原発げんぱつ地域ちいき振興しんこう特別とくべつ措置そち法ほうの適用てきよう範囲はんい 半径はんけい30さんじゅうキロ圏内けんないに拡大かくだいへ

政府せいふは29日にじゅうくにち午前ごぜん、総理そうり大臣だいじん官邸かんていで原子力げんしりょく関係かんけい閣僚かくりょう会議かいぎを開ひらきました。

この中なかで、原発げんぱつ周辺しゅうへんの自治体じちたいの公共こうきょう事業じぎょうに対たいする国くにからの補助ほじょ金きんを定さだめた「原発げんぱつ地域ちいき振興しんこう特別とくべつ措置そち法ほう」の適用てきよう範囲はんいについて、現在げんざいの原発げんぱつの半径はんけい10キロ圏内けんないから30キロ圏内けんないに拡大かくだいする方針ほうしんを決きめました。

2011年にせんじゅういちねんの東京とうきょう電力でんりょく福島ふくしま第だい一いち原発げんぱつの事故じこの後のち、避難ひなん計画けいかくの策定さくていといった防災ぼうさい対策たいさくが求もとめられる重点じゅうてん区域くいきが原発げんぱつから30キロ圏内けんないに拡大かくだいされた一方いっぽう、財政ざいせい支援しえんの対象たいしょうは10キロ圏内けんないのまま変更へんこうされず、原発げんぱつが立地りっちする道県どうけんの知事ちじなどから改善かいぜんを求もとめる声こえがあがっていました。

また、29日にじゅうくにちの会議かいぎでは東京とうきょう電力でんりょくが再さい稼働かどうを目指めざす柏崎かしわざき刈羽かりわ原発げんぱつについて運営うんえいに対たいする国くにの監視かんしを強つよめるため、内閣ないかく官房かんぼう副ふく長官ちょうかんをトップとする専門せんもんのチームを立たち上あげることも決きまりました。

新潟にいがた県けんの花角はなずみ知事ちじは県民けんみんの意見いけんを把握はあくする取とり組くみを行おこなったうえで、月">来月らいげつ以降いこうに再さい稼働かどうの是非ぜひに関かんする判断はんだんを示しめすとしていて、今回こんかいの国くにの対応たいおうが地元じもとの同意どういにどのような影響えいきょうを与あたえるかが焦点しょうてんになります。

支援しえん対象たいしょうの自治体じちたい 22にじゅうに道府県どうふけんの約やく150ひゃくごじゅう市町村しちょうそんに

財政ざいせい支援しえんの対象たいしょうが原発げんぱつの半径はんけい30キロ圏内けんないに見直みなおしされることで、支援しえんを受うけられる自治体じちたいは現在げんざいの14じゅうよん道府県どうふけんの76ななじゅうろく市町村しちょうそんから22にじゅうに道府県どうふけんのおよそ150ひゃくごじゅう市町村しちょうそんに広ひろがる見通みとおしです。

内閣ないかく府ふの担当たんとう者しゃは「なるべく早はやく実施じっししたい」としているものの、具体ぐたい的てきな時期じきは現時点げんじてんで明あきらかにしていません。

対象たいしょうに指定していされれば、道路どうろや港みなと、学校がっこうなどを整備せいびする際さいの国くにの補助ほじょ割合わりあいが通常つうじょうの50ごじゅっ％から55ごじゅうご％に引ひき上あげられるなどの支援しえんを受うけられることになります。

政府せいふはことし2月にがつに閣議かくぎ決定けっていした新あらたなエネルギー基本きほん計画けいかくで原子力げんしりょくを最大限さいだいげん活用かつようしていく方針ほうしんを打うち出だし、発電はつでん量りょう全体ぜんたいに占しめる原子力げんしりょくの割合わりあいを現在げんざいの2023年度にせんにじゅうさんねんど末まつの8。

今回こんかいの財政ざいせい支援しえんの対象たいしょう拡大かくだいは新潟にいがた県けんの東京とうきょう電力でんりょく柏崎かしわざき刈羽かりわ原発げんぱつをはじめ、各地かくちの原発げんぱつの再さい稼働かどうに向むけた後押あとおしにつなげるねらいもあるとみられます。

石破いしば首相しゅしょう「再さい稼働かどうへの理解りかいが進すすむよう全力ぜんりょくで対応たいおうを」

石破いしば総理そうり大臣だいじんは「原子力げんしりょく発電はつでん所しょの安全あんぜん性せいと必要ひつよう性せいについての理解りかいが深ふかまるよう十じゅう分ぶんかつ丁寧ていねいな説明せつめいや情報じょうほう発信はっしんを行おこなうとともに原子力げんしりょく災害さいがい時じの住民じゅうみん避難ひなんを円滑えんかつにするための避難ひなん路ろや屋内おくない退避たいひ施設しせつの整備せいびなど避難ひなん対策たいさくの実効じっこう性せいを向上こうじょうしていくことが重要じゅうようだ」と述のべ、原子力げんしりょく防災ぼうさい体制たいせいを充実じゅうじつ・強化きょうかするよう関係かんけい閣僚かくりょうに指示しじしました。

また「原子力げんしりょく発電はつでん所しょの再さい稼働かどうについては安全あんぜん性せいの確保かくほを大前提だいぜんていとし、原子力げんしりょく規制きせい委員いいん会かいが新しん規制きせい基準きじゅんに適合てきごうすると認みとめた場合ばあいのみ、地元じもとの理解りかいを得えた上うえで再さい稼働かどうを進すすめるのが政府せいふの一貫いっかんした方針ほうしんだ。

東電とうでん社長しゃちょう 柏崎かしわざき刈羽かりわ原発げんぱつ再さい稼働かどうに向むけ新あらたな資金しきん支援しえん

東京とうきょう電力でんりょくホールディングスの小早川こばやかわ智明ともあき社長しゃちょうは原子力げんしりょく関係かんけい閣僚かくりょう会議かいぎのあと、記者きしゃ団だんに対たいし、柏崎かしわざき刈羽かりわ原発げんぱつの再さい稼働かどうに向むけた新潟にいがた県けんでの取とり組くみについて「原発げんぱつで発電はつでんした電気でんきが首都しゅと圏けんに供給きょうきゅうされていることから、地域ちいき経済けいざいのさらなる発展はってんに資しする取とり組くみを求もとめる声こえがあると認識にんしきしている」と述のべ、地域ちいき経済けいざいの活性かっせい化かに向むけた資金しきん面めんでの支援しえんなどを新あらたに行おこなうことを明あきらかにしました。

具体ぐたい的てきな内容ないようは今後こんご、地元じもととの協議きょうぎを踏ふまえて決きめるとしています。

また29日にじゅうくにちの会議かいぎでは柏崎かしわざき刈羽かりわ原発げんぱつの安全あんぜん対策たいさくなどの運営うんえい全般ぜんぱんに外部がいぶの視点してんを取とり入いれるための会議かいぎのメンバーに「原子力げんしりょく損害そんがい賠償ばいしょう・廃はい炉ろ等とう支援しえん機構きこう」の経営けいえい改革かいかく支援しえん室長しつちょうが加くわわることも明あきらかにされました。

小早川こばやかわ社長しゃちょうは「運営うんえい会議かいぎに加くわえ、今後こんごは国くにが設置せっちする監視かんしチームの指導しどうのもと、管理かんり体制たいせいの強化きょうかにしっかり取とり組くんでいく」と述のべました。