうりつを知しらない外国がいこくの人間にんげんだと例たとえたうえで、「日本にっぽんの法律ほうりつに不知ふちですみませんと反省はんせいしてもらいたい。

あなただけが争あらそっているつもりで滑稽こっけいだと思おもう」などと述のべ、差別さべつ的てきな表現ひょうげんでやゆするような発言はつげんをしたということです。

また、キックバックの金額きんがくに関かんする聴取ちょうしゅの際さい、「正ただしいか分わからないですよね。

ただ、一応いちおう正ただしいですと言いってくれないと困こまるんですよね」などと、記憶きおくに沿そわない供述きょうじゅつを求もとめるような発言はつげんもしていたということです。

一方いっぽうで、弁護士べんごしの助言じょげんを得えてから供述きょうじゅつ調書ちょうしょに署名しょめいするかを確認かくにんするなど、任意にんい性せいや信用しんよう性せいについては一定いっていの配慮はいりょがされていたとしています。

担当たんとうしていたのは当時とうじ、別べつの地検ちけんから応援おうえんで特捜とくそう部ぶに派遣はけんされていた男性だんせい検事けんじで、指導しどうを受うけたということです。

これについて、最高検さいこうけんは「個別こべつの事案じあんの証拠しょうこ関係かんけいに関かかわる事柄ことがらであるためコメントできない」などとしています。

不ふ適正てきせいな取り調とりしらべが相次あいつぐ

東京とうきょう地検ちけんや大阪おおさか地検ちけんの特捜とくそう部ぶなどでは、年">近年きんねん、不ふ適正てきせいな取り調とりしらべが相次あいついで明あきらかになっています。

6年ろくねん前まえ、大阪おおさか地検ちけん特捜とくそう部ぶが捜査そうさした横領おうりょう事件じけんでは、担当たんとう検事けんじが取り調とりしらべで机つくえをたたき、「検察けんさつなめんなよ」などと大声おおごえで罵倒ばとうしたなどとして、特別とくべつ公務員こうむいん暴行ぼうこう陵虐りょうぎゃくの罪つみでこの検事けんじを被告ひこくとする刑事けいじ裁判さいばんが開ひらかれることになっています。

河井かわい克行かつゆき元もと法務ほうむ大臣だいじんが有罪ゆうざい判決はんけつを受うけた6年ろくねん前まえの参議院さんぎいん選挙せんきょをめぐる大だい規模きぼ買収ばいしゅう事件じけんでは、任意にんいの取り調とりしらべを受うけた元もと広島ひろしま市議会しぎかい議員ぎいんが東京とうきょう地検ちけん特捜とくそう部ぶの検事けんじから不ふ起訴きそにすることを示唆しさして買収ばいしゅうの趣旨しゅしを認みとめる供述きょうじゅつをするよう促うながされたと訴うったえました。

また、4年よねん前まえ、東京とうきょう地検ちけん特捜とくそう部ぶが捜査そうさした詐欺さぎ事件じけんでは、逮捕たいほ後ごの取り調とりしらべで黙秘もくひを続つづけていた会社かいしゃの社長しゃちょうが、担当たんとう検事けんじから「検察庁けんさつちょうを敵視てきしするってことは、反はん社しゃや、完全かんぜんに」などと自白じはくを迫せまられ、罵倒ばとうされたなどと訴うったえました。

いずれの取り調とりしらべについても、最高検さいこうけんは不ふ適正てきせいな点てんがあったと認定にんていしています。

元もと検事けんじの亀井かめい弁護士べんごし “基礎きそ的てきな教育きょういくの確立かくりつを”

元もと検事けんじの亀井かめい正貴まさたか弁護士べんごしは「録音ろくおん・録画ろくががされているなかでこうした言動げんどうがあるということは、問題もんだいになる行為こういではないという意識いしきがおそらくあったのだろう。

特捜とくそう部ぶの事件じけんは社会しゃかい的てきな注目ちゅうもくを浴あび、事案じあんを解明かいめいしなければならないということがどうしても優先ゆうせん事項じこうとして出でてくるが、不ふ適正てきせいな取り調とりしらべを是正ぜせいする教育きょういくがされておらず、個人こじんの常識じょうしきや判断はんだんの中なかに埋没まいぼつしていると思おもう。検事けんじ個人こじんの判断はんだんや感性かんせいに任まかせるのではなく、適切てきせつな表現ひょうげんはこういうものだという基礎きそ的てきな教育きょういくが、システムとして確立かくりつされていく必要ひつようがある」と指摘してきしています。